
下っ腹痩せるには?原因と効果的な筋トレ・食事・有酸素運動まで徹底解説 (2/2)
何が原因?下っ腹タイプのチェック診断
下っ腹が出る原因は人によって異なります。脂肪のつき方や姿勢の崩れ、腸内環境や筋力不足など、自分がどのタイプに当てはまるのか、チェックしてみましょう。
脂肪型|食べ過ぎや運動不足が原因
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、下腹部に皮下脂肪や内臓脂肪が蓄積します。甘いものや揚げ物をよく食べる人、運動習慣が少ない人に多いタイプです。
改善には有酸素運動と食事管理が欠かせません。特に糖質や脂質を適切に調整しながら、たんぱく質をしっかり摂ることが重要です。
姿勢型|反り腰や骨盤の傾きが原因
骨盤の歪みや姿勢の悪さによって、下っ腹が前に出てしまうタイプです。反り腰や猫背の影響で内臓の位置がずれ、脂肪が少なくてもぽっこりと見えます。
改善には姿勢を整えるストレッチや体幹を鍛えるトレーニングが有効です。日常の立ち姿勢や座り方も意識する必要があります。
便秘型|腸内環境の乱れが原因
腸の動きが悪くなり便やガスが溜まることで、お腹が張って下っ腹が出てしまうタイプです。食物繊維不足や水分不足、運動不足が重なって起こることが多い傾向にあります。
改善には野菜や海藻、発酵食品を取り入れ、こまめに水分補給を行うことが大切です。軽い有酸素運動も腸の働きを促進します。
筋力不足型|インナーマッスルの低下が原因
腹横筋などのインナーマッスルが弱くなると内臓を支えきれず、下っ腹が前に出やすくなります。加齢や運動不足が原因で起こることが多いタイプです。
改善には下腹部を意識した筋トレが必要です。ドローインやレッグレイズなど、日常的に取り入れやすい運動で鍛えていきましょう。
下っ腹を引き締める筋トレ
下っ腹を凹ませるには、脂肪を落とすだけでなく筋肉を鍛えることが必要です。特に腹直筋下部や腹横筋を意識できるトレーニングを取り入れると、効率よくお腹を引き締められます。
寝ながら、立ったまま、いつでもできる、シーン別に取り組みやすい下腹部の筋トレを紹介します。
寝ながらできる下腹部の筋トレ
■レッグレイズ
仰向けで両脚を上げ下げする動作で、腹直筋下部を集中的に刺激します。腰が反りやすいため、手をお尻の下に置いて安定させると安全です。無理に大きく脚を下ろす必要はなく、ゆっくりと動作することで十分効果が得られます。
<やり方>
1.仰向けに寝転がって、両手の手のひらを床に置く
2.かかとをくっつけて両足を浮かせる
3.床から90度になるように足を上げる
4.地面ギリギリまで足を下げる
<実施時間>
20秒×3セット
<トレーニングのポイント>
・呼吸を止めないようにして、足を下げるときに息を吐く
・足を下げたときに床につけない
・お尻や背中が地面から浮かないようにする
<鍛えられる部位>
・腹直筋
・腹横筋
・腹斜筋
・腸腰筋 etc…
<期待できる効果>
・下腹の引き締め
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■サイドシザーキック
仰向けになり、脚を左右に大きく開閉する動作です。腹直筋下部だけでなく、内ももや腹斜筋も同時に鍛えられるのが特徴です。腰が浮きやすいため、お腹に力を入れて床に押し付けるように行うと安全に続けられます。動作は小さめでも効果があり、回数よりもフォームを意識しましょう。
<やり方>
- 仰向けの状態で頭を上げて、おへそを見る
- 足を地面から浮かせる
- 浮かせた状態をキープしながら、足を左右に交差させる
<実施時間>
20秒×3セット
<トレーニングのポイント>
・足の高さが低いほど、筋トレ効果がアップ
・腹直筋をしっかり意識
<鍛えられる部位>
・腹直筋 etc…
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立ってできる下腹部の筋トレ
■ノーマルスクワット
下半身を鍛えるイメージが強いスクワットですが、腹筋も同時に使うため下っ腹の引き締めに有効です。動作中はお腹を引き締めて、背中が丸まらないように意識しましょう。ゆっくりとしたテンポで行うと脂肪燃焼効果も高まり、基礎代謝アップにつながります。
<やり方>
- 足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする
- お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
- 太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保ちます。膝がつま先よりも前に出ないよう注意!
<実施時間>
15回×3セット
<効果を高めるポイント>
・膝がつま先よりも前に出ないよう、お尻を後ろに下げるイメージで
・背中が丸まらないように、膝が内股になりすぎないように
・肩幅に足を開いて背筋を伸ばす、太ももが地面と平行になるまで下げる
・膝が伸び切るまで伸ばす、目線はまっすぐに前を向く
・呼吸を止めずに行う
<鍛えられる筋肉部位>
・大腿四頭筋
・ハムストリング
・脊柱起立筋
・大殿筋 etc…
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■スタンディングニートゥーエルボー(立ち腹筋/スタンディングバイシクル)
その場で立ち、ひじと反対側のひざを近づける動作を繰り返す運動です。腹斜筋と腹直筋を同時に鍛えられ、くびれ作りにも効果的です。リズミカルに動くと心拍数も上がり、有酸素的な効果も期待できます。
<やり方>
1.立位の状態で肩幅分足を広げる
2.肘・膝をクロスに引き寄せる
3.右肘&左膝→左肘&右膝を交互にやる
<実施回数>
30秒×3セット
<効果を高めるポイント>
・肘と膝はおへそよりも高い位置で交差
・あごを引き、おへそをのぞき込むとより効果的
・疲れた時こそフォームやリズムを崩さない
<鍛えられる筋肉(場所)>
・腹直筋 etc…
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デスクワーク中にできる下腹部の筋トレ
■ドローイン
呼吸とお腹の動きを利用してインナーマッスルを鍛える方法です。椅子に座ったままでもできるため、仕事の合間に取り入れやすいのが魅力です。息を吐きながらお腹をへこませ、そのまま数秒キープします。背筋を伸ばし、呼吸を止めずに続けるのがポイントです。
<やり方>
1.姿勢をまっすぐにして、肩を下げ、力まないようにする
2.お腹に空気をため込むように、大きく息を吸って呼吸を止める
3.お腹が凹むように思いきり息を吐き出し、20秒キープする
肋骨が見えるぐらい凹ませましょう。
<実施回数>
20秒×5セット
<効果を高めるポイント>
お腹に風船があるイメージで、膨らませたり、しぼませたりする
鏡の前で行い、お腹の凹ませ具合を確認するとよい
できる限り連続で行なう
<鍛えられる筋肉(場所)>
・腹横筋
・お腹のインナーマッスル
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下っ腹を凹ませる食事法
下っ腹をすっきりさせるには、筋トレだけでなく食事管理も欠かせません。脂肪を減らしつつ、筋肉を守り代謝を高める栄養バランスを意識することで、効率よく引き締められます。
脂肪を減らす「食事の基本」を知る
カロリー摂取が消費を上回ると、下腹部に皮下脂肪や内臓脂肪が蓄積します。食事の基本は「食べすぎない」ことですが、極端な制限は筋肉の減少やリバウンドにつながります。1日の消費カロリーを把握して、必要な栄養をバランスよく摂ることが重要です。
筋肉を守る「たんぱく質」を摂取する
筋肉量を維持するために、体重1kgあたり1.2〜1.6gを目安にたんぱく質を摂りましょう。鶏肉、魚、大豆製品、卵などを取り入れると効率的です。
筋肉が減ると基礎代謝が下がり、下っ腹の脂肪も落ちにくくなります。食事で不足する場合は、プロテインを活用しても良いでしょう。
便秘解消に効く、食物繊維と発酵食品を摂る
腸の動きが悪くなると便やガスが溜まり、下っ腹がぽっこりと出やすくなります。野菜、海藻、きのこ、雑穀などに多く含まれる食物繊維は、腸の働きを助けて便通をスムーズにしてくれます。
また、納豆やヨーグルトなどの発酵食品は善玉菌を増やし、腸内環境を整える効果があります。お腹の中が整うことで、下っ腹のハリも改善しやすくなります。
避けたい食品
脂肪の蓄積や便秘を招きやすい食品は控えることがポイントです。特に砂糖や揚げ物、アルコールは下っ腹痩せの妨げになります。
OK食品 | NG食品 |
鶏胸肉・魚・豆腐・卵 | 揚げ物・スナック菓子 |
野菜・海藻・きのこ | 甘い菓子類・砂糖飲料 |
玄米・オートミール・雑穀 | アルコール類 |
下っ腹痩せに効く有酸素運動と生活習慣
筋トレに加えて有酸素運動を取り入れると、下っ腹の脂肪を効率よく燃焼できます。さらに姿勢の改善や生活習慣の見直しを行うことで、ぽっこりお腹の再発を防ぎ、スッキリした状態をキープしやすくなります。
ウォーキングやジョギングで脂肪燃焼
有酸素運動は体脂肪をエネルギー源として使うため、下腹部の脂肪減少に効果的です。ウォーキングなら1日30分、軽いジョギングなら20分程度を目安に行うとよいでしょう。
無理のない強度で継続することが大切です。自転車や水泳など、自分が楽しめる運動を選ぶと続けやすくなります。
姿勢改善ストレッチでぽっこり予防
反り腰や猫背は下っ腹を前に押し出す原因になります。背中や股関節を伸ばすストレッチを取り入れることで骨盤の位置が整い、下腹部の張りを防ぎやすくなります。
筋トレと合わせてストレッチを習慣化すると、姿勢が安定しやすくなり日常の動作でも腹筋を使いやすくなります。
睡眠とストレス管理の重要性
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲を強めたり脂肪をため込みやすくしたりします。毎日7時間前後の質の良い睡眠を心がけましょう。
また、ストレスが溜まると自律神経が乱れ、腸の働きが悪くなり便秘やむくみにもつながります。リラックスできる時間を意識的に作ることが大切です。
下っ腹を凹ませる1日の過ごし方
下っ腹を凹ませるには、運動や食事を単発で行うのではなく、1日の生活習慣として組み込むことが大切です。朝・昼・夜の流れを整えることで、無理なく継続できるようになります。
朝の過ごし方
起床後にコップ一杯の水を飲み、軽いストレッチで体を目覚めさせます。オートミールや卵など、たんぱく質を含んだ朝食をとることで代謝が高まり、午前中のエネルギー源にもなります。
昼の過ごし方
昼食は丼や麺類に偏らず、鶏肉や魚、大豆製品などを中心にたんぱく質を意識しましょう。食物繊維を多く含む野菜や海藻を組み合わせると、満腹感が得られやすく午後の集中力も維持できます。
夜の過ごし方
夕方以降は軽めの運動を取り入れると効果的です。レッグレイズやスタンディングニートゥーエルボーを数セット行ったあと、20分程度のウォーキングを加えると脂肪燃焼が高まります。
夕食は消化の良いタンパク質と野菜を中心にし、寝る直前の食事やアルコールは避けましょう。入浴後はリラックスし、十分な睡眠をとることが翌日のコンディションにつながります。
Q&A|よくある質問
下っ腹痩せに関する、よくある質問に答えます。
Q:毎日筋トレしないと痩せない?
毎日行っても問題はありませんが、筋肉痛があるときは休みましょう。筋肉には回復の時間も必要なため、週3〜4回を目安にすると続けやすく効果も出やすいです。軽い有酸素運動やストレッチは毎日行っても大丈夫です。
Q:40代以降でも下っ腹は凹む?
年齢に関係なく下っ腹は引き締められます。加齢とともに代謝や筋力は落ちますが、筋トレと食事管理を組み合わせれば改善は十分に可能です。継続的な取り組みが結果につながります。
Q:食事だけで下っ腹は痩せる?
食事改善で体重を落とすことはできますが、下っ腹の引き締めには筋トレも欠かせません。筋肉を鍛えることで姿勢が整い、ぽっこりした見た目が改善されます。食事と運動の両方を取り入れることが効果的です。
Q:どれくらいで効果が出る?
個人差はありますが、早い人で1〜2か月ほどで変化を感じられることがあります。体脂肪率や生活習慣によってスピードは異なるため、焦らず継続することが大切です。目安として3か月を一区切りにするとよいでしょう。
監修者プロフィール
なか整形外科京都西院リハビリテーションクリニック
院長 樋口 直彦 先生
帝京大学医学部卒業後、いくつかの病院で勤務し、院長を経験後、2021年1月に医療法人藍整会 なか整形外科の理事長に就任。バレーボールVリーグ「サントリーサンバーズ」のチームドクターも務める。骨折治療をはじめ関節外科、スポーツ整形外科を専門に治療。
<Edit:編集部>