「自律神経が乱れている人の顔つき」とは?自律神経失調症で見られる表情の特徴 (3/3)
自律神経以外も! 顔つきや表情に影響を与える要因と対処方法
自律神経失調症と似た顔つきの変化を引き起こす原因は他にもたくさんあります。ここでは、自律神経失調症以外で、顔つき・表情に影響を与える習慣や、要因をご紹介します。
睡眠不足・脱水・低血糖でも似た顔つきになる
もっとも見落とされがちなのが、基本的な生活習慣の問題です。
睡眠不足が続くと、目の下のクマ、むくみ、無表情、反応の遅さなど、自律神経失調症と非常に似た顔つきになります。
また、水分摂取が不足していると、肌のハリが失われ、くすみや乾燥が目立ちます。
低血糖状態も要注意。食事を抜いたり、糖質制限が過度だったりすると、顔色が悪くなり、集中力の低下とともに無表情になりやすいのです。
まずは、十分な睡眠時間(7〜8時間)、適切な水分摂取(1日1.5〜2リットル程度)、規則正しい食事ができているか、振り返ってみましょう。これらを改善するだけで顔つきが変わることも少なくありません。
貧血・甲状腺・薬の副作用など身体の要因
顔色の悪さやむくみ、倦怠感は、貧血や甲状腺機能の異常でも起こります。
特に女性に多い鉄欠乏性貧血では、顔が蒼白になり、まぶたの裏が白っぽくなります。また、甲状腺機能低下症では、顔のむくみ、無表情、眉毛の外側が薄くなるといった特徴が現れます。
服用している薬の副作用で、顔のむくみや表情の変化が起こることもあります。抗うつ薬、ステロイド、血圧の薬などは、とくに影響が出やすいとされています。
慢性的な体調不良を感じている場合は、血液検査など基本的な健康チェックを受けることをおすすめします。
不安や落ち込みなど心の状態の影響
うつ病や不安障害など、心の状態も顔つきに大きく影響します。
気分の落ち込みが続くと、表情筋の動きが減り、無表情になりやすくなります。また、慢性的な不安は、眉間のしわや口角の下がり、緊張した表情として現れます。
自律神経失調症と心の問題は密接に関連していることも多く、明確に区別できないケースもあります。体の症状だけでなく、気分の変化や興味の喪失、意欲の低下などがある場合は、心療内科や精神科の受診も検討しましょう。
心と体は別々のものではなく、互いに影響し合っているのです。
アレルギー・発熱・炎症によるむくみや紅潮
季節性のアレルギーや花粉症でも、顔のむくみ、赤み、目の腫れなどが起こります。
また、風邪や感染症による発熱では、顔が赤くなったり、逆に青白くなったりします。副鼻腔炎などの炎症があると、顔の特定部位が腫れぼったくなることも。
肌荒れや湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化も、顔の印象を大きく変える要因です。顔の赤みやむくみが気になる場合は、アレルギーや皮膚の問題がないか確認してみましょう。
「いつから・どれくらい」期間と頻度を記録しましょう
原因を見極めるために最も重要なのが、記録をつけることです。
いつから顔つきの変化を感じるようになったか、どのような時に症状が強くなるか、どれくらいの頻度で起こるか――こうした情報を記録しておくと、医療機関を受診する際にも非常に役立ちます。
スマートフォンで毎日同じ時間に顔写真を撮っておくのも有効です。自分では気づきにくい微妙な変化も、写真で見比べると明確になることがあります。

また、体調や気分、睡眠時間、食事内容、ストレスの程度なども一緒に記録すると、顔つきの変化との関連性が見えてくるかもしれません。
顔つきの変化は、体からの大切なメッセージです。自律神経の乱れが原因であれ、他の要因であれ、それは「今の生活習慣や健康状態を見直してほしい」というサインなのです。
気になる症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することをおすすめします。内科、心療内科、精神科など、症状に応じて適切な診療科を選びましょう。
そして何より大切なのは、自分の体と心の声に耳を傾けること。無理をせず、休息を取り、必要なケアを受けることで、表情も心も少しずつ明るさを取り戻していくはずです。
専門家のイチオシ! 自律神経を整える「もっともオススメの方法」とは
長く息を吐く
緊張して交感神経が優位な状態では、多くの方が胸だけの浅い呼吸・胸式呼吸をしています。
吸ったときにしっかりおへそ下の下腹が膨らむような腹式呼吸で、吸うときよりもゆっくり時間をかけて吐くことを意識するだけで、緊張が柔らいできます。

3秒で吸って6秒で吐くように1対2で、ゆっくりと吐きましょう。
その吐くときに、抱えている不安やイライラなどの余計な気持ちも一緒に体から出し切るイメージで呼吸をすると、自律神経を整えるのに効果的です。
監修者プロフィール
沢岻美奈子女性医療クリニック院長 沢岻 美奈子
日本産科婦人科学会専門医。子宮がん検診や乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を数多く行なっている。更年期での病院受診のハードルが下がるように、受診しやすいクリニック作りとしてインスタグラムでも情報発信中。
公式サイト https://takushiclinic.jp
<Text:外薗拓 Edit:編集部>


自分でできる自律神経チェック!専門家監修








