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かけっこが格段に速くなる。スタートダッシュのコツをつかむ4つのトレーニング

 短距離走では1秒にも満たない僅かな差で勝敗が決まりますが、それは子どもの“かけっこ”でも同じです。どうすれば1位を取れるのでしょうか。

 もちろん走力は大切な要素ですが、力が拮抗している場合、実は「ヨーイ、ドン!」の時点で順位が決まっていることがあります。そのため、かけっこで差をつけるには、スタートダッシュの練習がとても有効です。また、たとえ走力にさほど自信がなくても、スタートダッシュのコツを身につけることで、自分より速い相手に勝てるかもしれません。

 今回は、スタートダッシュが速くなるための具体的なトレーニング(練習)を4つご紹介します。いずれも近所の公園などで取り組めるものばかり。中には自宅で行えるトレーニングもあります。今より少しでもかけっこが速くなりたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

スタートダッシュトレーニン

1)片足スタート

 今回はかけっこに向けたトレーニングということで、スタンディングでのスタートについて取り上げます。スタンディングでのスタートは片足を後ろに引き、やや前かがみになった姿勢が一般的でしょう。このとき大切なのが、いかに前側の足へ体重を乗せるか。スタートは後ろの足で地面を蹴るのではなく、前の足で地面を押して重心を前方へ移動させることが大切です。

 これを身につけるために、「片足立ち」の状態でスタートの練習を行ってみてください。基本的なスタートの姿勢は同様、後ろの足を地面から浮かせます。そうすることで、体重はすべて地面に着いている前足だけに掛かるはずです。この状態でスタートすれば、自然と「片足で地面を押して走り始める」という動作が身に付いていきます。

 なお、このとき身体がふらつかず、また腰が曲がってしまわないように注意しましょう。ふらついてしまう人は、片足で身体を支えるバランス力が不足しているかもしれません。また、腰が曲がると背中が丸くなって頭が沈み、スタートした後につんのめってしまう(転びそうになる)可能性があります。特に足元を見ると腰が曲がりがちなので、目線は少し先、1歩目の着地位置くらいの場所を見ておくとよいでしょう。

2)前傾走

▲図は筆者作成

 速く走るためには、前傾姿勢の維持がとても大切です。身体が起きた状態では足が下方向に着地して反発します。この反発は本来なら推進力に繋がりますが、着地に対し反対方向に働くものです。つまり、着地が下方向になるほど、反発は前ではなく上方向に向かってしまうということ。同じ力でも、前傾の傾きによって推進力の大きさが変わります。

 そこで前傾姿勢を維持する、あるいは前傾姿勢そのものを意識づけるために、二人一組で前傾走を行ってみましょう。これは、強制的に前傾姿勢を作り、その状態で走るというものです。走る人と支え役とに分かれ、お互いに向き合って立ちます。走る人は腰を曲げずにまっすぐな姿勢を維持しながら、支え役に向かって倒れてください。

▲図は筆者作成

 頭から足までが一直線上にあるイメージで、斜めに垂れていきます。これを、支え役は腕を出して支えましょう。少し腰を下げ、両手で肩を支えるイメージです。しっかり前傾姿勢が取れたら、走る人は腕振りを行ってください。腕がしっかり触れたら、支え役はサッと手を放して横に動きましょう。支えを失った身体はそのまま倒れ込み、転ばないようにと足が出ます。この動きを使い、そのまま前傾姿勢を維持して走るのです。

 なお、走らず倒れ込んで支えられるまでの動作だけを行うのでも、前傾姿勢を身体が覚えるのに有効でしょう。雨天や時間のない日などは、自宅で取り組んでみてください。支え役がいない場合、壁に向かって倒れるのでも同様の効果が期待できます。ただしこのときも、腰が曲がらない(頭から足まで直線)よう注意が必要です。

3)坂ダッシュ

 平地だけでなく、坂道で走るのもスターダッシュのトレーニングになります。坂は傾斜があるため、走る際に自然と前傾になりやすいでしょう。また、坂道では平地より、ハムストリングス(太もも後ろ)の筋肉を使って身体を押し出すような動きが求められます。そのため、斜め後ろ方向への着地・押し出す走りとなり、スターダッシュでの加速が強化されるのです。

 ただし坂道は平地より走ることが難しく、後半失速したり腰が曲がってしまう人が少なくありません。まずは傾斜が緩く短めの距離から始め、少しずつキツい坂道に挑戦していくとよいでしょう。

4)変則スタート

 スタートダッシュでは、スタートの合図に対する反応速度も非常に重要です。「ヨーイ、ドン!」の合図にうまく反応できないと、スタートした瞬間すでに他の人は走り出して前にいる……ということになりかねません。1秒に満たない世界で競う短距離走において、これは大きな痛手です。

 反応速度を上げるためには、変形スタートがオススメです。これは、うつ伏せや仰向け、長座などいろいろな姿勢から走り出すトレーニングです。ビーチフラッグをイメージするとよいでしょう。このとき、スタートの合図は走る人から見えない場所で行うことが大切。あくまでスタートに集中し、耳から聞こえた音に反応して身体を動かします。スタートのタイミングは、合図するスターターによって異なるものです。そのためトレーニング時にも、わざとタイミングをずらしてあげると効果的。どんなタイミングでも、音に反応し瞬発的に走り出せるように練習してください。

 なお、室内でも類似トレーニングが可能です。立位の状態でスターターに背を向ける、あるいは目を閉じておきましょう。スターターは、任意のタイミングで「パンッ!」と手を叩きます。この音が聞こえた瞬間、ジャンプするなど身体を動かすのです。集中と反応を繰り返すことで、反応速度が向上していくでしょう。

かけっこで差をつけるならスタートダッシュを練習しよう

 走り込む練習は、学校や習い事などでよく行われます。しかし“スタートダッシュ”は重要であるにもかかわらず、集中してトレーニングする機会は少ないでしょう。だからこそ、かけっこで差をつけるポイントになるはずです。短時間、中には自宅でも取り組めるトレーニングがありますので、ぜひ実践してみてください。

[筆者プロフィール]
三河賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。また、ランニングクラブ&レッスンサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室やランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。4児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表
【HP】https://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>

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