なぜ有酸素運動はダイエットに効果的なのか。脂肪燃焼のメカニズムとは (1/2)
体脂肪を減らして痩せるためには「有酸素運動」が効果的。
もはや常識でもあり、皆さんもご存知でしょう。しかし「有酸素運動って、どんな運動のこと?」と聞かれれば、ウォーキングやランニングなどは思い浮かぶものの、そのほかは詳しく答えられない方が多いかもしれません。
こでは、そんな有酸素運動の基礎知識を解説します。有酸素運動とは何なのか、無酸素運動との違い、運動効果をきちんと出すためのポイントを学んでみましょう。
「有酸素運動」と「無酸素運動」の違いとは
運動は、大きく分けると「有酸素運動」と「無酸素運動」の2つがあります。有酸素運動にはウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクスなど、無酸素運動には重量挙げや短距離走、ウエイトトレーニングなどが挙げられます。
では、有酸素運動と無酸素運動は何を基準に分かれるのでしょうか。呼吸しながら行う運動が有酸素運動、呼吸せずに行う運動が無酸素運動とイメージするかもしれませんが、そうではありません。
無酸素運動の特徴
エネルギー代謝において酸素を利用しない
カラダを動かすためにはエネルギーが必要です。エネルギー物質であるATP(アデノシン三リン酸)は体内に貯めておくことができないうえ、数秒間で枯渇します。そのため、その他のエネルギー源を使いながらATPを再合成し、生成し続ける必要があるのです。
有酸素運動と無酸素運動の違いは、運動中にカラダを動かすエネルギー物質であるATPを作り出す過程において、酸素を使うか使わないかということで分けられます。
短時間しかエネルギーが持たない
筋肉内にあるATPを消費して行う運動や、体内のグリコーゲンを使い消費されたATPを新たに作り出してカラダを動かすものが無酸素運動です。
しかし筋肉内にあるATPは7秒ほどで消費され、グリコーゲンを使ってATPを生成しても30秒程度で使いきってしまうなど、短時間しかエネルギーが持ちません。
これら2つのエネルギー代謝は、ATPを作り出す過程において酸素が不要です。
有酸素運動の特徴
長時間エネルギーを生み出しながら行う
一方で有酸素運動は、エネルギーを作り出す際に酸素を利用します。エネルギーを生み出す材料は脂肪です。正確にいうと、運動開始直後は血中にある脂肪酸がエネルギーとして使われます。
血中の脂肪酸が少なくなってくると、カラダに蓄積されている体脂肪が分解され、脂肪酸に変化。そして血中に流れ込むというサイクルでATPを生成し続けます。
有酸素運動が体脂肪の減少に効果的であるといわれるのは、このエネルギー代謝によって脂肪が燃焼されるためなのです。
なぜ有酸素運動が脂肪燃焼に効果的なのか
有酸素運動は脂肪をエネルギーとして消費するほか、運動を長時間続けることができるという点も、ダイエットに適している理由でしょう。
有酸素運動で使われるエネルギーは、体内に多く蓄積されている脂肪です。そのため、無酸素運動に比べより多くのATPを作り出すことができ、エネルギー切れを起こすことなく長時間動き続けることができます。
どんなにハードな運動でも、短時間しか行わなければエネルギーはほとんど消費されません。長時間行うことによって消費エネルギーが増え、脂肪燃焼につながるのです。
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