高カカオチョコレートと「便秘」のお話。排便回数や量…どんな変化が出た?
「高カカオチョコレート」は、腸内細菌と関連が深いと言われています。高カカオチョコレートと腸内細菌の関連について、腸内フローラ検査「マイキンソー(Mykinso)」を開発した株式会社サイキンソーが行った先行研究をまじえて紹介します。
高カカオチョコレートを摂取すると、便通が改善する?
チョコレートと腸内細菌の関連性については、2015年に株式会社明治と帝京大学が共同で行った研究※1(以下、先行研究)が挙げられます。
結果によると、高カカオチョコレートの摂取により、以下の3つの効能が得られたそう。
- 高カカオチョコレートの摂取により排便回数が増加する
- 高カカオチョコレート摂取後の便色が改善する
- 高カカオチョコレート摂取後の排便量が摂取前の約2倍へ増加する
排便量や頻度が増えると、体内に蓄積される有害物質が排出されます。それに加えて高カカオチョコレートは腸内細菌叢にも変化を及ぼすことが分かっています。
高カカオチョコレートは腸内細菌にどんな影響を及ぼす?
被験者の便中菌叢を解析したところ、高カカオチョコレートを摂取した群は、非高カカオチョコレート摂取群よりも、有用菌であるフィーカリバクテリウムの占有率が上昇したことが報告されています。
フィーカリバクテリウムとは、短鎖脂肪酸の一種である酪酸を多く産生する菌のこと。短鎖脂肪酸は天然の薬と言われるほど免疫機能の向上に重要な産生物で、有害菌の活動を抑え、腸の健康を維持してくれる働きがあります。
サイキンソーが所有するマイキンソーデータからも、慢性疾患や持病がない人は酪酸菌の占有率が高く、フィーカリバクテリウムの占有率も高いことが分かっています。
フィーカリバクテリウムの占有率が高い人、低い人の特徴
とくに、以下を実施している人はフィーカリバクテリウムの占有率が高い傾向にあるそう。
- 毎日3食しっかり食べる
- 野菜や玄米など、腸に良いとされる食材を1日1回以上食べる
逆に、喫煙や飲酒の習慣、朝食を抜く傾向がある方は、フィーカリバクテリウムの占有率が低い傾向にあることも分かっています。
さらに、肥満や高血圧、糖尿病などを生活習慣病を患っている方も、フィーカリバクテリウムの占有率が低いという相関が見られました。
高カカオチョコレートの摂取は、カラダの免疫機能に強く関連しているフィーカリバクテリウムを増やし、腸内細菌叢にも良い働きを及ぼす可能性があるのです。
高カカオチョコレートを食べることで便通が改善し、フィーカリバクテリウムの占有率が上昇する
まとめです。
高カカオチョコレートを摂取することで排便回数・排便の質・排便の量が改善し、それにより腸内で有用菌であるフィーカリバクテリウムの占有率が上昇することが報告されました。
また、フィーカリバクテリウムは腸の健康を保つ働きのある酪酸を多く産生する菌であり、マイキンソーデータからもフィーカリバクテリウムの占有率の低さが、生活習慣の乱れや生活習慣病と相関することが分かりました。
高カカオチョコレートは脂質が高め。食べ過ぎには注意!
とはいえ、高カカオチョコレートには一定の糖分や脂質も含まれているため、食べ過ぎにも注意が必要です。
摂取量は、1日25g程度(市販のチョコレートだと3~5粒程)が目安。また、食前と食間に摂取をすると血糖値の急激な上昇を抑える働きもあるとされています。
高カカオチョコレートに明確な定義自体は存在しないものの、カカオが70%以上含まれている商品を選ぶとよいでしょう。
調査データ:株式会社サイキンソー
<Edit:編集部>