フィットネス
2024年7月2日

「ベンチプレス」と「ショルダープレス」、上半身を鍛えるならどっちがいい? (1/2)

ベンチプレス、スクワット、デッドリフトは筋トレBIG3(ビッグスリー)と呼ばれ、フリーウエイトで行う代表的な筋トレ種目とされています。

この中で、スクワットとデッドリフトが主に下半身のトレーニングであるのに対して、上半身(とくに胸の筋肉)を鍛えられるのはベンチプレスのみです。そのため、たくましい上半身を作るには欠かせない種目であると思われています。

ターゲットとする筋肉群が異なること以外にも、ベンチプレスには他の2種目とは異なる特徴がいくつかあります。はたして、筋トレBIG3というグループでくくってよいのでしょうか? まずは、ベンチプレスとはどんな動作なのか、改めて見ていきましょう。

ベンチプレスの正しいフォームとやり方

セットアップ(準備)

・ベンチで仰向けになる
・頭部、肩、背中、臀部をベンチ上で固定し、両足をつま先からかかとまでしっかりと床につける(5点確保)
・目の位置はバーの真下に置く
・両手の幅は肩幅よりやや広くする

下げる動作

・息を吸いながらバーをゆっくりと下ろす
・バーが胸につくまで下げ、一瞬静止する

5点確保の姿勢を崩さない(尻やかかとを浮かせない)ようにします。

上げる動作

・息を吐きながらバーを持ち上げる
・肘関節が完全に伸びるまで腕を伸ばす

こちらも、5点確保の姿勢を崩さない(尻やかかとを浮かせない)ようにします。

BIG3に含まれるべき種目はショルダープレス?

バーベルを使って上半身を鍛える種目として、ベンチプレスのほかに「ショルダープレス」があります。

ショルダープレスとは立った状態からバーベルを肩から頭上に持ち上げる動作ですが、実はこちらの方がベンチプレスよりデッドリフトやスクワットとの共通点が多くあり、BIG3に含まれるべきメニューはショルダープレスかもしれません。

その理由は、3つあります。

関連記事:バーベル筋トレ「ショルダートゥーオーバーヘッド」とは?フォームとやり方

理由1:ベンチプレスは体幹への効果に乏しい

デッドリフトとスクワットはどちらも立った姿勢で行いますが、ベンチプレスは寝転がった状態で行います。

前者2つの動作は、負荷に抵抗して体軸を安定させることが必要です。そのため、スタビライザーと呼ばれる体幹部分の小さな筋肉群を鍛えることに繋がります。

そして、同様のことがショルダープレスにも言えます。

一方、ベンチプレスではベンチが体を支えてくれるため、安定性は最初から確保されています。従って、体幹部分への刺激がほとんどありません。ベンチプレスはフリーウエイト種目でありながら、マシントレーニングに近いとも言えるでしょう。

関連記事:筋トレ種目「フリーウエイト」と「マシントレーニング」の違いとは。どっちを先にやるべき?トレーナーが解説

理由2:ベンチプレスは実用的な動作ではない

デッドリフトとスクワットは、どちらもよく日常動作に例えられます。

デッドリフトは床に置かれた重い物を持ち挙げるときの動きにそのまま使えますし、スクワットはイスに腰かけた状態から立ち上がる動き。背中に人や荷物を担ぎ、立ち上がる動作にも似ています。

これに加えてデッドリフトとスクワットは、ともに重量挙げ競技で使われる動作(スナッチ及びクリーン&ジャーク)の1部分でもあるのです。この2つに取り組むことが、競技力に直結します。

ショルダープレスはモノを高い棚に乗せるような動きと共通していますし、ジャークの基本動作でもあります。そもそもショルダープレスそのものが、かつては重量挙げ競技の1種目でした(1972年に除外)。

一方で、ベンチプレスのような動きを日常生活で目にすることはほとんどないでしょう。また、他のスポーツでも似た動作はありません。

その点、ベンチプレスは筋肥大のみを目的としたトレーニングのためのトレーニングと呼べるでしょう。

理由3:ベンチプレスは安全性が低い

ベンチプレスでは、もしバーを持ち上げることができないとバーが胸に落下します。怪我の危険性があるうえに、自分ではバーの下敷きになった状態から脱することもできません。

そのため、ベンチプレスで限界に近い重量に挑むときは補助をしてくれる人が必要ですし、1人で行うときは負荷を加減するしかありません。

これに対してデッドリフトやスクワット、そしてショルダープレスでは、持ち上げられないときはバーを床に落とすだけで済みます。

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