疲れが取れないのは「脳疲労」が原因かも。専門家に聞いた、脳の疲れを回復させる方法 (4/5)
脳疲労によい成分や食べ物
「魚です。DHAなどのオメガ3多価不飽和脂肪酸(PUFA)は脳の健康や疲労によいとされています。サプリメントより魚まるごと食べるのがおすすめです。フィッシュオイルもよい成分ですね。ストレスがスーッと下がっていきます。サプリメントでも、良質なものやオメガ系のものはよいと思いますが、見つけるのが大変なので、魚を食べたほうが早いでしょう」(澤⼝先生)
言われてみれば、魚を食べると頭がよくなるといったフレーズの歌がありましたね。また、魚のほかには“緑茶”もよいそうです。
「緑茶のカテキンは脳にも病気予防にもよい成分です。まさにスーパーサプリメント。仕事時にもおすすめの飲み物です。これから仕事をするぞというときは前頭前野に負荷がかかるのですが、緑茶は前頭前野を活性化してくれるので、疲れずにすーっと仕事ができますよ」(澤⼝先生)
仕事のお供はコーヒーという人も多いのでは。人によってはエナジードリンクでしょうか。どちらもカフェインが含まれており、カフェインをとらないとぼーっとしてしまう、眠気が襲ってくるなどよく聞きます。
しかし、澤⼝先生によるとカフェインの効果は一時的なもので、集中力などの脳機能の向上にはそれほど意味はなく、逆に後から疲れを感じてしまうといいます。
飲み物を緑茶にしたり、あるいは魚をよく食べたりすると、数カ月で効果が出るという研究もあります。また、長期的に取り入れれば前頭前野が大きくなるという報告があります。
ちなみによく聞く成分として“GABA(ギャバ)”はどうでしょうか。最近では機能性表示食品などに含まれることもあり、疲れやストレスを軽減すると聞きます。
「GABAは、アミノ酸の一種なので脳に入っていかないという研究が多かったのですが、最近では入っていくのではないかという説が出てきています。GABAが入っている飲料を飲むとよいのではないかという研究もありますね。なので、GABAはある程度摂れば脳に入っていく可能性があります」(澤⼝先生)
ちなみにお酒については、残念ながら脳疲労解消には向かないそう。
「お酒は一時的にストレスが解消したと思わせるだけで、飲めば飲むほどストレスは溜まっていきます。やがて飲酒量が増え、アルコール中毒になっていくわけです。アルコールは適量であれば体にいいとする説もありますが、それはワインやビールに含まれる別の成分がいいということ。アルコールを飲むと微小のダメージを脳に与えていき、脳の萎縮につながります。萎縮=脳機能の低下というわけでもないですが、基本的にはアルコールはよくないという研究が多いです」(澤⼝先生)
マッサージ、ツボ、サウナはどう?
食べ物以外だと、マッサージ、ツボなどはどうでしょうか。
「いいという研究とそうでない研究があります。人に触られることが脳によい影響を及ぼすこともあり、親しい人にマッサージしてもらうのはよいとされています。痛みの軽減にもつながります。もちろんプロのところに行き、揉んでもらうのも、血液の流れがよくなるのでいい影響を及ぼすでしょう。ツボや漢方薬が脳に与える影響に関しても、きちんとした研究はあまりないのですが、最近になってようやく中国でもツボや漢方に関する研究を進めています。鍼(はり)は鎮痛効果があると証明されています」(澤⼝先生)
ちなみに最近ブームのサウナはどうでしょうか。サウナで“ととのう”と脳がスッキリするといった話を聞きますが、日本での研究はまだ少なく、フィンランドの研究ではよいという報告が出ています。
暑いところから寒いところに行くことで心臓血管系を強めるメリットはたしかだと澤⼝先生は語ります。
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