筋肉痛時の筋トレ続行はNG?修復メカニズムから考える対処法[ヨガインストラクター監修] (2/3)
筋肉痛が少し残っていても筋トレを再開していい?
体を動かしてみて、痛みが激しい場合は安静にして回復を待ちましょう。
痛みがある部位は避け、ほかの部位を鍛える筋トレであれば再開できます。たとえば、腕に筋肉痛がある場合は、スクワットなどで脚力を強化するといった方法です。
また、筋肉痛があるときには、ゆっくり筋肉を伸ばしていくヨガやストレッチ、ウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。
筋肉痛にならないと筋トレ効果は薄いの?
筋肉痛にならなくてもトレーニングの効果は期待できます。筋肉痛は、運動強度にからだが適応し、筋線維への負荷に慣れることで起こりにくくなります。
また、筋肉のコンディションがよいと修復のスピードが早いため、痛みを感じにくいともいわれます。ただし、単に負荷が足りない場合や、筋トレのフォームが正しくない場合もあるため、見極めが大切です。
筋肉痛が遅れてくるのは年齢が原因ってホント?
歳をとると筋肉痛が遅れてやってくる話はよく耳にしますが、科学的根拠はないとされています。筋肉痛があらわれるまでの時間は、年齢ではなく、運動の種類や強度、その他条件によって異なります。
一般的に筋肉痛があらわれるまでの時間は、強度の高い運動ほど早く、強度の低い運動ほど遅いとされています。
筋肉痛になりやすい人、条件、運動種目ってある?
筋肉痛になりやすい人の特徴として、普段あまり運動をしない、筋肉量が少ない、ウォーミングアップやクールダウンなどの運動前後のケアをしないなどが挙げられます。
動作では、「エキセントリック運動」と呼ばれる、筋肉が伸ばされながら大きな力を発揮する「伸張性収縮」を伴う運動をすると筋肉痛が起こりやすくなります。
たとえば、ダンベル運動でゆっくりひじを伸ばしていくときの二の腕の筋肉(上腕二頭筋)や、重たい荷物をゆっくり降ろす、階段や下り坂を下りる動作で負荷がかかる筋肉です。
ブレーキをかけながら筋肉を使うため、筋線維への負荷が大きくなり、組織の損傷が生じやすいのです。
筋トレによる筋肉痛の予防方法
筋トレの前後に行うケアは筋肉痛の予防に役立つほか、ケガの予防にもつながります。
筋トレ前には、ストレッチなどの準備運動をしっかり行い、血行を促進して筋肉の柔軟性を高めてからスタートしましょう。筋肉が硬直していると筋線維の断裂が起こりやすくなります。
また、いきなり運動強度を上げると筋線維の損傷が起こりやすくなるので、筋トレの強度は徐々に上げるのがおすすめです。
そして、筋トレ後はクールダウンのためのストレッチを行いましょう。筋肉が炎症して熱感がある場合はアイシングで冷却します。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かって血流を促したり、軽いマッサージで筋肉をゆるめるのも疲労回復に役立ちます。
筋肉量が低下すると筋線維が細くなるため、小さな負荷でも損傷しやすくなります。筋肉痛を予防するためには、普段から運動の習慣を持ち、適度に筋力を保つことが大切です。