なぜ野球のショートは「遊撃手」と呼ばれるのか?【スポーツ雑学百科】 (1/2)
知って得するスポーツトリビアを厳選してお届けする「スポーツ雑学百科」。今回は野球をテーマに、目からウロコの2ネタを紹介していきます。
野球における“守備の華”「ショート」とは
野球において“守備の華”として形容される「ショート」。
一塁・二塁間を守るセカンドとは対称となる二塁・三塁間を定位置とし、センター方向と三遊間の打球への対応、さらには状況に応じて二・三塁間のカバーも行う。
守備範囲が広く一塁までの距離が長いため、足の早さや肩の強さ、さらには高い判断能力を要するため、そこを定位置とする選手は皆、攻・走・守のバランスが取れた名手であるケースが多いのです。
現役の選手でいえば、坂本勇人(読売ジャイアンツ)、OBだと鳥谷敬(元阪神)、川相昌弘(元巨人)や池山隆寛(元ヤクルト)など、そうそうたるメンバーが揃っていることからも、ショートがいかに花形ポジションなのかがうかがえるでしょう。
今回は、そんな「ショート」に関する雑学をひとつ紹介します。
「万能」であるからこそ、遊撃手なのである
ショートは、アメリカではS.S(ショートストップ)、日本では「遊撃手」と称されますが、なぜ日本で「遊撃手」と呼ばれるのか、その語源について知っている方は多くないでしょう。
一説によると、「ベースボール」を「野球」と訳した人物として知られる中馬庚(ちゅうま かなえ)氏が、「ショートストップは戦列で時期を見て待機し、動き回ってあちこちを固める遊軍のようだ」と説いたことから「遊撃手」といわれるようになったそうです。
つまり、誰の目から見てもショートというポジションは、守備の要ともういうべき重要な役割を担っているのがわかるということでしょう。
ちなみに、中馬庚氏がベースボールを「野球」と訳した4年程前、かの有名な俳人・歌人である正岡子規が自身の雅号※として「野球(のぼーる)」と名付けました。
読み方こそ違いますが、「野球」という表記を最初に発案したのはこの時だと言われています(※雅号とは、画家や書家が本名以外に付ける名前のこと)。
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続いての雑学は、日本のプロ野球における「無効になったホームラン」エピソードについて。