インタビュー
2017年11月24日

ギネス世界記録を次々ゲット。縄跳びに人生を賭けてハマった男のストーリー(前編) (3/4)

 走るのが好きな人は走るのがやっぱりいいですし、走るのと比較はできないですね(笑)。意外に思われるかも知れませんが、そもそも縄跳びは運動強度が高いスポーツなんです。だから普段あまり運動していない人が急に縄跳びをすると、膝や腰などを傷める可能性があるので注意していただきたいです。

 最初は1分間跳んで、慣れてきたら2分、3分と様子をみながら跳ぶ継続時間を増やすのがおすすめですね。縄跳びは5分ぐらいやるだけでも相当いい運動になりますから。それか、合計跳躍回数を決めてみるのもいい。はじめは50回、慣れたら100回、200回とか。

 あとは好きな音楽を聴きながら縄跳びすると楽しく跳べますよ。最近ブレイクしているお笑い芸人のにゃんこスターがやってるリズム縄跳びみたいに、ずっとロープを跳び続けずに、たまに休みを入れてステップだけするのもいいし(笑)。

 とにかくムリしないで、少しずつ跳ぶ回数や時間を増やすのが継続するコツですね。子どもの頃に軽々跳んでいた思い出は忘れてください(笑)。普段からウォーキングやジョギングをしている人で、その前後に縄跳びを加えたり、雨の日に縄跳びをする人もいます。そうやって併用してやるとすごくいいと思います。縄跳びだけってなると、相当好きな人じゃなきゃ続けられない(笑)。

縄跳び上達の秘訣はしなやかな手足の動きと目線、縄神経!?

--縄跳びの正しい跳び方ってあるんでしょうか?

 どの跳び方がいいかは基本自由なんですけど、まずはジャンプですね。ジャンプの高さは極端に言うとロープの高さだけ跳べばいいんです。ロープを回して足の裏を通過させるタイミングが良くなれば、ロープは通常4mmぐらいなので1cmも跳べば十分なんです。着地のときには「バッタン,バッタン」と音が鳴らないように膝を柔らかく使い,つま先から着地する。縄跳びをする前にロープを使わずにジャンプ運動をするのもいいです。ゆっくりジャンプしたり、速くジャンプしたり。着地したときに手を叩いたり、空中で叩くとか。いろんな連続ジャンプをすれば、膝や足の使い方が自然と上達しますよ。

 次にロープの回し方ですが、腰の近くで手首を使ってなるべく小さく回すのが理想ですが、これも極端に言うとロープって実は回さなくっても回ります(笑)。もちろん、初めの1回目は回しますが、そのあとはジャンプの上下動だけでもロープって回し続けることができるんですよ。ロスの少ない回し方を身につけるには、いろんな回し方をあえてやってみることをおすすめしますね。わざと肩から大きく回してみたり、手を肩の高さにして回すとか。最初は大きく回してだんだん小さくしていくのもいい。そうやっているうちにどの回し方がいいのか、自然と分かってきますよ。

 それから念のためロープの持ち方も。握ったグリップの上に親指を軽く添えて持ちます。

 最後に目線。これはけっこう大事です。3〜5mぐらい前の地面を見るようにするとバランスよく跳べます。真下を向いて跳ぶとバランスを崩しやすく、上に跳ぶ力を抑えてしまうんです。上級者はできれば正面を向いて跳んでほしいですが、これは首や腰を反りやすく、傷める可能性がありますね。正面を向く場合は、あごを引くようにするといいです。

--これから縄跳びをはじめる大人におすすめの跳び縄を教えてください。

 日本には優秀な跳び縄が多く販売されているので、デザインも含めていろいろ試して自分にピッタリくるものを選んでもらうのがいいと思うんですが、ある程度ロープの重さを感じられるような跳び縄がいいですね。少し重さがあってロープがヘニョらない跳び縄で跳ぶと“縄の声”が聞けますからロープへの恐怖心もなくなりタイミングもつかみやすいです。跳び縄を持っている右手から左手までのロープを自分の身体だと思って神経を通して重さを感じる。これを“縄神経”って言うんですけど(笑)。

 私の愛用している跳び縄はおもに2つあるんですが、どちらも日本ロープスキッピング連盟が販売しているもので韓国製の跳び縄です。ひとつはビニールロープで、長さが簡単に調整できてロープの堅さも程よく、コントロールしやすいです。グリップは少し滑りやすいので、私はテニス用グリップテープを巻いています。

 もうひとつはビーズロープで、ロープにショートパスタのような形をしたビーズが通してあり、いろんなカラーがあります。私はパフォーマンスや講習会、2人縄跳びなどをするときに利用しています。見やすくカラフルでワクワクしますよ。

--では、ちょうどいい長さってありますか?

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