
ブロッコリースプラウトの栄養と効果的な食べ方。食べ過ぎるとどうなる?[薬剤師監修] (1/3)
スーパーでよく見かける「ブロッコリースプラウト」。体にいいイメージはあるものの、含まれている栄養素やその効果をご存知でしょうか。
栄養豊富な野菜ですが、なかでもスルフォラファンという成分が豊富に含まれており、美容やデトックスに役立ちます。
本記事では、ブロッコリースプラウトの栄養素や効果、おすすめの食べ方などをご紹介します。
<このページの内容>
ブロッコリースプラウトとは
ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種を発芽させた新芽(しんめ)の野菜です。日本では、1999年に広島県に本社を構える村上農園が初めて発売しました。
ブロッコリースプラウトには、ビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富に含まれています。また、味にクセがなく、シャキシャキとした食感が特徴で、生で食べられます。
1パック100円程度とお手頃価格のため、今では家庭で広く食べられているのです。
ブロッコリースプラウトのカロリーと栄養素
ブロッコリースプラウトのカロリーと栄養成分は以下の通りです。
ブロッコリースプラウト(可食部100gあたり)
たんぱく質 1.9g
食物繊維 1.8g
β-カロテン 900μg
ビタミンB1 0.08mg
ビタミンB2 0.11mg
ビタミンB6 0.20mg
ビタミンC 64mg
ビタミンE 8.8mg
ビタミンK 150μg
カリウム 100mg
カルシウム 57mg
※可食部 100g当たりの数値
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
気になるスルフォラファン量ですが、村上農園のサイトによると、可食部100gあたり200mgとされています。
[お詫びと訂正:2023年10月25日]初出時、食塩相当量の数値に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
(誤)0.5g
(正)0g
ブロッコリースプラウトに含まれる栄養素「スルフォラファン」とは
ブロッコリースプラウトの最大の特徴は、スルフォラファンという栄養素を豊富に含んでいることです。
スルフォラファンは、ブロッコリーやキャベツといったアブラナ科の野菜に含まれており、抗酸化や解毒といった、体の防御機能を高める働きが知られています。
スルフォラファンの作用やメリット
スルフォラファンは、抗酸化作用や抗糖化作用、抗炎症作用、解毒作用など身体の防御機能を高める働きが報告されており、たとえば次のような作用が期待されています。
血糖値の改善、肥満予防
スルフォラファンの抗酸化作用や抗炎症作用が、血糖値コントロールに効果的とされる研究結果が、スウェーデンにあるイェーテボリ大学のアンデルス・ローゼンガレン教授が行った研究で出ています。
また、旭川医科大学の太田嗣人教授らの研究で、動物実験においてスルフォラファンが脂肪を消費する細胞を増やすという結果が出ており、肥満予防の可能性が示唆されています。
シミやそばかすを予防
スルフォラファンは、チロシナーゼと呼ばれる酵素の働きを抑制し、シミ・そばかすの原因であるメラニン色素の生成を防ぎます。
ピロリ菌の除去
ピロリ菌に対する殺菌作用、胃炎や胃がん予防も報告されています。
肝臓の働きをよくする
スルフォラファンには肝臓の健康度合いを示す「肝機能マーカー」の数値を下げることが分かっています。
動脈硬化の進行予防
血管が狭くなる動脈硬化も、スルフォラファンで進行が抑えられる可能性が、筑波大学消化器内科医師・谷中昭典氏の研究結果で示唆されています。
花粉症状の緩和、便秘解消
他にも、スギ花粉による炎症反応の緩和や便通の改善など、さまざまな効果が報告されているのです。
ブロッコリースプラウトを食べると、どんなメリットがある?
栄養豊富なブロッコリースプラウトを食べるとたくさんのメリットがあります。健康面や美容面、その他の面、それぞれについてご紹介します。
エネルギー消費の増加
ブロッコリースプラウトは、肥満を抑制する効果が報告されています。
脂肪細胞には、エネルギーをため込む白色細胞と、エネルギーを燃焼させる褐色細胞があり、褐色細胞の量が少ないと脂肪が燃焼されず体内に蓄積しやすくなります。
スルフォラファンは、脂肪細胞の褐色細胞化を促進し、エネルギー消費を増やす効果があることが報告されています。
メラニン色素の生成を抑える働き
ブロッコリースプラウトには、シミやそばかすを予防する効果が報告されています。スルフォラファンには、シミやそばかすの原因であるメラニン色素の生成を抑える働きがあるためです。
メラニンはチロシナーゼと呼ばれる酵素によって生成されますが、スルフォラファンはこのチロシナーゼの働きを抑制してシミやそばかすを防いでくれます。
ピロリ菌の感染予防
ブロッコリースプラウトは、ピロリ菌の感染を予防する効果があることも報告されています。スルフォラファンには抗菌作用があり、ピロリ菌の濃度が高いほどより大きな効果を発揮します。