インタビュー
2018年7月25日

SKE48・鎌田菜月「文系女子と思いきや、じつはスポーツ経験も豊富」(前編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#13 (3/3)

——けっこう足が変形している人は多いんですか?

バレリーナの人が自分の足の写真をSNSに載せていることもあるのですが、みんなボロボロですね。痛みで夜眠れないっていう話はよく聞きます。バレエを始めてすぐの子とかは特に。

——それだけ痛い思いをしても続けられるのは、やっぱり楽しいからなんですか?

私はひとつずつ課題を達成していくのが楽しかったですね。ただ立つことが始まり、回れるようになって、「パ」(※バレエのステップや動きの総称)もできるようになっていくっていう。

——特に達成感を感じた瞬間はありましたか?

トウシューズを履いて始めて「ピケ」(※つま先だけを床につけて回転する動き)ができたときは、「うわ! できた!」って思いました。最初のうちはつま先に乗り切れなくて体がグラグラ揺れたり、軸がぶれたりしていて、最悪の場合は尻餅をついていました。だから、うまく感覚がつかめて綺麗に回転できたときはすごく気持ちよかったのを覚えています。

——発表会で印象に残っている場面はありますか?

いっぱいあります! いちばん忘れられないのはサイドで踊ったときのことですね。

——真ん中ではなくサイドですか?

真ん中で踊ってるダンサーが目に付きやすいと思うんですけど、大きい演目だとサイドにもソリスト(※ソロパートを任されるダンサー)がいて、1曲を通してほとんど動かないんです。5分くらいの曲で動くのは3回だけ。あとはずっと止まってるんです。

——それはなかなかきつそうです。

でも、そのパートは登竜門的な側面があって。多くの人がその役割を任されたうえで、ピックアップされて真ん中で踊れるようになるんです。

——それができないうちは真ん中で踊れない、と。

私も実際に任されたことがあるんですけれど、ちょっと腕が下がっただけで指摘されるし、他の人が踊るのを目で追っていたら集中していないって怒られるし、本当にきつかったです。小学校中学年くらいの頃ってすごく動きたい盛りだから、なおさら「そんなことより、回る練習をしたい」って思ってましたね。自分では覚えてないんですけど、お母さんに「ただ立ってるのは飽きたよ〜」ってグチってたみたいです(笑)。でも、振り返ってみると良い体験だったかもしれません。どんなバレエ団でもプリマドンナになる前に経験しているはずだし、そういう人たちが舞台を支えているんだってことを忘れてはいけないと思います。

——良い教訓になったわけですね。SKE48の活動でも同じことを感じますか?

そうですね。たとえば、みんなが並んで踊っているなかで、ひとりだけ腕がカクンと落ちていると一気に見栄えが悪くなってしまいますし。バレエやアイドルに限らず、どんなこともセンターだけが大切なわけではないんですよね。

後編: SKE48・鎌田菜月「センターに選ばれるだけがすべてじゃない」(後編)│アイドルと、スポーツと、青春と。#13

[プロフィール]
鎌田菜月(かまた・なつき)/SKE48 チームE
1996年8月29日生まれ、愛知県出身。2013年にSKE48の6期生として加入。2015年から正規メンバーへ昇格、チームEに所属。これまでに2回SKE48の選抜入りを果たし、AKB48選抜総選挙での最高順位は44位。趣味は「活字」で、これまでに1000冊以上は読破しているという読書家。将棋好きとしても知られ、SKE48のコンサートにて加藤一二三・九段と「どうぶつしょうぎ」の対決をしたこともある。その一方で、水泳、バレエ、弓道、剣道、ラグビーと運動経験も豊富。2018年の名古屋ウィメンズマラソンを完走、近年はボルダリングにも挑戦している。
SKE48 23rdシングル「いきなりパンチライン」好評発売中。鎌田さんは表題曲、Team E曲、Passion For You選抜曲に参加している。
【SKE48公式Webサイト】
http://www.ske48.co.jp/
【鎌田菜月SKE48オフィシャルブログ】
http://www2.ske48.co.jp/blog_pc/detail/?writer=natsuki_kamata
【鎌田菜月Twitterアカウント】
https://twitter.com/nacky_k829

<Text:森祐介/Edit:村上広大/Photo:飯本貴子>

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