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2021年11月6日

運動しながらゴミ拾い!「スポGOMI」が10年続いてきた理由とは (2/3)

重いゴミを拾えない子どもでも高齢者でも勝てる。それがスポGOMIのルール

――スポGOMIの具体的なルールを教えてください。

60分の時間内でどれだけゴミを拾えるかを競います。1チームは3~5人で、走るのは禁止。先頭と最後尾が10メートル以上離れてもダメです。そして、大事なのはスポーツマンシップに則った行動をするということ。家庭ゴミを持ち込んだり、街のゴミ箱から空き缶やペットボトルを拾うのは禁止です。

2017年に横浜で開催されたスポGOMIの様子

勝敗は拾ったゴミのポイントで決まります。地域によってゴミの分別は違うので、それに則ってゴミの重さにポイントをかけて算出します。たとえば、燃えるゴミは100グラム10ポイント、燃えないゴミは100グラム5ポイントといった具合です。資源ゴミのペットボトルは100グラム15ポイント、タバコの吸い殻は100グラム100ポイントと高く設定しています。これは、子どもや高齢者の方でも優勝できるように公平を期すためです。

――タバコの吸い殻のポイントが高いことは意外でした。

拾いづらくて軽いというデメリットがあるので。ゴミのポイントについては2008年のスタート時から試行錯誤を重ねて今の形に落ち着きました。単なるゴミの量、重さだけで勝敗が決まるわけでなないので、年齢に関係なくさまざまな世代の方に参加していただいています。

スポGOMI専用のトングを開発

――2008年のスタートから10年で、すでに650大会を超えるスポGOMIが国内外で開催されています。かなりのハイペースですね。

去年だけで80回以上開催しています。毎週どこかで2つ、3つのスポGOMIが開催されています。2008年の5月に渋谷公会堂前で初めて開催したときは、どこまで盛り上がるか僕自身も半信半疑でした。けれども、優勝チームの大学生がインタビューで「スポーツだからおもしろいと思って参加してみました」と答えてくれたのを見て、これからもやり続けたらきっと面白くなるなと確信しました。

スポGOMI専用トングの「マジップ」

――ゴミを拾うための専用トングが支給されますね。

これは「マジップ」といって、新潟県三条市の永塚製作所という企業で作られています。重さも軽くて、先にゴムをつけて安全性を高め、爪楊枝でも簡単に拾えるようになっています。過去にはグッドデザイン賞もいただいています。ちなみに、「マジップ」とは「マジックグリップ」の略です。

――スポGOMIで高得点を出すためのコツを教えてください。

大切なのはチームワークですね。スポGOMIのエントリー時にはご家族、お友達、会社の同僚など、チームとして参加していただきます。スポGOMIは毎回開会式を行いますが、そこでチームごとの作戦タイムの時間が設けられます。競技エリア内でゴミが落ちてそうな場所をあらかじめ定めてチームワークよく行動する。植え込みや建物と建物の隙間などが狙い目です。

チーム内でのコミュニケーションは勝利のカギに

休憩も自由に取れるので、暑い時期はドリンクを買ってそれをチームのゴミにしてもOKです。60分のゴミ拾いをするとけっこうな運動量になるので、多くの参加者が「疲れた~」と口にしますね。

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