インタビュー
2020年10月29日

アイドルカレッジ石塚汐花「空手で学んだことを今でも大切にしている」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#32 (1/2)

 スポーツにガチで打ち込んだ経験を持つアイドルに、その思い出や競技の魅力について語ってもらうインタビュー連載「アイドルと、スポーツと、青春と。」。

 今回ご登場いただくのは、アイドルカレッジの石塚汐花さん。8年続けた空手は黒帯初段。加えてバトントワリング歴は7年で、関東大会の団体戦で1位の経験も。アイドルとしてのステージでは、これらの経験で鍛えたアクロバット技を披露したり、アクション満載の舞台や人気特撮シリーズの『ウルトラマンZ』に出演したりと、現在の活動にも活かされています。

 前編では、空手を始めたきっかけや、厳しい練習に打ち込んでいた時期の話を聞きました。

空手の型は正しい姿勢を保つのが大変

――人気特撮シリーズの『ウルトラマンZ』出演を見て、お声がけしました。戦闘シーンやアクロバットの迫力がすごかったですが、反響はいかがでしたか?

SNSで「見たよ」ってコメントをくださる方がとても多くて、フォロワーもかなり増えました。エゴサーチもしたんですけど、「8話(石塚さんの出演回)に出てた女の子がかわいかった」というコメントがあってとてもうれしかったですね。

――空手やバトントワリングのアクロバット経験が活きたわけですね。それぞれ何年続けたんですか?

空手は幼稚園から中学2年生までの8年間、バトントワリングは小学校2年生から中学1年生の7年間です。

――ではまず空手を始めたきっかけから教えてください。

当時、お兄ちゃんが空手をやっていて、それを追いかけて自分も始めました。週に2回、3時間くらいは練習していたと思います。

――空手にもいろんな種類がありますが、どんな流派だったんですか?

松濤館流という型を重視する流派です。試合では型や組み手もあるんですけど、寸止めが基本。他の流派に比べて大きく動いて魅せるのが特徴です。

――どんな練習をするんですか?

準備運動をした後は、ひたすら型の練習をしていましたね。なかには体勢を維持するだけでも筋力を使う型もあって。「騎馬立ち」という基本的な立ち方は、そのひとつです。正しい姿勢で、しかも力を込めて何度も突きを繰り返すので、すごく疲れるんです。しかも手足の位置が少しでもずれていると直されて。それぞれの型には意味があるので、ほんの少し違うだけで、ダメだって怒られます。

――たとえば、どんな部分を指摘されるんですか?

突きを出した手と逆の手は前に出過ぎてるとダメなんです。勢いよく突きを出したときに、腰のあたりまで逆の手を引かないといけなくて。それができていないと、突きの威力が最大限に出ないんですね。

ほかには、手刀を出すときには手首をしっかり固定しないといけなくて、ちょっとでも違う方向に手首が曲がってると「そんな刀で切れるのか!?」ってよく怒られていました。

――いろいろ細かく注意しながら稽古をしないといけなかったんですね。特に厳しいと感じた練習はありますか?

いちばん記憶に残ってるのは、毎年夏に行われる3日間の合宿ですね。最終日に昇格試験があるので、みんな参加するんですけど、本当にきつかったです。 

――何がそんなにきつかったんですか?

筋トレの量が普段と比べ物にならないくらい多いうえに、型を間違えると正座させられることもありました。あと、師範のさらに上の偉い先生が来るので、緊張感が半端じゃなかったです(笑)。

――合宿には何人くらい参加するんですか?

普段は全部で30人くらいの道場で稽古してたけど、合宿には100人くらい集まるんです。空手をやってる女の子って本当に少ないので、合宿で10人くらい同年代の子が集まると、仲良くなってすごくテンションが上がっちゃって。場所が山奥のお化けが出るって有名な場所なので、怖くてきゃーきゃー騒いでたら、師範から「明日の練習に来なくていい」と怒られたこともありました(笑)。

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