プランク効果を“最大限に”引き出すやり方。何日目から変化が出る?毎日やるとどうなる?
体幹トレーニング「プランク」は初心者でも取り組みやすい簡単なエクササイズですが、その効果は大きく、腹部を中心に全身を鍛えることができるエクササイズです。
今回は、プランクの効果や、効果をMAXに引き出すための意識したいポイントを解説していきます。
<このページの内容>
プランクは姿勢がもっとも重要! 効果を出すには時間よりも正しいフォーム
プランクの効果を最大限引き出すには、実施時間よりも正しいフォームで行うことの方が重要です。
もし長時間できるのであれば、フォームが間違っていないか、一度確認することをおすすめします。
また、長時間行えるようであれば、負荷を増やしたやり方に変更したほうが、効果を実感することができるでしょう。
では、プランクの正しいフォームとやり方とは。
プランクの正しいやり方
プランクの基本のポーズ(やり方)
1.うつ伏せになり、肘とつま先を床につけます。この時、両肘は肩の真下に、脚は膝をまっすぐ伸ばし、腰幅に開いておきます。
2.前腕部とつま先で支えるように、体を床から浮かせます。この時、頭・肩・腰・膝・カカトが一直線になるように姿勢を整えます。
3.体の一直線を保ったまま、姿勢をキープします。
プランク効果を最大限に引き出すチェックポイント
体は1本の棒のようになっているか
プランクでよくありがちな間違いには、以下などがあります。
- 腰が曲がっている
- 顔が上がっている・下がっている
- 左右どちらかに重心がかかっている
間違ったフォームで行うと負荷が逃げてしまい、効果が低下しやすいので注意しましょう。
「20秒もキープできない」プランクがキツイと感じたときのアドバイス
筋トレ初心者の中には「20秒もキープできない……」という人もいるでしょう。短い時間しかできないから効果が低い、と考えている人もいるかもしれません。
でも大丈夫。きついと感じているのであれば、しっかり刺激されている証拠です。20秒でも問題ないのです。
長時間のプランクが効果的なわけではない
そもそも、プランクは長時間行えば効果的である、というエクササイズではありません。
正直なところ、1分も2分も行えるやり方は、おすすめしません。長時間行えるということは、負荷が低すぎる、フォームが間違っているなどの理由が考えられるからです。
個人的には、腹筋を最大限意識して行えば、10秒でも限界を迎えることができます。
時間を気にするのではなく、筋肉への意識ができているか、正しいフォームでできているかを気にしましょう。
プランクはどれくらいやればいい?回数と時間
まず20秒キープしよう! プランクの回数と時間
プランクの実施回数の目安は、20秒キープ×3セット。しっかりフォームをチェックしながら行いましょう。
プランクで意識するポイントは「体を一直線にする」こと
キープ中は、体の一直線が保たれているかどうかを確認しながら行いましょう。また、腹筋やお尻、肩まわりなどに力を入れるように意識することで、負荷が高まります。
プランクを毎日やるとどうなる? やりすぎのデメリット
プランクは毎日やっていい
プランクは毎日行っても問題ありません。自重のみの負荷のため、大きい負荷はかからず、オーバーワークになる心配はないでしょう。
プランクはメインとなる種目ではありません。そのため毎回のトレーニングの際に、ほかのエクササイズと合わせて行うと効果的です。
メインとなるエクササイズによって引き起こされる、筋肉のバランスの崩れを整えることができます。
筋肉痛になった場合は休むか他の部位を鍛えよう
ただ、初めてプランクに取り組むことで、肩まわりやお腹まわり、太ももなどに筋肉痛が出ることがあります。
その場合は、ほかの筋トレ同様、筋肉痛が収まるまで回復を待つ必要があります。
プランクは何日目から効果が実感できる?
プランクを継続して行うと、1週間程度ですぐに効果を実感することができます。まず感じるのが、当初よりも長い時間キープできる、辛さが少なくなったなどの、筋力向上の効果です。
その後、続けて行うことで体の見た目の変化も現れるでしょう。
ただ、プランクだけでバキバキの体を作り上げることはできません。ほかの筋トレや有酸素運動と組み合わせながら行うようにしましょう。
プランクだけではお腹痩せできない!
お腹を痩せさせるためにプランクを行うという情報が多く出回っていますが、実際のところ、プランクだけでは、お腹痩せはできません。
お腹痩せのためには、お腹についた体脂肪を減らすのが最善策です。プランクは、脂肪燃焼効果は高くはありません。やはり有酸素運動が一番なのです。
お腹痩せを目指すなら、プランクと有酸素運動を組み合わせるようにしましょう。
腹筋を割りたい場合、プランクは有効
ただ、プランクも行い、腹筋群を鍛えておくことで、体脂肪が減った際にメリハリあるシックスパックを作ることにもつながります。
体幹トレーニング「プランク」の効果とは
最後に、プランクが持つさまざまな効果を再確認していきましょう。
姿勢や見た目が良くなる
プランクは体幹部を中心に、全身を刺激することができるエクササイズです。体幹部、特に腹筋群が鍛えられることによって姿勢が良くなり、見た目を変えることができます。
姿勢の維持には、体幹部の筋力が重要です。腰部の筋肉は常に力を発揮して重力に対抗し、腹筋は腹圧を高めて腰部の筋肉の負担を減らすことで、姿勢を保つことに役立っています。
また、ポッコリお腹、たるんだ胸、筋肉のメリハリがない背中などを引き締め、かっこいい体を作り上げることができます。
スポーツパフォーマンスの向上
全身を同時に刺激し、筋肉の協調性を高めることができるプランクは、スポーツパフォーマンスの向上にもつながります。
どんなスポーツも、全身の力の伝達を経て、パフォーマンスとして現れます。野球のピッチングも、サッカーのシュートも、バスケットボールのジャンプも、地面からの反動で生み出された力から始まります。
筋肉の協調性が低かったり体幹が弱かったりすることで、体内での力の伝達がうまく行われず、せっかく生み出したパワーを大幅にロスしてしまいます。
これは日常生活でも同じことが言えます。重いものを持ち上げるとき、階段を駆け上がるとき、走り出すときなど、スポーツ同様、力の伝達がうまくいくことで、強い力を発揮できる、素早く動くことができるのです。
バランス感覚の向上
プランクを行うことで、体の安定性を高めることができます。
体幹部の筋力が強くなると、体の軸が安定し体勢を崩しにくくなる、体勢を崩しても瞬時に立て直すことができるようになるなど、バランス感覚が向上するのです。
バランス感覚には、関節まわりなど深部にある小さな筋肉が重要な役割を果たしています。インナーマッスルと呼ばれる小さい深部にある筋肉は、関節の動きを固定するための働きを担っています。
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インナーマッスルが弱いと、どんなデメリットがあるか
インナーマッスルの筋力が低くなると、関節を固定する力が弱くなって体がぶれやすくなり、バランス能力が低下してしまうのです。
プランクではインナーマッスルを効率よく刺激することができ、体の安定性の向上につながります。
バランス感覚の向上はスポーツ競技だけでなく、電車に乗った時の急停車や、片足立ちになる、つまづいた際など、日常生活に起こる不安定な場面でも体を守ってくれます。
疲れにくくなる・腰痛の予防改善
プランクを行うことで、腹筋と背筋のバランスを整え、腰痛を防ぐことができます。また、腹筋群が強化されることで腹圧を高め、腰部への負担も減らします。
体幹部だけでなく関節周りの筋肉も鍛えられるため、重いものを持ち上げる、荷物を運ぶなどの大きい力を発揮する場面はもちろん、日常生活のさまざまな場面で疲れにくくなることにつながります。
プランクはどこに一番効くのか? プランクで鍛えられる主な筋肉部位
プランクを行うことでどの部分が鍛えられるのでしょうか。ここではプランクで鍛えられる主な筋肉を紹介していきます。
お腹の筋肉「腹直筋」
腹直筋は、腹部の正面についていてもっとも表層にある筋肉です。シックスパックの筋肉としても知られています。
お腹の奥の筋肉「腹横筋」
腹横筋は、腹部をぐるっとコルセットのように覆っている筋肉で、深部にあり、体の安定性に大きくかかわっている筋肉です。
腕の付け根~肩の筋肉「三角筋」
三角筋は、腕の付け根、肩の部分の盛り上がった筋肉です。肩関節の動きや安定性に関わっています。
背中の筋肉「脊柱起立筋」
脊柱起立筋は、首から腰にかけて背骨の両側に付着している筋肉です。背中を反らす、体を横に倒す動きのほか、重力に対抗する力を発揮して背骨を支えています。
お尻の筋肉「大臀筋」
大臀筋は、お尻の表面に付着している大きな筋肉で、股関節の動きにかかかっています。
太ももの表側の筋肉「大腿四頭筋」
大腿四頭筋は、太ももの表側に付着している筋肉で、膝を伸ばす、股関節を曲げるときに力を発揮します。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。
2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。
Official site : https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
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<Text:和田拓巳/Edit:編集部>