【図解】フロントスクワットの正しいフォームとやり方|バーベルの持ち方、バックスクワットとの違い、効果を出すポイント (2/2)
フロントスクワットの効果を引き出すポイント
とくに大切なポイントは、以下の2つです。
- バーベルの負荷に負けないよう姿勢を保ち、上半身が前屈みにならないようにする
- バーベルは握るのではなく、肩に乗せる(フロント・ラック)
バーベルが動かないように肘を高く上げて、上腕部が床と平行になるようにしましょう。指は軽く添えるだけにします。
フロントスクワットのフォーム練習
握力や腕力に頼ることなく、バーバルを体の前に置いてスクワットをする感覚を養うためには、以下の方法があります。
- 両腕を前に伸ばし、バーベルを肩の上に乗せてスクワットを行う
バーベルを落とさずスクワットができるようになるまで練習してみてください。
なお、あくまでフォームの練習ですので、重量プレートをつける必要はありません。バーベルだけでも重すぎると感じるなら、塩ビパイプなどを使ってもよいでしょう。
フロントスクワットとバックスクワット、違いは?
ほぼ同じ筋トレ効果を得ることができる
一般的には、バーベルを背中側で担ぐバックスクワットの方がよく知られているでしょう。
フロントスクワットも、バックスクワットとほぼ同じ筋トレ効果を得ることができます。
どちらも、下半身全体および体幹部分の筋肉を効率よく鍛えることが可能です。
- 臀部
- ハムストリングス
- 大腿四頭筋
- ふくらはぎ
- 腰
- 背中 など
こんな人はフロントスクワットがおすすめ
フロントスクワットは腰に不安がある人にオススメ
フロントスクワットではバーベルの負荷が体の前面にかかるので、背中の下から腰にかけての負担がバック・スクワットに比べてやや軽くなります。
そのため、腰痛持ちの人やその不安がある人でも、重量を用いたスクワットができるという点は大きなメリットです。
フロントスクワットをやらないほうがいい人
肩や肘、手首に不安がある人はバックスクワットがオススメ
フロントスクワットには、バック・スクワットにはない肩や肘、手首などの柔軟性および可動域が求められます。
そこに難がある人は、バック・スクワットの方が取り組みやすいでしょう。
下半身の筋肥大を優先させたい人はバックスクワットがオススメ
扱える重量も、フロントスクワットはバック・スクワットに比べて1~2割ほど軽くなることが普通です。
下半身の筋肥大を何よりも優先させたい人は、バック・スクワットの方が向いているかもしれません。
フロントスクワットがうまくできない人は「上半身の可動域」を広げよう
フロントスクワットを続けていくうちに肩の可動域は広がっていく
正しいフロントスクワットを行うためには、可動域が不可欠です。
しかし、長時間のデスクワークをする人など、肩周辺の可動域が狭い人にとって、フロント・ラックの姿勢はかなり厳しいものになるでしょう。克服するには時間がかかります。
フロントスクワットをできる範囲内で繰り返し行いましょう。可動域が少しずつ広がっていきます。本来、正しい筋トレは柔軟運動でもあるのです。
肩の可動域を広げるウォームアップ、フォームローラーで筋膜リリースもおすすめ
同じ理由で、フロントスクワットを行う前のウォームアップでは、肩や腕の可動域を広げる動きも必ず含めるようにしましょう。フォームローラーなどで行う筋膜リリースも有効です。
今すぐフロントスクワットをやりたい人の裏技
胸の前で両腕を交差させてフロントスクワットを行う
それでも、今すぐフロントスクワットのメリットを得たいという人は、胸の前で両腕を交差する方法を試してみてください。
このフォームはあくまで便宜的な対処法であり、本来の形でフロントスクワットができるように努力するべきなのは言うまでもありません。
バーベルの代わりにダンベルとケトルベルを使う
また、バーベルの代わりダンベルとケトルベルを使うこともできます。
この場合、可動性へのハードルは非常に低くなりますが、扱える重量には限界があることを覚えておきましょう。
▲ダンベル・フロントスクワット。ダンベルの片側のヘッドを肩の上に乗せる
▲ケトルベル・ゴブレットスクワット。ダンベルで行うこともできる。ウエイトを胸の近くで持つ
筆者プロフィール
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani
<Text & Photo:角谷剛>