
40代から腹筋を割る方法|男女別の体脂肪率・運動・食事の現実的ステップ (3/3)
腹筋を割るための食事改善|40代は量より質を整える
食事は腹筋を割るための大きなカギになります。無理な制限ではなく、栄養バランスと持続できる工夫が重要です。
まずは今の食事を「記録」して全体像をつかむ
いきなり食事を変えるのではなく、まずは何をどれくらい食べているかを把握することが大切です。写真に撮る、メモに残すなどの方法で日々の食事を見直してみましょう。
自分の傾向を知ることで、何を減らし、何を足すべきかが見えてきます。朝はパンだけ、夜に脂質が多い、野菜が少ないといった課題に自然と気づけるようになります。
40代男女別のPFCバランス目安を知っておく
食事で意識したいのは、PFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)のバランスです。40代では筋肉量の維持が重要なため、たんぱく質をしっかり摂ることが基本になります。
■40代男女の1日あたりのPFCバランス目安
性別 | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 | 摂取カロリー合計(目安) |
男性 | 約120g | 約50g | 約200g | 約1,800~2,000kcal |
女性 | 約80g | 約40g | 約150g | 約1,400~1,600kcal |
たんぱく質は、肉や魚、卵、大豆食品から取りやすく、脂質は質のよい油(オリーブオイルやナッツ類)を選ぶことがポイントです。
炭水化物は白米よりも玄米や雑穀米、オートミールなどを取り入れると血糖値の上昇を抑えやすくなります。
また、体格や活動量によってこのPFCバランスは変動します。
・運動量が多い人は、たんぱく質+10〜20g、炭水化物もやや多めでOK
・減量目的なら、炭水化物をやや控えめにして調整
・女性で月経がある場合は、たんぱく質と鉄分を意識してプラスするのも効果的です
急激な制限ではなく「1日1改善」で変化を作る
糖質制限や極端なカロリーカットをいきなり始めると、リバウンドやストレスの原因になります。体脂肪を落としたい場合も、まずは「ちょっとずつ整える」ことが長く続けるコツです。
たとえば、夜の炭水化物を少し減らす、揚げ物を週に一度にする、コンビニでサラダを一品足すなど、1日にひとつの小さな変化を続けていくと、無理なく理想に近づいていけます。
「完璧な食事を1日」よりも「70〜80点の食事を1週間続ける」ほうが、腹筋を割るには効果的です。
腹筋を割るトレーニング|縦線から横線へ段階的に進める
腹筋を割るには、脂肪を落とすだけでなく、筋肉を育てて「見える形」に仕上げる必要があります。このパートでは、縦線→横線の順に割れて見えるためのトレーニングの進め方を紹介します。
縦線を作るには体幹を中心に鍛える
▲真ん中の白い線が白線
まずは腹筋の中心にある白線を浮かび上がらせることが第一ステップです。この縦線は、腹直筋が薄くても見えることが多く、体脂肪率が下がってくると自然と現れます。
トレーニングでは、プランクやレッグレイズのように体幹をしっかり使う種目を中心に取り入れます。筋肉を厚くするというより、引き締めて「輪郭を出す」段階です。
縦線が見えたら横線を入れる種目を加える
白線が見えるようになってきたら、次は腹筋を立体的に割って見せるフェーズに入ります。この段階では腹直筋の上部・下部を分けて刺激し、横線の凹凸を作る意識が必要です。
クランチ|上腹部に効く
リバースクランチ|下腹部を狙う
ロシアンツイスト|腹斜筋にも刺激
無理に回数を増やすのではなく、1回ごとの動きを丁寧に行うことで、筋肉にしっかり刺激が入ります。
女性は「縦線がキレイに見える腹筋」が理想的
女性の場合、体脂肪率を下げすぎると体調を崩すリスクがあるため、シックスパックよりも縦線が入った腹筋割れ「アブクラックス」を目指すのが現実的です。特に腹直筋と腹斜筋のバランスを整えることで、くびれやお腹のスッキリ感が際立ちます。
サイドプランクやツイスト系の動きを取り入れると、見た目にもきれいな腹筋ラインが作れます。週2〜3回、呼吸を意識しながら丁寧に取り組むことが効果を高めるポイントです。
継続が結果をつくる|習慣化とメンタル維持の工夫
腹筋を割るには、短期間の集中よりも、日々の小さな積み重ねが大切です。このセクションでは、習慣化のコツと気持ちの維持に役立つ考え方を紹介します。
「完璧主義」を捨てると続けやすくなる
最初から理想の食事やハードな運動を目指すと、途中で気力が尽きてしまうことがあります。実際に成果を出す人ほど、あえて完璧を求めすぎず、できる範囲で続けることを大切にしています。
「今日はスクワットだけ」「今日は間食をやめられた」というように、小さな成功体験を積み上げていくことが継続につながります。1週間単位で振り返る習慣を持つのもおすすめです。
記録をつけると変化に気づきやすい
体脂肪率や体重の変化は、毎日見ていると気づきにくいものです。そんなときは、写真やメモで記録を残しておくと、1〜2週間ごとの変化が目に見えてわかるようになります。
記録アプリやスマートウォッチを使うのも有効です。とくに朝の体重測定やトレーニングログの習慣化は、自分への意識づけとして効果的です。
40代は「生活全体」を整えると結果が出やすい
運動や食事だけでなく、睡眠やストレスの管理も腹筋の見え方に影響します。とくに睡眠不足は代謝を下げ、脂肪が落ちにくくなる要因になるため注意が必要です。
夜遅い時間の食事やスマホの使いすぎを避けるなど、日常のリズムを整えることが腹筋にも直結すると考えてみてください。生活習慣の見直しこそが、最も長く続けられるボディメイクの基盤になります。
よくある質問|40代から腹筋を割るときの疑問を解決
40代男女が腹筋を割る過程で感じやすい疑問や不安にお答えします。迷ったときは立ち止まって確認し、正しい方向に戻していくことが大切です。
Q:お腹の脂肪は筋トレだけで落とせますか?
筋トレだけでお腹の脂肪を落とすのは難しいです。脂肪を減らすには、筋トレに加えて有酸素運動や食事改善をセットで行う必要があります。お腹だけを集中的に鍛えても、部分的に脂肪が落ちることはありません。
スクワットやプランクのような全身を使う種目と、有酸素運動を組み合わせることで、効率よく体脂肪を減らすことができます。
Q:女性でも腹筋を割ることはできますか?
可能です。ただし、女性は皮下脂肪がつきやすく、ホルモンバランスの影響もあるため、縦線が見える「アブクラックス」腹筋を目指すのが現実的です。体脂肪率を過度に落とすと、生理不順や冷え、疲労感など体調不良につながる恐れがあるため、20%前後の健康的なラインを目標にしましょう。
Q:筋肉痛にならないとトレーニング効果がないのでしょうか?
筋肉痛がある=効いている、というわけではありません。筋肉痛は筋繊維の損傷によるもので、トレーニングの内容や慣れによって発生の有無が変わります。大切なのは、正しいフォームで筋肉に刺激が入っているかどうかです。筋肉痛がなくても、継続すれば筋力アップや引き締まりはしっかり得られます。
Q:忙しくて時間がとれないときはどうすればいいですか?
忙しい日でも、1日5〜10分の運動でも意味があります。スクワット10回、プランク30秒だけでも、積み重ねることで筋力低下を防げます。また、朝の通勤前に3分だけエクササイズをする、歯磨き中にかかと上げをするなど、日常動作と組み合わせる工夫も有効です。
監修者プロフィール
なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
樋口 直彦 先生
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
<Edit:編集部>