フィットネス
2024年1月26日

フルマラソンとウルトラマラソンの違いは?距離、時間、走り方、コース (3/3)

違い4:アップダウンが多くなるコース 

 フルマラソンにはフラットコースと呼ばれる大会がいくつか存在し、初心者あるいは記録更新を狙うランナーは、走りやすさからそうした大会を選ぶ傾向にあります。しかしウルトラマラソンでは、なかなかそうもいきません。100kmという距離でフラットなコースを確保することは、非常に難しいものです。

 もしどうしてもフラットコースで走りたいのであれば、同じコースを何度も回る周回レース、あるいは河川敷の往復を走るような大会を選ぶことになります。しかしそうした大会には、「景色が変わらない」「日陰が少ない」「飽きてしまう」など、デメリットも少なくありません。そのためウルトラマラソンに挑戦するならば、アップダウンは当然のこととして捉えておいた方が良いでしょう。

 多くのウルトラマラソン大会では、コース情報として累積標高差をホームページなどに掲載しています。「できるだけアップダウンの少ないコースを走りたい」という方は、こちらの情報を参考に大会を選んでください。ただし同じ累積標高差でも、以下2つのパターンが考えられます。

・何度も細かなアップダウンを繰り返している
・一気に高い地点まで駆け上がって、後は下っている

 好き好きはありますが、疲労の溜まり方や辛さはそれぞれ違うもの。どちらが自分に合っているかは、トレーニングを経て見極めることが大切です。

 とはいえウルトラマラソンに慣れてくると、アップダウンはむしろ楽しみのひとつになるかもしれません。私の場合も、あえてアップダウンが多い過酷そうな大会を選びがち。同時にアップダウンの多い大会は、その分だけコース上から素晴らしい景色が見られるように感じています。

 登りきった峠から見下ろす街や海などの光景は、それだけで「苦労して走った甲斐があった」と感じられるものです。

それぞれの違いを踏まえて、完走を目指したトレーニングを行おう

 実際にウルトラマラソンを走ってみると、ほかにもさまざまな違いを感じられるでしょう。ここでは分かりやすく代表的なものを取り上げましたが、やはり一番は、実際に走って体験していただくことに尽きます。

 とはいえ、これらの違いは、完走するうえで大きな壁となるでしょう。まずは「何が違うのか」をしっかり認識し、それを乗り越えるためのトレーニングを積むこと。周囲にウルトラマラソンの経験者がいれば、ぜひ一緒にトレーニングしてみてください。完走までの道のりには、フルマラソンと違った練習が必要となるかもしれません。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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