ウェルネスフード
2023年8月31日

「MCT(中鎖脂肪酸)オイル」にはどんな効果や働きがあるのか。業界大手の日清オイリオグループを取材した (2/2)

持久力アップと疲労回復のスピードアップが期待できるかも

日清オイリオグループでは、MCT利用の価値について、アスリートを対象とした研究も進めています。プロサッカー選手にMCTオイルを3カ月間摂取してもらい、体調の変化をアンケートした調査では、「体のキレ」「運動後の疲労感」「疲労回復のスピード」の3項目で有意な変化が見られています。

●プロサッカー選手におけるMCTの継続摂取が体調におよぼす影響について

▲提供:日清オイリオグループ株式会社

この結果から、MCTオイルを続けて摂ることで、長い時間の運動においてより疲れにくく、さらに運動後の疲労回復のスピードが上がるなど、体調の向上によい影響を与える可能性が期待できます。

また、タイムの速いグループとタイムの遅いグループに分けて行った市民ランナー67人を対象としたアンケートでは、タイムの遅いグループで持久力アップを体感できたという結果が出たとのこと。まだ伸びしろがあるランナーにとっては、MCTオイルの摂取によって持久力アップが期待できる可能性も見えているといえるかもしれません。

「脂質エネルギーへの依存度が高い体になれば、長時間の運動でも後半にエネルギー不足に陥ることがありません。そういった意味では、100kmのウルトラマラソンやトライアスロンなどの持久系のスポーツ、サッカーなどでは長時間動き続ける必要のあるポジションの選手にMCTの利用価値があるのではないでしょうか」(渡邉さん)

日常生活のなかにMCTオイルをプラスする

MCTは継続して摂取することで体質を変えることが大切なので、日常生活のなかで習慣化できるような摂り方が理想的です。

MCTオイルは、無味無臭で無色透明。食材にそのままかけたり、混ぜたりして摂取できます。コーヒーや味噌汁などの飲み物に入れたり、サラダにかけたり、ご飯に炊き込んでもOKです。他の食材の風味を損なわないのがMCTオイルの特長です。

ただし、直接火にかけて加熱するのは絶対にNG。発煙点が低いので、フライパンで熱すると150~160度ぐらいで煙が出たり、それ以上加熱すると引火する可能性もあります。できあがった炒め物にかけるのはOKです。

味も匂いもしないとなると、量の加減が難しいかもしれません。脂肪を燃焼させるとはいえカロリーはあります。摂りすぎれば燃焼した分と相殺されてしまい、それ以上になれば結局体内に蓄積されてしまうことに。

「実験では1日に小さじ1杯ちょっと(6グラム)で代謝が変わるスイッチが入るということがわかっています。油なので摂りすぎるとお腹がゆるくなってしまうことがありますので、最初は小さじ一杯(4.6グラム)ぐらいから始めてください」(長門石さん)

市販されているMCTにはオイルタイプのほか、パウダータイプやゼリータイプのものもあります。パウダータイプはオイルよりも水に溶けやすいので、スポーツドリンクに混ぜて飲んでもいいですし、筋トレ後にプロテインを飲んでいる場合はそこにパウダータイプをプラスすれば、日々のルーティンにMCTを取り入れることができそうです。

ゼリータイプは携行に便利なスティックタイプになっているので、レース中の栄養補給にぴったりです。ウルトラマラソンやトレイルラン、トライアスロンなどのレース中に少量ずつ食べると、グリコーゲンの消費を節約することができます。ゼリータイプはヨーグルトなどの味がついているなど、食べやすくなっています。

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また、MCTは激しい運動による疲れで体が食事を受け付けなくなったときの栄養補給としても最適です。

「部活の後など、疲れすぎて食欲がなくなる子が多いですが、成長期はそれでもエネルギー補給のために食べなくてはなりません。そんなときにMCTを食べものや飲みものにプラスしてあげれば、無理に食事の量を増やす必要がありません。お子さんの弁当のおかずにMCTを混ぜて持たせるのもおすすめです」(渡邉さん)

▲提供:日清オイリオグループ株式会社

普段口にするものにひと足しするだけで、無理なく簡単にアスリートのパフォーマンスアップをサポートしてくれる可能性のあるMCT。ぜひ日頃の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

<Text & Photo:丸山美紀(アート・サプライ)>

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