朝起きれない人へ!3つの行動で体内時計を整える【原因と対策】
朝起きられない原因といえば「寝不足」ですが、実はそれだけではありません。寝起きの悪さには「肝臓への負担」や「体質・病気」が関係している場合があり、改善するためには概日リズム(サーカディアンリズム)を意識することが大切です。今回は、朝起きられない原因や、対処のポイントとなる概日リズムについて、あんしん漢方薬剤師・藤田佑莉(ふじた ゆうり)さんがお伝えいたします。
朝起きられない原因は大きく3つ
朝起きられない原因は、以下の3つが知られています。
睡眠の質が悪い
体内時計の乱れや深く眠れない状況が続き、睡眠の質が悪くなると、体に疲れが残り、朝起きるのがつらくなります。
とくに注意したいのが体内時計の乱れです。体内時計は眠りと覚醒のサイクルを調整する働きを持っており、リズムが乱れると朝起きるのがつらくなるだけでなく、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
肝臓に負担がかかっている
肝臓は体の老廃物や毒素を処理し、健康な体を保つために重要な臓器です。しかし、生活習慣の乱れやアルコールの摂り過ぎなどによって、肝臓への負担が大きくなることがあります。
朝は肝臓がもっとも活発に働く時間帯であるため、肝臓への負担の大きい状態が続くと朝起きるのがつらく感じることがあるでしょう。
体質や病気の影響
朝起きられなくなる原因には、体質や病気が関係していることもあります。
たとえば、低血圧や起立性調節障害は、血圧が下がってめまいや立ちくらみが起こるため、朝起きるのがつらくなります。
また、睡眠相後退症候群は体内時計に問題が起こるため、朝早く目が覚めてしまい夜はなかなか寝付けない症状があらわれます。
これらの病気は、適切な治療が必要ですので、医師に相談することが大切です。
寝起きをよくするには「概日リズム(サーカディアンリズム)」を意識する
朝起きるのがつらい人は、概日リズム(サーカディアンリズム)を整えることが有効です。
概日リズムとは、24時間周期で繰り返される体内時計のリズムのことで、これが乱れると睡眠や覚醒に悪影響を与えます。
朝起きるのがつらい人は、この概日リズムを整えることで、寝起きの改善が期待できます。では、どのようにして整えていくのが良いでしょうか。おすすめの方法を3つご紹介します。
概日リズムを整える3つのポイント
概日リズムを整える方法として、以下の3つが知られています。
1.光の浴び方を変える
人間の体内時計は、朝に太陽光を浴びることでリセットされます。そして夜には、メラトニンという睡眠ホルモンが分泌されます。
朝起きたらすぐにカーテンを開け、1分ほど日光を浴びる、昼間には外出して散歩するなど、自然光を意識的に浴びるように心がけることが大切です。
2.決まった時間に食事を摂る
食事の時間を一定にすることで、体内時計がリズムよく動くようになります。
不規則な食事を続けると、食事の時間に合わせて体内時計が調整されなくなり、概日リズムが乱れることにつながります。朝食を必ず食べる、夜遅くに食事をしないなど、ルーティンを作ることが重要です。
3. 適度な運動をする
適度な運動には、体内時計を整える効果があります。朝に運動することで、体を目覚めさせることができ、夜にはよく眠れるようになります。
また、運動をすることでストレスが解消されるため、寝付きがよくなることも期待できます。
ただし、夜遅くに激しい運動をすると、興奮状態が続いて寝付きが悪くなる場合があるため、運動は朝や昼間に行うことが望ましいでしょう。
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朝の目覚めをよくするには漢方も選択肢のひとつ
朝の目覚めをよくするためには、漢方薬の活用もおすすめです。漢方薬は、心療内科などでも自然由来の治療薬として使われています。
朝の目覚めが悪くなるのは、ストレスなどの心理的要因や過労などの心身的要因、血流不足などが原因と考えられています。
朝の目覚めをよくするためには、鎮静作用を含む漢方薬に加えて、以下の作用をもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。
● 自律神経を整えて、ストレスによる疲労や睡眠の質を改善する
● 消化・吸収機能をよくして、心と体に栄養を届けて元気にする
● 血液や水分の循環をよくして、低血圧を改善する
漢方薬は、自然の生薬が心と体のバランスを整えるので、寝起きの悪さや睡眠の質だけでなく、ほかの心身の不調にも同時にアプローチすることができます。
また、漢方薬は一般的に西洋薬よりも副作用が起こりにくいといわれています。
朝の目覚めをよくするためにおすすめの漢方薬
- 酸棗仁湯(さんそうにんとう): 「血(けつ)」(栄養)を補う働きがあり、体力が低下して、熟睡感がない不眠の改善によく用いられる漢方薬です。心身ともに疲れて眠れない方に。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう): 気を落ち着かせ、精神を安定させることで、脳の興奮からくる不眠を改善する漢方薬です。比較的体力があり、ストレスでイライラしがちな方に。
漢方は、自分の状態や体質にうまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
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概日リズムを整えて快適に過ごそう
寝起きを改善するには、概日リズムを整えることがポイントです。
光の浴び方を変えたり、決まった時間に食事を摂ったり、適度な運動をしたりすることを大切にしましょう。概日リズムを整えて、快適な1日を過ごしましょう。
参考文献 厚生労働省 e-ヘルスネット 体内時計
<この記事を書いた人>
藤田佑莉(ふじた ゆうり)
あんしん漢方薬剤師。北里大学卒業後、産婦人科門前の調剤薬局で働く中で、女性特有の不調に悩んでいる方が多いと実感。漢方薬による根本治療の大切さを広めたいと考え、精度の高い漢方をお手頃価格で提供する「あんしん漢方」で薬剤師としてサポートを行う。
<Edit:編集部>