ウェルネスフード
2023年12月6日

【チェック】タンパク質不足時の症状とは?「太る」「疲れやすい」は本当なのか

体を作る栄養素の1つである「タンパク質」ですが、不足したらどのような症状があらわれるのでしょうか? 「太る」「お腹が出る」「病気になる」などの噂がありますが、この噂の真相はいかに……。

本記事は、栄養療法を得意とするお医者さんにタンパク質の不足時の症状を聞きました。タンパク質を補う方法なども解説するので、不足の心配がある人は必見です。

タンパク質不足時の症状一覧

  • 皮膚のトラブル(乾燥・ハリの低下・たるみなど)
  • 髪の毛のトラブル(ボリューム低下・ぱさつきなど)
  • 爪のトラブル(二枚爪・爪が割れるなど)
  • 疲れやすくなる
  • 筋肉の量が減る
  • 太りやすくなる

タンパク質不足時に出る症状

皮膚・髪・爪のトラブルが起きるしくみ

タンパク質は、皮膚・髪の毛・爪などの原材料です。そのため、不足する事で、肌の乾燥や髪のボリューム低下といった症状が起こることがあります。

【実体験】編集部員からのコメント

忙しさから食事をないがしろにしていたら、あっという間にほとんどの爪が二枚爪に……。ネイルオイルでの保湿などは行っていましたが、やっぱりタンパク質って大事なんだな~と思いました。プロテインを飲む習慣をつけたら、徐々に爪に元気が戻ってきました! ただ、髪の毛はパサパサなまま。髪の毛も生き返って欲しいものです。

疲れやすくなるしくみ

タンパク質が不足することで、タンパク質を材料とする、

  • 体のバランスに関わるホルモン
  • やる気などの感情に関わるホルモン
  • 消化・吸収・代謝に関わる酵素

の活性が落ちることで、疲れやすくなると言われています。

筋肉量の減少・太りやすくなるしくみ

タンパク質が不足すると、その不足を補うために、筋肉が分解・代謝されます。その結果、筋肉量の減少・太りやすくなるといった症状が生じる可能性があります。

タンパク質不足、中でも“女性にありがちな症状”とは

女性が注意したいタンパク質不足による症状としては、以下の通りです。

  • めまい・たちくらみ・頭痛などの貧血症状
  • 冷え
  • 肌のシミや色素沈着

女性は月経があることから、鉄分が不足しやすいです。上記は、鉄分とタンパク質が両方不足した場合に生じやすい症状です。

タンパク質不足で「太る」「病気になる」?

タンパク質が不足すると、「太る」「病気になる」「疲れやすい」などの噂がありますが真相は……。すでにタンパク質不足時の症状で解説した項目もありますが、改めてこれらの噂をしっかり解説します。

タンパク質不足で「太る」「お腹が出る」?

タンパク質の不足によって太る・お腹が出る可能性があります。

タンパク質不足 太る

タンパク質が不足すると、その不足分を補おうと筋肉が分解され、基礎代謝が低下します。基礎代謝が低下すると、消費カロリーが減るため太りやすくなり、お腹が出ることにもつながります。

【実体験】編集部員からのコメント


もともと筋肉量が少ないので筋肉の分解は感じませんでしたが、個人的には「タンパク質を摂らないと食事の満足度が落ちて、間食をしまくってしまう」という経験が。毎食、お肉やお魚や乳製品からタンパク質を摂るようにしたら、間食の量が減った気がします。タンパク質は腹持ちが良いそうなので、間食が多い人はタンパク質を摂ることを意識するといいかもと思っています。

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タンパク質不足で「太る」「お腹が出る」って本当?

タンパク質不足で「病気」になる?

タンパク質が不足したからといって必ず病気になるというわけではありませんが、以下のことが要因となり病気リスクが上がることは考えられます。

  • タンパク質の1種である「免疫グロブリン」が減少し、免疫力が下がる
  • コラーゲン質で出来ている粘膜が弱くなり、ウイルスや細菌などに感染しやすくなる
  • 骨がもろくなり骨折しやすくなる

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タンパク質不足で「病気」になる?足りないと出る症状とは

タンパク質不足で「疲れやすい」?

前述した通り、タンパク質不足によって疲れやすくなるのは本当です。

タンパク質が不足することで、タンパク質を材料とする、

  • 体のバランスに関わるホルモン
  • やる気などの感情に関わるホルモン
  • 消化・吸収・代謝に関わる酵素

の活性が落ちることで、十分なエネルギーが全身に回らない・異物を代謝させる能力が低下するなどが起こるため、疲れやすくなります。

タンパク質不足で「ニキビ」ができる?

タンパク質不足でニキビができるとは言い難いです。ニキビとタンパク質の関係は、乏しいと考えられます。

タンパク質不足で「筋肉量は減る」?

前述した通り、タンパク質不足で筋肉量は減ると言えます。

筋肉は、タンパク質そのもの。そのため、不足したら当然筋肉は減ってしまいます。さらに、タンパク質が不足している場合、筋肉を分解してアミノ酸を生成するため、筋肉量の低下につながります。

タンパク質不足のセルフチェック方法

タンパク質が不足しているかどうかセルフチェックするために、以下の項目が当てはまるかどうか確認しましょう! ご自身がいくつ当てはまるか数えてみてください。

  • 肉・魚・卵などをあまり食べない
  • 野菜中心、あるいは和食中心の食生活である
  • 食事をご飯やパンなどの主食だけで済ませる事が多い
  • 肌のハリが減ってきた
  • ダイエットをしている
  • 肉や魚を食べると、胃もたれや腹痛を起こすことがある
  • 日常的にスポーツをする、あるいは肉体労働である
  • ステロイド剤を使用している
  • 胃薬をよく服用する

上記が3項目以上該当したら、タンパク質不足の可能性があります。ご自身の食生活を見直して、タンパク質を摂取しましょう。

何g摂取しないと「不足している」と判断できるのか

厚生労働省から発表されている「タンパク質の食事摂取基準」によると、最低限の摂取量は以下の通りです。

年齢 最低摂取量/1日
1~49歳 13~20g
50~64歳 14~20g
65歳以上 15~20g

上表で、最低摂取量として記載した数値は、生活習慣病を予防するための指標となります。

体格や身体活動レベルによって適切な量は変わってくるので、あくまでも目安として認識しておき、記載した数値よりタンパク質の摂取量が少なくならないようにしましょう。

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タンパク質不足がどれくらいの期間続くと症状が出る?

体に含まれているタンパク質には、半減期というものが決まっています。そのため、それぞれの半減期によって不足の症状が出る期間は異なります

タンパク質不足の解消方法

タンパク質不足を解消するためには、食事からタンパク質を摂取しましょう。

  • 食事には必ず、肉や魚のおかずを取り入れる
  • トッピングなどを選べるときはタンパク質が多いものを選ぶ

などして、日常的にタンパク質の摂取を心がけてください。

プロテインパウダーやアミノ酸などのサプリを頻繁に摂取すると、これらを消化吸収代謝させるために、体内にあるビタミン・ミネラルが使われます。そのため、これらの栄養素が不足する恐れがあるため、プロテインパウダーやアミノ酸などのサプリはあくまで補助食品として使用すると良いでしょう。

タンパク質不足の時、おすすめの食べ物

タンパク質の不足時は、

  • 肉類
  • 魚類
  • 大豆製品

など、タンパク質が豊富な食材から摂取するのが良いでしょう。

肉には、タンパク質だけでなく代謝に必要なビタミンB群も含まれています。そのため、体内でスムーズにエネルギー代謝を行い、健康も支えてくれます。赤身肉には、女性が不足しやすい鉄や亜鉛などが豊富に含まれているのでおすすめです。

仕事の合間や間食に、豆乳・ゆで卵・小魚などをおやつ代わりにすれば、無理なくタンパク質を補えるでしょう。

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タンパク質の摂取目安量

タンパク質の摂取目安量は、性別・日常の運動量によって異なります。詳しくは以下をチェックしましょう。

タンパク質摂取量│男性の場合

男性は、1日に65g程度のタンパク質を摂取するようにしましょう。

タンパク質摂取量│女性の場合

女性は、1日に50g~55g程度のタンパク質を摂取するようにしましょう。

タンパク質摂取量│運動する人の場合

軽い運動を行っている場合

フィットネスなど軽い運動をしている人は、体重1kgあたり1.2g~1.6gを目安にタンパク質を摂取しましょう。体重50kgの人の場合、60g~80gです。

高強度の筋トレを行っている場合

強度の筋トレに励む筋トレ民は、体重1kgあたり1.6g~2.0gを目安にタンパク質を摂取しましょう。体重50kgの人の場合、80g~100gです。

タンパク質不足を補うのに、プロテインは有効?

タンパク質不足を補うために、プロテインは有効です。

しかし、プロテインはあくまでも補助食品です。食事では摂り切れないタンパク質を補給するというイメージで役立てると良いでしょう。

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「補う」にフォーカスを当てた時、おすすめのプロテインは?

タンパク質不足を補いたい時は、数種類の異なる原材料のプロテインを活用すると良いでしょう。

数種類のプロテインをローテーションして用いることで、定期摂取によるアレルギーの発症を防げるでしょう。どの原材料のプロテインであっても、甘味料や糖質量などには注意してください。

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監修者プロフィール

みぞぐちクリニック
院長 溝口 徹

1990年 福島県立医科大学卒業。横浜市立大学医学部付属病院、国立循環器病センター勤務を経て、2003年に日本初となる栄養療法専門クリニック新宿溝口クリニック(現:みぞぐちクリニック)を開設。栄養療法は精神疾患の治療方法として海外から広まった経緯もあり、精神疾患の症例を多く経験している。現在は、発達障害、不妊治療、慢性疲労、起立性調節障害、難病など治療が困難な疾患も広く治療している。

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<Text:編集部>