【オーストラリアンフットボール】オーストラリアの国民的スポーツ。歴史・ルール・国内チーム|一度やってみたい!珍しい海外スポーツ #9
国内ではあまり競技人口の多くない海外スポーツを取り上げ、その特徴やおもしろさを紹介する本連載。今回はラグビーに似たオーストラリアの伝統球技「オーストラリアンフットボール」です。日本でも国内リーグが存在するこの競技。一体どのようなルールで行われるのでしょうか。概要をご紹介していきます。
オーストラリアの国民的スポーツ「オーストラリアンフットボール」とは
オーストラリアンフットボールは別名「フッティー」「オージールールズ」、また日本では「オージーボール」とも呼ばれるオーストラリア独自のフットボールを指します。その起源は1858年まで遡り、クリケット選手のオフシーズンのトレーニングとして考案され、徐々に現在の形へ発展を遂げていきました。
一見するとラグビーに似た競技ですが、ボールを投げるのが禁止されていたり、15m進むたびにボールをバウンシング(ドリブル)させなければいけない、肩上or膝下へのタックルが禁止など、細かいルールが異なります。
よりスピーディーな試合展開とダイナミックなプレイが特徴で、ラグビーやクリケットに並んでオーストラリアでは国民的人気を誇ります。毎年3月から9月にかけて「オーストラリア・フットボール・リーグ(AFL)」が開催され、9月の優勝決定戦には10万人近くの観衆が詰めかけます。
基本ルールをチェック!
オーストラリアンフットボールは具体的にどのようなルールで行われるのでしょうか。以下、その概要をまとめました。
<試合コート>
長さ135〜185m、幅110〜155mの楕円形コート。コート端には4本の柱があり、内側の2本が「ゴールポスト」、外側の2本が「ビハインドポスト」と呼ぶ。
<人数>
1チーム18人(交代要員4人)。試合中いつでも交代できる。
<試合時間>
1クォーター20分×4クォーター制。
<試合球>
楕円形の革製ボール(ラグビーより一回り小さい)。
<得点方法>
ゴールポストの間にボールを蹴り込むと「ゴール」となり、6点が加算。ただし、以下の場合は1点のみの加算となる。
・キック以外の方法でゴールポストを通過
・相手がボールに触れる
・キックしたボールがゴールポストに接触
・ボールがゴールポストとビハインドポストの間を通過
<パス方法>
キックorハンドボール(片方の手でボールを持ち、もう片方の手でボールを打ち出す)。
<マーク>
キックされたボールをノーバウンドでキャッチすることを「マーク」という。マークが成立すると、その時点でフリーキック、もしくは攻撃続行が選択できる。
<主な反則>
・ボールを投げる、手渡しする。
・タックルを受けてボールを落とす(タックルを受ける前にボールを処理しなければいけない)。
・バウンシングせずに15m以上走り続ける。
・肩上へのタックル(トゥー・ハイ)、膝下へのタックル(トリップ)。
・タックルの際に後ろから押す。
・ボールを持っていない選手をつかむ、タックルする(ホールディング・ザ・マン)。
・わざとボールをコート外へ出す。
・相手が近くにいる場面で直接キックを試みる(危険プレイ)。
日本国内の競技環境は?
日本国内では「一般社団法人日本オーストラリアンフットボール協会(JAFL)」が主体となって運営している「Aリーグ」が存在し、現在は以下の5チームがリーグ戦に参加しています。
・専修パワーズ
公式サイト https://jafl.org/POWERS/
・東京ゴアナーズ
公式サイト https://jafl.org/GOANNAS/
・イースタン・ホークス
公式サイト https://jafl.org/HAWKS/
・駒沢マグパイズ
公式サイト https://jafl.org/MAGPIES/
・東京ベイサンズ
公式サイト https://jafl.org/SUNS/
さらに小学生向けのキッズクラブも存在し、会員になるとイベントや定期教室などに優先的に参加することが可能です。現在、定期的に活動しているAFL Japanキッズチームは「鵜の木キッズチーム」。毎週水曜日に活動を行っています。
・鵜の木キッズチーム
公式サイト https://jafl.org/development/
知名度はまだそこまで高くありませんが、今後はさらなる発展の可能性を秘めた競技でもある「オーストラリアンフットボール」。10月までAリーグの公式戦は続いているため、興味のある方はぜひ会場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
・参考サイト
日本オーストラリアンフットボール協会
AFL Japan キッズクラブ
オーストラリアンフットボール ルールブック ~2015 - AFL Japan
<Text:松永貴允/Photo:Getty Images>