筋トレしすぎ、やりすぎで起こる病気「横紋筋融解症」とは。血尿が出るまで頑張るな! (1/2)
「過ぎたるは及ばざるがごとし」という格言は、筋トレにも当てはまります。熱心にトレーニングに取り組み過ぎるあまり、いわゆるオーバートレーニング状態に陥る人は少なくありません。
筋トレ効果が低下するだけならまだしも、ひどい場合は生活に支障まできたします。そして筋肉への負荷が限界を超えると、横紋筋融解症(Rhabdomyolysis)と呼ばれる、医学的に病気とされる症状が現れることも稀にあります。
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)とは
どんな病気?
横紋筋融解症とは、筋肉細胞が破壊され、筋体成分が血中に流れ出すことで引き起こされます。
そして、その物質が腎臓を始めさまざまな臓器に影響を与えて腎不全の原因となり、最悪の場合は死に至ることもある病気です。
おもな原因
横紋筋融解症は、強度の高い運動によって極端に筋肉を酷使した後に発症してしまうことが多いです。
他には、以下なども原因になります。
- 外傷
- 感電
- 感染症
- 薬の副作用
以前は、軍隊の行軍・マラソンなど、長時間にわたる運動が原因になるケースが知られていました。
しかし近年になって、クロスフィットやHIITなど、比較的短時間のうちに強度の高いトレーニングを行う人にも、この横紋筋融解症が起こりうることが分かってきたのです。
横紋筋融解症にかかると、どんな症状が出る?
横紋筋融解症にかかると、以下などの症状が表れます。
- 極度の筋肉痛
- 吐き気
- 嘔吐
- 頭痛
- 痙攣(けいれん)
血尿のように見える尿が出ることもある
そして、横紋筋融解症にかかる、コーラ色の尿が出ることもあります。
赤っぽい色をしているので、血尿と間違われることが多いですが、血尿ではありません。これは筋肉が壊れて出てくるミオグロビンという物質が、腎臓を通して尿中に排泄されているものです。
昔から「血尿が出るまでがんばれ」と強制するトレーナーや、ハードトレーニングを行う人が後を絶ちません。
しかし、実際にこのような尿が出るというのは、大変に危険な状態である可能性があります。なぜなら、ミオグロビンは腎不全を引き起こすからです。
こんな人は横紋筋融解症になりやすい
横紋筋融解症になりやすい人として挙げられるのが、以下の人たちです。
- ある程度トレーニングを経験した中・上級者
- 元アスリートでブランクを経てトレーニングを再開した人
自分を極限まで追い込もうとしたり、ライバルに勝とうとしたり。つまり、頑張りすぎてリミッターを外してしまう人は要注意です。
そして、高温多湿などの悪条件から来る脱水状態も、横紋筋融解症を誘発することが分かっています。
一般の人は横紋筋融解症になりにくい
一般の人や運動不足の人は、あまり横紋筋融解症になることはありません。なぜなら、そのような人はそもそも強度の高い運動をするだけの体力がないからです。
何らかの理由でそのような機会に見舞われたとしても、多くの場合は心理的ブレーキがかかり、体に害が出るまでに自分で運動をやめてしまうでしょう。
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