フィットネス
2023年10月16日

【ふくらはぎの筋トレ】ヒラメ筋の鍛え方とは。おすすめメニュー&鍛えるメリット (3/3)

ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、血流にも大きな影響を与えています。なぜそのような呼ばれ方をしているのかというと、「筋ポンプ作用」という働きが関係しています。

筋ポンプ作用によって血液の巡りがよくなる

血液が通る血管は、筋肉の中にも存在しています。おもに血液を送る働きをするのは心臓ですが、筋肉も血液を送る働きを担っているのです。

筋肉を使うと、伸び縮みする際に細くなったり膨らんだりして、筋肉が内部の血管を押しつぶします。その結果、血管内を流れている血液が押し進められて流れやすくなります。

これが筋ポンプ作用です。

人間は60%が水分と言われています。体重60kgの人は、約36kg分が水分。そのうちの約1/3は、体内を移動している細胞外液と呼ばれるものです。

水は重力の影響を受け、高い所から低い所へ流れようとします。心臓から足へと向かうときは流れやすいですが、足から心臓に戻る静脈では流れにくくなります。

血液が逆流しないよう静脈弁が付いていたり、血液が上りやすいよう筋ポンプ作用を利用しているというわけです。

厚生労働省の「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)」によると、日本人の三大死因として、心疾患が2位にランクインしています。そのため、心臓の負担を少しでも減らして健康的に長生きするためには、ふくらはぎを使った運動が推奨されています。

熱中症予防に下半身を鍛えるとよい理由

筋肉が少ないと熱中症になりやすいってホント?熱中症対策に「筋トレ」が有効である理由[医師監修]」内で語られているように、水分を効率的に蓄えることができる筋肉は、保水力が高く極めて効率のよい「貯水タンク」。

筋肉をつけておくことは、長期的で見たときの熱中症予防方法として極めて重要です。

なかでも、貯水タンク機能とポンプ機能の双方の役目を果たしてくれる筋肉は、下半身の大きな筋肉。下腿三頭筋(ふくらはぎ)や大腿四頭筋、大臀筋などを鍛えることで、熱中症に強い身体づくりが可能となります。

ふくらはぎ(ヒラメ筋)をほぐすストレッチ

筋肉が硬いと、その内部を通っている血管も固くなります。たとえ血管がしなやかだとしても、その外側にある筋肉が固ければ筋肉が使えなくなって筋ポンプ作用も弱まります。そのため、ストレッチもしっかりと行うことが大切です。

簡単で効果的なストレッチは「アキレス腱伸ばし」です。

「アキレス腱伸ばし」のやり方

もっとも一般的な、壁に向かって20秒ほどアキレス腱伸ばしを行う方法です。手で壁を押し、角度をつけて3~4回繰り返しましょう。

テニスボールもしくはストレッチポールを使ったほぐし方もあります。

  1. 仰向けに寝て両足を空中でゆすり、10~20秒ほど脱力する
  2. 起き上がり、脚を伸ばして座る
  3. ふくらはぎの下にポールを置き、1~2分ずつマッサージを行う

ふくらはぎを鍛えて健康寿命を延ばそう

人間の一生における心臓の拍動数は決まっています。しかし、心臓はうまく血液を送れないと判断すると、拍動の回数を増やして対応し、健康に悪影響を及ぼす可能性も高まります。筋肉の状態をよくし、筋ポンプ作用が働きやすい状態をキープすることは、健康にも繋がるでしょう。

「人生80年」とよく聞きますが、私たちが高齢期に差しかかる頃には「人生100年」になるとも言われています。

これを見越して、健康を維持するために今のうちから準備が必要かもしれません。

筆者プロフィール

赤堀達也(あかほり・たつや)

1975年・静岡県出身。奇抜な理論ながらも論理的な指導で小学校・中学校・大学でバスケットボールのヘッドコーチを行い、体力テストが市内低水準校で県大会優勝するなど選手育成を得意とする。最高戦績は全国準優勝。2019年度より旭川大学短期大学部准教授として、この理論を応用した幼児体育・健康の研究を行い北海道の子どもの体力向上を図る活動に取り組む。またパーソナルストレッチ・スポーツスタッキング・部活動改革にも取り組む。
[HP] https://mt-a.jimdo.com

<Text:赤堀達也>

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