タンパク質不足時の症状例。「太る」「疲れやすい」と感じる理由とは (2/2)
何g摂取しないと「不足している」と判断できるのか
厚生労働省から発表されている「タンパク質の食事摂取基準」によると、最低限の摂取量は以下の通りです。
年齢 | 最低摂取量/1日 |
1~49歳 | 13~20g |
50~64歳 | 14~20g |
65歳以上 | 15~20g |
上表で、最低摂取量として記載した数値は、生活習慣病を予防するための指標となります。
体格や身体活動レベルによって適切な量は変わってくるので、あくまでも目安として認識しておき、記載した数値よりタンパク質の摂取量が少なくならないようにしましょう。
タンパク質不足がどれくらいの期間続くと症状が出る?
体に含まれているタンパク質には、半減期というものが決まっています。そのため、それぞれの半減期によって不足の症状が出る期間は異なります。
タンパク質不足の解消方法
タンパク質不足を解消するためには、食事からタンパク質を摂取しましょう。
- 食事には必ず、肉や魚のおかずを取り入れる
- トッピングなどを選べるときはタンパク質が多いものを選ぶ
などして、日常的にタンパク質の摂取を心がけてください。
プロテインパウダーやアミノ酸などのサプリを頻繁に摂取すると、これらを消化吸収代謝させるために、体内にあるビタミン・ミネラルが使われます。そのため、これらの栄養素が不足する恐れがあるため、プロテインパウダーやアミノ酸などのサプリはあくまで補助食品として使用すると良いでしょう。
タンパク質不足の時、おすすめの食べ物
- 肉類
- 魚類
- 卵
- 大豆製品
肉には、タンパク質だけでなく代謝に必要なビタミンB群も含まれています。そのため、体内でスムーズにエネルギー代謝を行い、健康も支えてくれます。赤身肉には、女性が不足しやすい鉄や亜鉛などが豊富に含まれているのでおすすめです。
仕事の合間や間食に、豆乳・ゆで卵・小魚などをおやつ代わりにすれば、無理なくタンパク質を補えるでしょう。
タンパク質の摂取目安量
タンパク質の摂取目安量は、性別・日常の運動量によって異なります。詳しくは以下をチェックしましょう。
タンパク質摂取量│男性の場合
男性は、1日に65g程度のタンパク質を摂取するようにしましょう。
タンパク質摂取量│女性の場合
女性は、1日に50g~55g程度のタンパク質を摂取するようにしましょう。
タンパク質摂取量│運動する人の場合
軽い運動を行っている場合
フィットネスなど軽い運動をしている人は、体重1kgあたり1.2g~1.6gを目安にタンパク質を摂取しましょう。体重50kgの人の場合、60g~80gです。
高強度の筋トレを行っている場合
強度の筋トレに励む筋トレ民は、体重1kgあたり1.6g~2.0gを目安にタンパク質を摂取しましょう。体重50kgの人の場合、80g~100gです。
タンパク質不足を補うのに、プロテインは有効か
タンパク質不足を補うために、プロテインは有効です。
しかし、プロテインはあくまでも補助食品です。食事では摂り切れないタンパク質を補給するというイメージで役立てると良いでしょう。
「補う」にフォーカスを当てた時、おすすめのプロテイン
タンパク質不足を補いたい時は、数種類の異なる原材料のプロテインを活用すると良いでしょう。
数種類のプロテインをローテーションして用いることで、定期摂取によるアレルギーの発症を防げるでしょう。どの原材料のプロテインであっても、甘味料や糖質量などには注意してください。
監修者プロフィール
みぞぐちクリニック
院長 溝口 徹
1990年 福島県立医科大学卒業。横浜市立大学医学部付属病院、国立循環器病センター勤務を経て、2003年に日本初となる栄養療法専門クリニック新宿溝口クリニック(現:みぞぐちクリニック)を開設。栄養療法は精神疾患の治療方法として海外から広まった経緯もあり、精神疾患の症例を多く経験している。現在は、発達障害、不妊治療、慢性疲労、起立性調節障害、難病など治療が困難な疾患も広く治療している。
<Text:編集部>