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筋トレ効果は「筋肉の柔軟性」と「関節の可動域の広さ」で変わる

 クロスフィットのジムに足を踏み入れると、耳慣れない専門用語が飛び交っています。その中でも日本人が戸惑うのは、「Mobility(モビリティ)」という言葉かもしれません。たいていのジムでは、通常のワークアウトのほかに「Mobility」のクラスが設けてあります。この「Mobility」は直訳すると「移動性」「可動性」「機動性」。しかし、いったい何をするものなのかと、疑問が生じるのはやむを得ません。

Mobility(モビリティ)とは

 フィットネスの世界で使う「Mobility」とは、自由かつ容易に体を動かす能力のこと。これは、「筋肉の柔軟性と関節の可動域の広さ」と言い換えてもよいでしょう。筋トレの記録が頭打ちになったときなど、原因は筋力の不足ではなく「Mobility」に制限がかかっていることが少なくありません。そのため上級者になればなるほど、この能力の重大性が身に染みてくるようです。

 前述の「Mobility」クラスでは、フォームローラーやラクロス・ボールなどを利用する筋膜リリースやヨガの動きを取り入れたストレッチなどが中心で、そのためだけにたっぷり時間をかけます。ここでは基本的な流れと、自宅でもできる動作をいくつかご紹介しましょう。

筋肉をほぐして柔らかくする「筋膜リリース」

 フォームローラー、ラクロス・ボールなどの上に腕や足を乗せ、前後左右にゆっくり動きます。これは、固まった筋肉をほぐして柔らかくすることが目的です。筋トレによるダメージが蓄積して筋肉が張った状態のときには、とくに有効でしょう。

 全身の筋肉をまんべんなくほぐしますが、張っている箇所はとくに入念に時間をかけます。実はかなりの痛みを伴うのですが、ここは我慢が大切。筋膜リリースの場合、痛くなるまで続けることで、はじめて筋肉はほぐれるはずです。筆者が指導するときは、よく「No Pain, No Gain(痛くなければ、成果はない)」と声をかけます。冗談めかしていますが、本気です。

関節の可動域を広げる「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」

 反動を利用して、関節の可動域を広げることが目的です。ヨガのポーズを使うことも少なくありません。同じ動作を何回か繰り返しますが、無理のない程度に動作域を徐々に広げていきます。ウォームアップとは目的が違いますので、動きのスピードを速める必要はありません。

心地よく筋肉を伸ばす「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」

 同じ姿勢を一定時間保って、筋肉を伸ばすストレッチです。一般的にはストレッチといえば、この静的ストレッチを指すことが多いでしょう。1つの姿勢で最低20秒、時間が許す限り長い時間をかけ、また何回も繰り返します。

 大切なのは呼吸を止めないこと。筋肉に酸素を行き渡らせなくてはいけないのです。また、筋膜リリースとは違い、静的ストレッチでは痛みが出るまでは筋肉を伸ばしません。無理すると、かえって筋肉を損傷してしまう可能性があります。心地よいと感じるところで、できるだけ長い時間その姿勢を保ってください。

 もう1つのポイントは、ある筋肉を伸ばしたら、それに拮抗する筋肉も同じように伸ばすことです。たとえば太ももの前面(大腿四頭筋)を伸ばしたら、必ず裏側(ハムストリングス)も伸ばさなくてはいけません。

毎日のトレーニングとセットで行うと効果的

 ストレッチは、どれだけやってもやり過ぎるということがない唯一のトレーニングです。筋トレやランニングと違い、すぐに結果が見えるわけではありません。しかし継続して行えば、必ずよい成果が表れるでしょう。

 自宅でテレビを見ながらでも、家族と話をしながらでも構いません。むしろリラックスして行う方が望ましい面もあります。ぜひとも、日々のルーティンに組み込んでみて下さい。時間を長くかければかけるほど効果は高くなりますが、どんなに短い時間でも、効果がゼロやマイナスにはなりません。できる範囲で構わないのです。

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[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
【公式Facebook】https://www.facebook.com/WriterKakutani

<Text & Photo:角谷剛>

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