フィットネス
2024年3月14日

ランニング初心者、何から始める?まずは服装!次に距離とペース。コース選びとメニューも解説

ランニング初心者の場合、走る前にまず何からやればいいのでしょうか? ウェアやシューズの準備、ウォーミングアップアップなどさまざまあります。ここではランニングを始めて行う人に向けて、服装や靴、走る距離や走り方のフォームなどをまとめて解説!

教えてくれたのは、藍整会なか整形外科所属の社会人トライアスリート・長島実桜(ながしま・みお)さん。はじめての人あるある「ランニングしている姿を見られるのが恥ずかしい」の克服方法も聞きました。

まずはランニングを始める「目的」と「目標」を決める

なぜランニングをしようと思ったのか? ランニングを始める目的とは

まずはランニングを行う目的をはっきりさせます。これを行うことで、スタートも継続もしやすくなります。

運動不足を解消したい、痩せて綺麗になりたい、運動習慣を身につけたいなど、具体的な内容を手帳やカレンダーに書き出してみましょう。

ランニングの目標を立てる

次に、目標を立ててみましょう。

「○か月で○km走れるようになる」、「週に○回走る」など、具体的に目標を立てることでモチベーションキープにつながります。

ランニングはストレス発散やダイエット効果など多くのメリットも期待できますが、継続して初めてその効果を得ることができます。

始めること、そして継続することが何よりも大切です。そのために「目的」と「目標」を考えてみてください。

どんな服装で走ればいい?

ランニングは、動きやすい服装で行いましょう。トップスやインナーは、速乾性や吸水性のある素材を着用します。

綿の生地は汗をよく吸いますが、乾きにくく、体温を奪うため避けましょう。

ランニング初心者の服装例

  • ポリエステル素材の速乾性を謳ったTシャツ
  • ハーフパンツやジャージ(乾きやすく軽い化学繊維のもの)

気温に応じて、薄手のウインドブレーカーなどの上着を羽織るとよいでしょう。重要なのは、自分の体調や気温に合わせて調整することです。

ランニング初心者の編集部員
「定番ですがナイキのウェアにしました。Amazonで翌日には自宅に。ユニクロにも種類豊富に揃っていましたし、人によっては動きやすい普段着で街を走っている人も」

初心者でもランキングウェアを買わなきゃダメ?

ランニングを始めたばかりの初心者であれば、ウェアを無理に買いそろえる必要はありません。

夏は、ポリエステル素材のTシャツ、短パン。冬はこれに薄手の動きやすい上着、化繊のジャージなどスポーツウェアや運動着に変わるものであれば十分です。

ランニングを継続できるようになったら購入を検討するとよいでしょう。

ランニング初心者向きのシューズは? 走りやすい靴の選び方

ランニング初心者でも、走る専用のランニングシューズを履くべきか。それとも、短い距離なら手持ちのスニーカーでもいいのか。

多くのスポーツメーカーから、消費者のニーズに合わせて多種多様なシューズが販売されているため、どのシューズがいいのかわからない方も多いと思います。

ここではシューズ選びのポイントを紹介しましょう。

一番大切なポイントは「サイズ」

サイズの合っていないシューズは怪我に繋がる可能性が大きいため、新たに購入することをおすすめします。

正しいサイズを選ぶポイントは、以下の通りです。

  • 足長(縦のサイズ):シューズの後ろに踵を合わせてから、つま先に約1cmほどゆとりがあるとよいでしょう。
  • 足幅(横のサイズ):こちらは人によって差があります。幅が広めに作られているワイドタイプのシューズもありますので、普通のシューズでは窮屈さを感じる方は、ワイドタイプを選ぶとよいでしょう。

店舗に足を運んで試し履きをしてみましょう。同じサイズのシューズでも、足を入れてみると大きさが異なることもあります。

ランニング初心者の編集部員
「店内で少し走ってみるのもオススメです。早歩きしてみて、擦れやなじみやすさをチェックしている人も多く見られます」

クッション性と安定性があるものを選ぶ

二つ目のポイントとして、初心者はクッション性と安定性があるものを選ぶとよいでしょう。

クッション性があることで地面からの衝撃を軽減し、身体への負担を軽くすることが期待できます。半面、クッション性が大きいシューズは安定性が悪く、ぐらつきやすく関節のケガの原因になるため、適度な硬さがあるものを選びましょう。

ランニング初心者の編集部員
「ウェアとお揃いのナイキにしました」

ランニング初心者に適した「距離」。何キロから始めればいい?

ランニングは想像以上に身体に負担がかかります。一歩を踏み出すごとに膝には体重の4~5倍もの負荷がかかり、それを何度も繰り返すことになります。無理に走りすぎてしまうと簡単に怪我に繋がってしまうのです。

では、初心者に適した「距離」はどのくらいなのでしょうか。

まずは3km!

まずは目安として【3km】走り切ることを目標にしてみましょう。

1kmあたり10分のペースで走ると、30分間の運動になります。有酸素運動は20分継続すると脂質をエネルギーに変えるスピードが早まると言われているので、ダイエット効果を期待したい人は30分間が目安になります。

休みながらでもOK

とはいえ、最初から3kmを走りきる必要はありません。走ってみてつらかったら途中歩き、また少し落ち着いたら走り出す。

このようにウォーキングを入れながらでも始めましょう。こうして走れる距離を無理なく少しずつ増やしていきます。

何km走ったか測ることができない場合、走る前に道のりの距離を調べ、目的地を設定しランニングコースを考えてみましょう。いつも通り道が少し違うし景色に見えて新鮮な気持ちになれます。

ランニング初心者の編集部員
「『キョリ測』など、コースと距離を設定できるアプリもたくさんあります」

 

今日はここまで来れた、次はここまで行ってみようとどんどん走れる距離も伸びて、いつしか「こんなに走ることができた!」と達成感にも繋がるでしょう。

初めはとにかく無理せず、少しずつ走れる距離を伸ばしていくことが大切です。気軽に短い距離から始めましょう。

ランニング初心者に適した「ペース」とは。どのくらいの速さで走るのがいい?

1kmあたり【8分】が目安 

まずは、息が上がることなく会話ができる程度の、心地よく走れるペースから始めましょう。具体的にペース設定をしたい場合は、1kmあたり【8分】で走ることがおすすめです。

「サブ5」を目指そう!

初心者がまず目標にするとよいのは、フルマラソンの【サブ5】です。【サブ5】とは、1kmあたり6分50秒~7分のペースで走ることを指します。

1kmあたり8分の場合、フルマラソンで5時間37分34秒です。まず、1km8分のペースからはじめて少しずつペースを上げていけば、1kmあたり7分ペース可能となり、サブ5達成が具体的にイメージできます。

持久走=しんどい、苦しいなどといったマイナスなイメージを持つ方が多いかと思いますが、まずはそれを払拭しましょう。

走ってるときは楽しく、走り終わってからは達成感や爽快感を感じる。ランニング=楽しいと感じられることが大切です。

ランニングに適した「時間帯」や「タイミング」。いつ走るのがオススメ?

ランニングに適した時間帯は朝がおすすめです。

起床後30~40分ほど経つと基礎体温が上がります。そのタイミングで走り出してみましょう。理由としては、脂肪燃率が高いことが挙げられます。

起床時は体内の血糖値が低く、エネルギーも少ないため、糖質と脂質をエネルギーに変えやすいタイミングです。効率的に脂肪燃焼が可能となります。

また朝早く起きることで、規則正しい生活リズムが期待できます。

夜ランの場合、練習や睡眠の質を上げるメリット

夜ランニングは、朝に比べて身体も動きやすく、強度の高い練習をしやすい、睡眠の質が上がるといった効果も期待できます。

しかし、時間の確保が難しかったり、急な予定が入ってしまうことが多く、継続が難しいデメリットも。

朝は予定が大きく変わることも少なく継続しやすいので、生活リズムや目的に合わせて続けやすい時間帯に走るようにしましょう。

ランニング初心者の編集部員
「夜は視界不良や治安上の危険性を避けるため、ランナーの多い大通りを走るようにしていました。が、やはり休日や通勤時を利用した朝ランが続けやすかったです」

夜ランニングには危険がたくさん。夜間に走るランナーが覚えておきたいこと

初心者向けのランニングメニュー! まずはこの流れがオススメ

ステップ1 ウォーミングアップ代わりの早歩き5~7分

走る前に、まずはウォーキングから始めましょう。

少しずつペースを上げて、汗ばむぐらいまでのペースでウォーキングを約5~7分ほどから始めます。体温を少し上げるだけでも怪我の予防につながります。

ステップ2 できる範囲で30分走ってみる

慣れてきたら少しずつ走り出し、まずは30分間走り続けられることを目標にしましょう。

ステップ3 息を整えながら5分歩く

クールダウンとして、ゆっくり息を整えながら5分ほど歩きましょう。

このメニューの場合、40~50分ほどかかります。そこまで時間が確保できない方は、各パートの時間を少しずつ短くします。

時間がないからといってウォーミングアップやクールダウンをおろそかにしてはいけません。怪我をしないためにも、ケアはランニングと同じぐらい大切です。

お風呂上がりのストレッチもおすすめです。日常の疲れが取れ、いい走りを継続することに大きく貢献してくれます。初心者はとにかく楽しく、継続できることが大切なのです。

ランニング後の疲れをほぐす、筋肉の部位別ストレッチ

初心者のためのランニングの注意点。このポイントは絶対に守ってほしい

ランニング初心者さんは、以下の注意点を守るようにしてください。

注意点1 ウォーミングアップとクールダウンは怠らない

ランニングはただ走ればいいわけではありません。安全に走るためには、ウォーミングアップとクールダウンを必ず行い、ケガを予防しましょう。

ウォーミングアップの効果

  • 筋肉を温めて柔軟性を高める
  • 関節の可動域を拡大し、柔軟性を高める
  • 心拍数と呼吸数を高め、酸素と栄養を全身に供給させる

クールダウンの効果

  • 心拍数と呼吸数を安定させ、心臓への負担を軽減する
  • 筋疲労や筋酸痛の軽減

注意点2 水分補給はこまめに行う

ランニング中は多量の汗をかくため、体が脱水状態になってしまうことがあります。そのため、ランニング前後にはコップ1杯程度の水分を摂るようにしましょう。

水分補給には以下がおすすめです。

  • スポーツドリンク
  • ノンカフェインのお茶(麦茶など)

水分補給は喉が渇いてからではなく、「乾く前に飲む」ことを意識してください。そうすることで、脱水状態を防げます。

【運動中の水分補給】脱水症状を防ぐ水の飲み方とは

ランニング初心者の編集部員
「水を持っていきます。走って零れても問題ないため。ボトルはプロテインシェイカーで代用しています」

注意点3 いきなり長距離は走らない

ランニング初心者がいきなり長距離で走ると、以下のような危険性が生じます。

  • 怪我
  • 過度な疲労の蓄積
  • 心臓や血管に負担がかかる

初心者はまず無理のないゆったりとしたペースで、楽しんで走ることを意識しましょう。

注意点4 コース設定は「平地が多い、トイレあり、歩道」を意識 

コース設定で気をつけることは、以下の通りです。

  • なるべく平地が多い道
  • コース途中にトイレ休憩ができるポイントを入れる
  • 安全である(歩道が確保されてる道など)

意外と見落としがちではありますが、走り出してみると坂でペースが乱れてしまい思うように走れない、トイレに行きたくなったのにどこにトイレがあるかわからなくて困ってしまう、後ろから来る車や自転車が多くて安心して走れないなど、さまざまなことが想定できます。

それらを防ぐために、上記3つのポイントを抑えてコース設定をしてみてください。

注意5 正しいランニングフォームで走る

ランニングは同じ動作を繰り返します。5km走った場合では、片足で約2500回接地します。

間違ったランニングフォームで走ると、間違った動作を片足で2500回繰り返すことになり、簡単にケガにつながることは容易に想像できるでしょう。

そのためにも、以下を意識することが重要です。

  • 視線はできるだけ遠くに、下を見ない
  • 膝から下は脱力、股関節で足を動かす意識をもつ
  • その場で走る動作を数回行い、体軸を倒すようにして走りだす
  • 肘をまっすぐ後ろに引き、腕を振る。その際、肩は後ろに引かない
  • 地面を蹴る、押す、弾む感覚は不要
  • 足は接地する意識ではなく、接地後すぐに上げる意識を強く持つ
  • 腹筋、背筋を伸ばす意識で
  • 頭が前に出ないように意識する
  • 最初は歩幅をできるだけ短く、細かく足を動かす意識で(歩幅が大きいと、着地衝撃が大きくなりケガにつながりやすくなります)

【専門家監修】正しいランニングフォームを動画でチェック!初心者にもやさしい走り方&準備運動

 「ランニングするのが恥ずかしい」を克服するには

最後に、ランニングを始める人あるあるな悩み。

「走っている姿を見られるのが恥ずかしい」「初心者だからこそ周りの目が気になる」などといった理由で、外でランニングするのが恥ずかしいという人は少なくありません。

そんな恥ずかしがり屋のランニング初心者さんは、以下の対処法を試してみてください。

克服方法1 音楽を聴きながら走る

イヤフォンで音楽やラジオなどを聴きながら走れば、周囲が気にならなくなり、恥ずかしいという気持ちが薄れるます。

ただし、完全に耳を塞いでしまい、ノイズキャンセリング機能のあるイヤフォンは周囲の音が聞こえず危険ですので、避けてください。骨伝導イヤフォンがおすすめです。

横断時や自転車の通りが多い場所では、周りの状況を把握できるようにしてください。安全が最優先です。

安全にランニングするための対策

  • 片耳だけイヤフォンをつける
  • 音楽やラジオの音量を小さめにする
  • ノイズキャンセリング機能は使用しない

克服方法2 ランナーが多い場所を走る

ランナーが多い場所を選べば、「自分だけ走っていて恥ずかしい」という気持ちはなくなるでしょう。以下の場所などは走っている人が多い傾向があります。

  • 大きい公園
  • 陸上競技場などの公共運動施設
  • 川沿い
  • 海沿い

ランニング初心者の編集部員
「街中でも、ランナーがよく走っている大通りがあります。また、都内なら皇居や隅田川沿い、多摩川沿いなどはいつもランナーがいるので安心です。東京タワー周辺、虎ノ門エリアもランニングチームをよく見かけますし、渋谷から六本木に向かう六本木通り、渋谷から広尾方面に向かう明治通りなども街ランをする人が常時見られました」

克服方法3 時間帯を選ぶ

早朝や夜は、一般的に人が少なく、比較的静かな環境であることが多いです。人通りが少ないため、恥ずかしがり屋さんでも堂々と走れるでしょう。

克服方法4 誰かと一緒に走る

友人や家族と一緒に走れば、他人の目を気にしにくくなるでしょう。

また、誰かと一緒に走ることで、ランニングの楽しさや苦しさを共有でき、継続しやすいというメリットもあります。

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監修者プロフィール

長島実桜(ながしま・みお)

藍整会なか整形外科所属、社会人トライアスリート。

【経歴】
幼少期から中学生まで競泳選手として活動。高校からトライアスロンに転向。山梨学院高等学院に通いながら、トライアスロンのトップチームに所属。高校卒業後、同志社大学入学を機に京都に拠点を移し同志社大学トライアスロン部に所属。現在なか整形外科の職員として働きながら社会人アスリートとしてオリンピックを目指して活動中。

2017  全国高校生大会 3位
2018  U19アジアトライアスロン選手権 5位
2020  日本学生トライアスロン選手権 8位
2022  日本学生トライアスロン選手権団体 2位
2023  日本トライアスロン選手権 出場
2023  国民体育大会 京都府代表

医療法人藍整会 なか整形外科
京都北野本院 https://www.naka-seikei.com
京都西院リハビリテーションクリニック https://nakaseikei.com

<Text:編集部>