
「水はこまめに少量飲む」が効果的!運動中の脱水症状を防ぐ、水分補給のポイント (2/2)
運動時はスポーツドリンクのほうがいい?
水分補給といっても水やお茶、スポーツドリンクなどさまざまな飲み物があります。はたして、種類によって効果は変わるのでしょうか。
大量に汗をかくような運動時はスポーツドリンク
運動中は多量の汗が体外へ出ていくことによって、脱水状態になります。汗には水分の他に電解質(ナトリウムなど)が含まれており、水分だけでなくこの電解質も摂取することが必要です。
水やお茶などの電解質が含まれていないものを摂取した場合、体内にある電解質の濃度が薄くなります。
そうすると電解質の不足により筋肉の収縮がスムーズ行われず、足がつるなどの症状が出ることがあるため、大量に汗をかくような運動時は、電解質が含まれているスポーツドリンクなどを摂取するほうが効果的です。
スポーツドリンクには、“アイソトニック飲料”や“ハイポトニック飲料”という種類があります。
夏場の大量に汗が出るような環境では水分補給がより早いハイポトニック飲料を、それほど多くの汗が出ない環境であれば、運動中のエネルギー補給にもなるアイソトニック飲料を選ぶとよいでしょう。
なぜ水分補給は重要なのか。カラダと水分の関係
人間のカラダは約60~70%が水分でできています。
体内の水分をたった2%喪失しただけで、のどの渇きを覚え、4%喪失すると明らかにカラダに異変を感じます。それほど水分は重要なものなのです。
なお、摂取した水分は体内に吸収され、体液として以下のようにさまざまな役割を果たしています。
1.体温調整の役割
運動中に高まった体温は、発汗により調整をしています。水分が不足すると、汗が出なくなって体温がどんどん上昇。結果、生命に危険を及ぼすこともある、これが脱水症状です。
夏場は熱中症の危険から、運動中に水分補給を意識的に行うことが多いことでしょう。対して冬は寒さによって水分を摂取する頻度が低いため、意識的に水分補給を行う必要があります。
2.代謝をスムーズに行う役割
体液は酸素をはじめ、栄養素などを全身に運搬する働きを持っています。また、体内で作られた老廃物を体外へ排出するという重要な役割も果たしています。
水分の摂取量が不足すると、体内での水分バランスをとるため体外へ排出される水分が制限されます。
そうすると、老廃物を除去することができなくなってしまうため、1日を通してしっかり水分を摂取することが必要です。
汗をかいていなくても水分は失われていく
脱水症状について知っていても、「自分はならないだろう」と思っている方が多いものです。
しかし運動中は汗を大量にかいていなくても、体内の水分が急速に失われています。のどが渇いている時点で脱水症状が始まっているのです。
脱水症状は最悪の場合、命にかかわることもあります。運動中はもちろん、日頃からこまめな水分補給を心がけるように習慣づけておきましょう。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴16年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガの知識も豊富でリハビリ指導も行っている。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。運営協力メディア「#トレラブ(https://tr-lv.com/)」などで多くの執筆・監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信している。日本トレーニング指導者協会 JATI-ATI
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<Text:和田拓巳>