フィットネス
2024年6月4日

肩の筋肉「三角筋」の筋トレとストレッチ、効果的な鍛え方[トレーナー解説] (2/2)

アイソメトリクスエクササイズ

1.肘を曲げ、胸の前で、親指以外の両手の指同士をひっかけます

2.両手の指同士を離さないように、外側に引っ張り合います

3.力を入れた状態で10秒キープします

4.組んだ手の上下を入れ替え、同様に行います

アイソメトリクスのエクササイズは、力の入れ具合で強度が変わります。できるだけ全力で10秒間引っ張り合ってみましょう。その際、呼吸も忘れずに。

ディップス

1.両手をそれぞれ別の椅子につきます

2.椅子で体を支え、体を持ち上げます。膝を曲げて後ろで組み、体を安定させましょう

3.肘を曲げながら体を下ろしていきます

4.下ろせるところまでいったら、肘を伸ばしていき、元の姿勢に戻ります

5.この動作を繰り返します

エクササイズを始める前に、椅子がぐらつかないように確認してから行います。動作中もバランスを崩さないように、十分注意しましょう。

可動域をできるだけ広く使えるように、高めの椅子を使うと動作がやりやすくなります。

三角筋を効果的に刺激するポイントと注意点

ここでは、三角筋を効果的に鍛えるポイントを解説していきます。

三角筋の前部・中部・後部によってエクササイズの選択が異なる

三角筋の前部・中部・後部を刺激するエクササイズは、それぞれ異なります。

行うエクササイズが三角筋の前部・中部・後部のどこを刺激するのか意識し、その部分に負荷がかかっているかどうかを、しっかりチェックしながら行いましょう。

また、同じエクササイズばかりではなく、前部・中部・後部のエクササイズを取り入れ、三角筋全体を刺激すると、大きくバランスの良い肩を作ることができます。

可動域を最大限に動かす

関節の可動域は、できるだけ最大限動かすようにしましょう。関節可動域が狭いことで、十分な刺激を与えられず効果が低くなってしまいます。

筋トレ効果は「筋肉の柔軟性」と「関節可動域の広さ」で変わる

また、関節可動域を大きくつかっても、反動を使ってしまうと負荷が逃げてしまいます。可動域全体の動作スピードをコントロールしながら行いましょう。

戻す動作を意識する

トレーニングでは、ウエイト(重り)を下ろしていくときも重要です。力を抜いて勢いよくウエイトを下ろしてしまうと、刺激が少なくなるだけでなく、ケガのリスクも高まります。

ウエイトを下ろすときは急に力を抜かず、ゆっくり下すと効果が高まります。

プロがおすすめする三角筋を追い込むメニュー

三角筋を鍛えるためには、他のエクササイズ同様、多関節運動×高負荷×低回数をトレーニング前半に、短関節運動×低~中負荷×中~高回数を追い込みとしてトレーニング後半に行うとよいでしょう。

トレーニング前半=多関節運動×高負荷×低回数

  • ダンベルショルダープレス × 5~7rep
  • アップライトロウ × 5~7rep
  • ディップス × 5~7rep

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トレーニング後半=短関節運動×低~中負荷×中~高回数

  • フロントレイズ × 10~12rep
  • サイドレイズ × 10~12rep
  • ベントオーバーリアレイズ × 10~12rep
  • マシンショルダープレス × 10~12rep

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高重量を扱う場合は両手で、意識して行う場合は片手ずつ

ダンベルショルダープレスやサイドレイズなど、三角筋のトレーニングの多くは、両手を同時に動作するエクササイズがメインです。

両手同時に動作をすると、左右の筋力差や癖によって、「左側は余裕だけど、右側はキツくて動作が継続できない」という場合も。これでは左右のバランスがどんどん崩れてしまいます。

その場合、ダンベルを活用し、片手ずつ動作を行ってみましょう。片手ずつ行うことで、筋力差に関係なく両方をしっかり追い込むことができます。

三角筋の筋トレ後におすすめのストレッチ

筋トレを行ったら、しっかりケアも行いましょう。ここでは三角筋のストレッチを紹介します。

1.片腕をまっすぐ前に伸ばし、肩の高さまで持ち上げます

2.反対側で伸ばした腕の肘を持ち、胸に近づけていくように引きつけていきます

3.肩が伸びる感じがしたら、そのまま20秒間キープします。反対側も同様に行いましょう

三角筋を筋肥大させる食事・サプリメント。プロテインやアミノ酸を活用しよう

トレーニング後は、しっかり栄養を補給しましょう。栄養が不足していれば、トレーニングの効果も半減してしまいます。

筋肥大のためには、「たんぱく質」をしっかり摂取しているかどうかが重要。筋肥大を目指すなら、体重1kgあたり2gを目安に、1日を通してしっかりたんぱく質を補給しておくようにしよう。

沢山食べられない人は、プロテインやアミノ酸を活用するのがおすすめ。間食などに摂取することで、効率よくたんぱく質を補給することができます。

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著者プロフィール

和田拓巳(わだ・たくみ)

プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。

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<Text:和田拓巳/Edit:編集部>

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