オリーブオイルは太る?痩せる?効果と使い方をダイエット目線でまとめてみた
健康や美容にいいと一躍人気となったオリーブオイル。しかし油なので、太るのでは? と脂質の高さにドキドキしているダイエット民も。あらためてオリーブオイルの栄養や太らない使い方を探っていきましょう。
オリーブオイルとは
オリーブオイルとは、オリーブの実からとれる油のことを指します。
日本で一般的に使用されているオリーブオイルには、製法の違いによって「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の2種類があります。
「エキストラバージンオリーブオイル」とは
オリーブの実のみを原料としてそのまま抽出したもの(バージンオイル)の中で、味や香り、酸度(酸価)などの項目の基準を満たしたものが「エキストラバージンオリーブオイル」と呼ばれています。
加熱処理などもされていないため、オリーブ本来の栄養成分がそのままとれ、香りや風味も豊かなオイルと言われています。
「ピュアオリーブオイル」とは
一方、「ピュアオリーブオイル」とは、精製加工されたバージンオイルとエキストラバージンオリーブオイルをブレンドして作られたものです。味や香りはマイルドで、さまざまな料理にも使いやすいオイルとなっています。
ちなみに、「ピュア」という呼び方は日本のみと言われており、世界的にはピュアオリーブオイル=オリーブオイルの認識となっています。
オリーブオイルのカロリーや栄養素
オリーブオイルは1gあたり約9kcalとなります。大さじ1のオリーブオイルは12gとなるため、それだけで約108kcalのエネルギー量となります。
どんな栄養素が含まれている?
オリーブオイルはオレイン酸が主成分となり、不飽和脂肪酸のオメガ9系でもあることから、酸化しにくい油とも言われています。
オレイン酸以外にも、体内では作ることができない必須脂肪酸であるリノール酸やリノレン酸のほか、ポリフェノールやビタミンEなども含まれています。
オリーブオイルは何がいいの? 期待できる効果
オリーブオイルには、健康に良いとされる成分がさまざま含まれております。主に期待できる効果は2つあります。
1. LDLコレステロールを下げる
オリーブオイルの主成分のオレイン酸には、血中のLDLコレステロールを抑制する働きがあると言われています。
LDLコレステロールは、いわゆる悪玉コレステロールと呼ばれていますが、LDLコレステロール値が高い状態が続くと動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞などにもつながりやすくなってしまいます。
2. 抗酸化作用(美肌にもおすすめ)
オリーブオイルに含まれるオレイン酸、ポリフェノール、ビタミンEは抗酸化作用をもつ成分です。
身体が酸化=さびてしまうことから守ってくれるのが抗酸化作用であり、オリーブオイルには数種類の抗酸化作用をもつ成分が含まれていることで、より強い抗酸化作用があると言われています。
酸化は、呼吸をする度に体内で発生する活性酸素によっておこります。
普段の生活でも発生してしまう活性酸素ですが、紫外線やストレスなどでさらに増えやすく、活性酸素が過剰に発生してしまうことで細胞が傷つき、生活習慣病にもつながると言われています。
また、過剰な活性酸素はシミ、しわ、たるみなどお肌にも影響が出やすく、老化の原因にもなります。
紫外線が増えてくる季節は、抗酸化作用をもつ食品を取り入れて身体の内側からも健康を意識していけるといいですね。
オリーブオイルは太る?太らない? ダイエットとオリーブオイルの関係性
このように、健康に良いとされる油であれば、たくさん取り入れたくなってしまいますが、油は油です。摂りすぎてしまうことで摂取カロリーの過剰になり肥満につながりやすくなってしまいます。
ただ、適量で使用するのであれば、同じ油でもより質のよいオリーブオイルはダイエットにも効果的です。
LDLコレステロールを下げる働きで生活習慣病の予防も!
前述のように、オリーブオイルにはLDLコレステロールを下げる働きがあるため、生活習慣病の予防にもつながります。
肉の脂身やバターなど動物性脂肪の過剰摂取によって、LDLコレステロールが高くなると言われています。
肥満=LDLコレステロールが高いということではありませんが、それらの食品を摂りすぎることで肥満にもつながりやすく、質のよい油に変えることで肥満やLDLコレステロールの改善にもつながります。
オレイン酸による便秘解消
また、オリーブオイルの主成分のオレイン酸は、便秘改善効果も期待できます。
オレイン酸は小腸で吸収されにくく、そのまま大腸へ届き大腸を刺激します。すると大腸の動きが活発になり便秘改善につながると言われています。
加えて、便を運びやすくする潤滑油の働きもあるため、便を出しやすくなるとも言われています。
オリーブオイルはどれくらい摂ればいい? 1日の摂取量目安
オリーブオイルを摂るなら、多くても1日大さじ1杯程度(約108kcal)がおすすめです。
お薬ではないので明確な量は定められてはいませんが、あくまで油なので、摂りすぎないようにして、効果を得るためには継続して取り入れるのがおすすめです。
オリーブオイル、おすすめのとり方
ピュアオリーブオイルやエキストラバージンオリーブオイル、どちらも主成分であるオレイン酸は多く含まれていますが、抗酸化作用をもつポリフェノールはエキストラバージンオリーブオイルのほうが多く含まれています。
健康面を意識して取り入れるなら、エキストラバージンオリーブオイルのほうがおすすめです。
エキストラバージンオリーブオイルは香りや風味もいいため、それも活かすなら加熱せずにそのままサラダにかけたり、パンにつけたりと使うのがおすすめです。
ただ、加熱してはダメというわけではなく、香りや風味は弱まってしまいますが、成分や期待できる効果は同じなので、好みによって取り入れるのもいいでしょう。
もちろん、ピュアオリーブオイルでも同様で、クセも少なくあっさりしているためいつものお料理でお使いいただけます。
脂溶性ビタミンはと一緒にとるとビタミンの吸収率アップ
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA、C、D、E)と油を一緒にとることで、ビタミンの吸収が高まる効果もあるため、トマトやパプリカ、キャベツなど脂溶性ビタミンが豊富な食材はオリーブオイルとの組み合わせもぴったりです。
サラダや野菜スープの仕上げにかけることで、オリーブオイルの風味や香りも楽しめますし、野菜炒めなど普段の加熱調理で使用するのもおすすめです。
ここに注意!オリーブオイルは開封後は酸化が進む
メリットが豊富なオリーブオイルですが、気を付けたいポイントもあります。
オリーブオイルは酸化しにくい油ではありますが、封を開けたら酸化は進んでいきます。
光のあたるところではさらに酸化されやすくなってしまうため、光の当たらないところに保管してできるだけ早めに使い切るのがおすすめです。
オリーブオイルの特徴を知り、好みによって普段の生活に取り入れていきましょう。
監修・著者プロフィール
板橋瑠美(いたばしるみ)
DSクリニック管理栄養士。患者さまの食事内容や生活スタイル、減量したい目的などをお伺いし、一人ひとりに合わせて無理のない食事改善のポイントを提案。我慢や制限するばかりのつらいダイエットではなく、普段の生活に合わせて健康的に減量するための実践方法を伝えている。
<Edit:編集部>