インタビュー
2020年10月29日

アイドルカレッジ石塚汐花「空手で学んだことを今でも大切にしている」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#32 (2/2)

空手を通じて学んだ大切な言葉がたくさん

――空手の大会に出たことは?

あります。型と組み手、両方の部門があるんですけど、私は組み手の方が得意でしたね。小学校3年生のときに組み手は市で3位、型は4位になりました。

――すごいですね。

組み手の方は3位以内に入ると関東大会に進めるんですけど、運悪く熱を出してしまって出場できなくなってしまいました。あれは悔しかったですね。あと、昇格するためには筆記試験もあって、「空手をつくったのは誰か」みたいな問題をたくさん覚えないといけないんです。

――勉強は得意な方ですか?

わりと好きだったで、筆記は100点で合格しました。昔から、「母が99点と0点は同じ」って言われて育ったんです。極端かもしれないけど意地悪ではなくて、もし98点で喜んでも、100点の人もいるんだからって。人と比べるんじゃなくて、自分ができる限りを尽くせたかどうかが大事だから、常に100点を目指すように頑張るクセが付いたと思います。

――空手の師範の教えで、今でも大切にしていることはありますか?

たくさんあるんですけど、「人前に立つときに年齢は関係ない」という言葉が真っ先に思い浮かびます。道場では、先輩が後輩に型を教えるんですけど、小学校3年生になった頃から年上の人を相手に教えることが増えたんです。それで当時はやりづらさを感じていたんですけど、「前に立つときに年齢は関係ないから堂々とした背中を見せなさい」って言われてハッとしました。

また、「ライバルは常に自分だ」という言葉も覚えています。空手って個人競技じゃないですか。だから、周りの人達がどんどん上達しているのに自分が全然成長できてないと感じて落ち込んだり、逆に周りの人たちがサボってる姿にイライラしたりすることがあったんですけど、そんなことで自分の気持ちが振り回されるのはすごく無駄だなって。そんなに考える時間があるなら、練習した方がいいですよね。

――確かに。

あと、昇格試験に落ち続けてどうすればいいかわからなくなったときに教えてもらったことも印象深いです。こんなに頑張ってるのに……と思ってたときがあるんですけど、どこかで師範がアドバイスをくれるんじゃないかと何が足りないのかと思ったんですよ。でも、「何が足りないとはあえて言わない。自分で気づけなければずっとそのままだから。教えられたことだけをやってたらダメだよ」と言われて。

――それは厳しくも優しいアドバイスですね。

そうやって空手で教わったことは、アイドルをやっているいまでもずっと大切にしていますね。

後編:アイドルカレッジ石塚汐花「いつかアクション作品に出演するのが夢」(後編)

[プロフィール]
石塚汐花(いしづか・しおか)/アイドルカレッジ
1997年7月3日、東京都生まれ。2012年、アイドルカレッジに加入。アクロバットが得意で、ステージやMVなどで曲中にも披露している。特技は8年続けた空手(黒帯初段)と6年続けたバトントワリング。舞台『NINJA ZONE』、TVシリーズ『ウルトラマンZ』に出演するなど、アクロバットを活かした活動も行っている。【公式Twitter】https://twitter.com/ic_40shioka

<Text:森祐介/Edit:村上広大/Photo:後藤巧>

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