
ウェルネスフード
2025年3月13日
花粉症悪化のリスクが高い「意外な食べ物」とは (2/2)
腸内環境を整えるおすすめ食材は「もち麦」
内藤先生:「発酵性食物繊維」を積極的に摂取すると良いでしょう。腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きのある食物繊維です。
発酵性食物繊維は、腸内細菌によって発酵され、酪酸などの短鎖脂肪酸を生成します。この短鎖脂肪酸が腸内環境を整え、免疫機能のバランスを保つ上で重要な役割を果たしているのです。
日ごろから手軽に摂れる食材ですと、たとえば「もち麦」。βグルカンというタイプの発酵性食物繊維を豊富に含んでいるのでオススメです。
白米と一緒に炊いて手軽に摂れますし、クセが無くぷちぷちとして美味しいですからね。
内藤先生:酪酸は腸内環境を整える上で非常に重要な物質です。
腸内を弱酸性に保ち、有益な細菌が住みやすい環境を作るだけでなく、腸管の粘膜バリア機能を強化し、有害物質の侵入を防ぐ働きもあります。
さらに、過剰な免疫反応を抑制する「制御性T細胞」を増やすことで、アレルギーを抑制する効果も期待できるのです。
「制御性T細胞」は、加齢とともに機能が低下し、40代で活動がピーク時の半分にまで減少するという研究結果もあるほどです。年を取るとともに花粉に対する免疫応答のバランスが崩れ、花粉症の症状が悪化する可能性があるというわけです。
プロフィール
内藤裕二先生
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学 教授。消化器病学の専門家として最先端の研究を行う傍ら、臨床の場で30年以上にわたり5万人以上を診察。長寿腸内細菌として知られるようになった「酪酸菌」研究の第一人者としても知られる。
<Edit:編集部>
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