レッグカール
フィットネス
2025年8月7日

マシン筋トレ「レッグカール」の効果と正しいやり方|重量設定・動作のコツ

太もも裏(ハムストリング)を集中的に鍛えられる「レッグカール」。ジムなどに設置されているマシンを使って行う、代表的なトレーニング種目です。

基本フォームから重量設定、バリエーション種目、効率的に刺激を入れるコツまで解説します。

監修は、スポーツ整形外科医・樋口 直彦先生。日常的に脚をしっかり鍛えたい方、脚の後面のたるみが気になる方は、その「効かせ方」に注目してトレーニングしてみてください。

レッグカールとは

レッグカール

レッグカールはマシンに座り、足首をお尻のほうに引き上げる動作でハムストリングスを鍛える筋トレ種目です。膝を曲げ伸ばしする動作で、太ももを鍛えます。

レッグカールはほかにも、うつ伏せで行う「ライイングレッグカール」や、座った状態でスネを上にあげる動作の「レッグカール エクステンション」のバリエーションがあります。

今回は椅子タイプの専用マシンを使用して、スタンダードなレッグカールについて解説します。

レッグカールで鍛えられる筋肉と得られる効果

ハムストリングス・大臀筋・下腿三頭筋レッグカールは、太もも裏にあるハムストリングスを集中的に鍛えられます。

■鍛えられる筋肉

ハムストリングス:膝を曲げる際に大きく収縮する深層筋群です。動作中は膝を伸ばし切らず、常にテンションを保つとより強い刺激を感じられます。

大臀筋・下腿三頭筋:動作の収縮末期にはお尻の筋肉「大臀筋」にも刺激が伝わります。また、ふくらはぎの「腓腹筋」も二次的に働き、下半身全体が連動します。

■効果

太もも裏の引き締めやヒップアップ効果を得られます。

レッグカールの重量設定と正しいやり方

マシンのセッティング方法と動作手順を押さえることで、フォームが安定し、筋トレを効果的に行えます。

1.重量を設定する

目的別に重量とレップ数を設定すると効果を出しやすくなります。

筋肥大が目的

1セット8~12回を目安に、限界になる2回(レップ)手前の回数を設定します。徐々に重量を増やし、刺激の強度を段階的に高めます。

引き締めが目的

重量は体重の約30〜40%(50kgの方は15~20kg)で設定して、1セット15〜20回を目指します。速度はゆっくりコントロールして、筋持久力を高めつつ引き締め効果を狙います。

2.マシンに座り、位置を調整する

レッグカール

シートに深く腰掛け、坐骨がシートの中央に乗る位置を確認します。パッドの高さと背もたれの角度をミリ単位で微調整し、股関節と膝関節が自然なラインで並ぶように整えます。

シートの前後調整:坐骨から膝裏までが伸び切らない位置にセットします。

背もたれの角度調整:背中が反り過ぎないように、腰椎の自然なカーブを維持できる角度に設定します。

足首パッド位置の確認:足首をぐっとお尻のほうに引き寄せやすい位置に、パッドを調節します。

太ももパッド位置の確認:太ももを固定するパッドがある場合は、股関節付近にしっかり密着させて固定します。

3.トレーニング開始

1.息を吐きながら膝を曲げ、ハムストリングが最も収縮する角度で一瞬停止します。

2.呼吸を吸いながらゆっくり元に戻して、膝を伸ばし切らないよう注意します。

効果を高めるフォーム&動作のコツ

筋トレは「細かな意識の積み重ね」が、効かせる質を大きく左右します。

呼吸のタイミング

膝を曲げる時に息を吐き、戻す時に息を吸います。呼吸を止めずにリズムよく行うと、筋収縮がスムーズになります。

反動を使わない動き

上半身をシートに固定して、脚だけで動かすイメージを持ちます。動作のスピードを抑えて、常にコントロールする意識を優先します。

レッグカールに関するQ&A

重量設定の目安はどれくらい?

筋肥大を狙うなら1RMの70〜85%を目安とします。10レップ行える重量を基準に選び、最後の2レップで限界を感じる強度に調整してください。持ち上がらない場合は5%刻みで軽くするとフォームを維持しやすくなります。

回数をこなせないときは?

目標レップに届かない場合は、重量を調整しましょう。 5〜10%軽く設定して、完全な可動域で動作できるようにします。徐々に回数が増えたら負荷を段階的に戻します。

膝や腰に痛みを感じたら?

痛みが出る場合は無理せず中止して、原因となるフォームを見直します。膝への負担が強いと感じたら可動域を制限して、足首パッドの位置を微調整してください。腰が反ると違和感を覚える場合は背もたれの角度を変えて、骨盤をシートにしっかり固定します。

スクワットやってたらレッグカールやる意味ない?

レッグカールはハムストリングスをピンポイントで鍛える種目です。レッグカール後にスクワットやデッドリフトを行うと、下半身全体をバランスよく鍛えられるのでおすすめです。スーパーセット(異なる種目を休憩なしに行う)で組み合わせると疲労度が増して、筋肥大効果が高まります。

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監修者プロフィール

なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生

なか整形外科樋口 直彦帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。

<Edit:編集部>