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2022年10月14日

筋肉痛時の筋トレ続行はNG?修復メカニズムから考える対処法[ヨガインストラクター監修] (1/3)

 「トレーニングの翌朝、筋肉痛でベッドから起き上がるのがつらい」、「筋肉痛で階段の上り下りもひと苦労」……このような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

 筋トレの後に襲ってくる、うずくような筋肉痛は、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあります。

 そこで今回は、筋肉痛のメカニズムや対処法をヨガインストラクターが詳しく解説します。筋肉痛を正しく理解し、上手に対処することで安全に筋トレを続けましょう。

筋肉痛とはどんな症状(状態)を指すのか?

 筋肉痛とは、スポーツやトレーニングなどによって生じる筋肉の痛みを指します。ハードな運動の後や、同じ動きをくり返して負荷をかけるレジスタンス運動の後に起こりやすく、二の腕や太もも、お尻など、負荷をかけた部位の筋肉に痛みが生じ、ひどい場合は動くのも苦痛に感じます。

 筋肉痛は、運動の最中や直後にあらわれる場合と、運動して数時間から数日経ってから起こる場合とがあり、前者を「即発性筋肉痛」、後者を「遅発性筋肉痛」といいます。

筋トレにおける筋肉痛の原因

 筋肉痛になる原因は諸説あるとされていますが、現在では、筋トレなどの運動によって、負荷がかかった部位の筋肉の繊維や周りの組織が微細に損傷し、それを修復する過程で痛みが生じると考えられています。

 筋トレによって損傷した筋線維を修復するときに炎症が起き、ブラジキニンなどの発痛物質が生産されることで痛みを感じるのです。

筋肉痛の痛みはいつまで続く?

 一般的にいわれる「筋肉痛」は、運動して数時間から数日後に生じる「遅発性筋肉痛」をいいます。

 遅発性筋肉痛は、運動後3~7日ほどで少しずつ痛みが治まることがほとんどです。軽い筋肉痛であれば、2~3日で痛みが引くことも少なくないでしょう。

筋肉痛があるときは筋トレをしてはダメ?

 筋肉痛が起こっているとき、痛みのある部位の筋肉は疲労した状態です。破壊された筋線維は修復されますが、その際筋トレをする前よりも太く強くなります。これを「超回復」といい、これによって鍛えた部位の筋力がアップするのです。

 超回復にかかる期間には個人差がありますが、大きな筋肉ほど超回復が遅く、大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの大きな筋肉の場合、およそ72時間かかるとされています。そのため、筋肉痛があるときは筋疲労の回復期間として2~3日の休息が必要です。

 このメカニズムを利用することで、効率的な筋トレスケジュールを立てることができます。トレーニング後に筋肉痛が現れたら、2~3日の回復期間を設けて休息し、また筋トレを再開しましょう。

 完全に止めてしまうのではなく、毎日していた筋トレを2~3日に1回(週に2~3回)ほどの頻度にし、無理のない範囲で継続することが推奨されています。

筋トレの筋肉痛を早く治す方法

 つらい痛みを伴う筋肉痛は、できるだけ早く治したいですよね。ここでは、筋トレにおける筋肉痛の回復を促すケアについてご紹介します。

筋肉痛の解説を動画でチェック!

筋肉痛を緩和するセルフケア

 運動直後に痛みがひどい場合は、痛みがある部位をアイシングして炎症を抑えましょう。その後はからだを温めて血流をよくすると、筋肉疲労の回復が促されます。

 ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、軽いストレッチで筋肉を緩めるなどは効果的です。また、しっかり眠って体を休めることも疲労回復につながります。

 痛みが続いてつらい場合は、市販の湿布や飲み薬を使うのも痛みを緩和する方法のひとつです。その場合は、ビタミンB1が含まれるものなど、筋肉の回復を促す作用がある薬を選びましょう。

 ただし、鎮痛剤の過度な服用は無理なトレーニングにもつながりかねません。よほど痛みがつらい場合など最小限にし、安静にして回復を待ちましょう。

筋肉痛のときにおすすめの栄養と食べ物

 筋肉痛があるときは食事で疲労回復を促すのもおすすめです。筋肉の材料となるタンパク質は、筋線維の修復に役立ちます。

 肉や魚、牛乳などの動物性タンパク質のほか、豆腐などの大豆製品に含まれる植物性タンパク質もバランスよく摂取しましょう。

 また、タンパク質の吸収をサポートするビタミンも大事な栄養素です。エネルギー代謝をスムーズにし、筋肉の回復を促すビタミンB群や、コラーゲンの生成に関係し、疲労回復を促すビタミンCもバランスよく食事に取り入れましょう。

筋トレによる筋肉痛Q&A 

 筋肉痛になったとき、ほかにどのような点に気をつければよいのでしょうか。ここでは、筋トレによる筋肉痛の疑問をQ&A形式で解説します。

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