
【小学生・中学生】足が速くなるトレーニング|50m走のタイムを縮める『鍛えるべき4ポイント』 (2/2)
足が速くなる「家でできる」トレーニングメニュー
速く走るために必要な要素を理解したら、それを実際に鍛える練習が欠かせません。体幹、反発力、足の引き上げ、軸足の強さをそれぞれ強化できるトレーニングを紹介します。
それぞれ2つずつ紹介していますが、やりやすい方をやるでもOKです。
体幹を強化するトレーニング2メニュー
■バーピー
しゃがむ・腕立て・ジャンプを組み合わせた全身運動。腹筋や背筋を使うため体幹が自然に鍛えられます。走るときの姿勢が安定し、ブレのないフォームにつながります。短時間で全身を使うので心肺機能も高まり、スタミナ維持にも効果的です。
バーピーの正しいやり方
1. 足を拳1個分開ける
2. しゃがみ込み両手を地面につける
3. 両足を後ろに伸ばす
4. 両足をしゃがみ込んだ元の位置に戻す
5. 膝を伸ばして高くジャンプする(その際に両手はバンザイ、手を合わせる)
実施回数
15回×3セット
ポイント
・「しゃがむ→伸ばす→縮む→跳ぶ」を意識してリズムよく
・跳んだら頭の上で手を叩き、リズムをつかむ
・フォームを意識して丁寧に
・頭から足先まで一直線にし、お尻を"くの字"に曲げない
鍛えられる筋肉(場所)
・大胸筋
・大腿四頭筋
・ハムストリング
・大臀筋 etc…
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▼静かにやりたいなら飛ばないバーピーがおすすめ
【たった2分】家でできる有酸素運動。「飛ばないバーピー」の正しいやり方
■プランク
腕とつま先で体を支えるシンプルな体幹トレーニング。お腹と背中が同時に鍛えられ、走っているときに体が左右に揺れにくくなります。地味に見えますが、安定した走りを支える土台として非常に重要です。
プランクの正しいやり方
1.両肘を床につけ、うつ伏せになる
2.腰を浮かせ、背筋をまっすぐに伸ばす
3.頭、背中全体、腰、かかとが一直線になるように姿勢をキープする
呼吸は止めないように意識します。
実施回数
まずは正しいフォームで「20秒キープ」を目標にしてみましょう。1セット20秒×3セット(休憩10秒)を目安に行うと効果的です。
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腹斜筋(わき腹)
・腹横筋などの深層筋(インナーマッスル)
・上腕三頭筋(腕の後ろ側)
・背中 ・脊柱起立筋(背中)etc …
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▼通常のプランクができない場合は「膝つきプランクがおすすめ
【超初心者向け】腹筋に効く「膝つきプランク」の正しいやり方。秒数・回数・鍛えられる筋肉
反発力を高めるトレーニング2メニュー
■アンクルホップ(エア縄跳び)
軽く膝を曲げ、足首とふくらはぎを使って小刻みにジャンプします。接地時間を短くすることで、地面からの反発を素早く使えるようになります。地面を押した瞬間に「パッ」と跳ね返る感覚が身につき、弾むような走りに変わります。
アンクルホップの正しいやり方
1. 拳1つ分、足を広げる
2. 背中を真っ直ぐに伸ばして、かかとを浮かせた状態で立つ
3. 膝は軽く曲げ、つま先で地面を押すイメージでジャンプする
4. つま先で着地して連続でジャンプする
実施回数
10回×3セット
トレーニングのポイント
・背中をまっすぐ伸ばす、かかとを地面につけない
・真上にジャンプ、腕をしっかり回す
鍛えられる筋肉と運動効果
・下腿三頭筋(ふくらはぎ)
・心肺機能強化
・足首まわりの細かい筋肉 etc…
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■ケンケン(片足ホップ)
1.片足で立ち、もう一方の足は軽く曲げて浮かせる。
2.軸足で地面を強く押し、リズミカルに連続ジャンプする。
3.体が横にブレないように意識しながら前に進む。
回数の目安
左右それぞれ10〜15回を1セットとして、2〜3セット。慣れてきたら距離を伸ばして前に進むようにしてもOKです。
ポイント
・着地は「つま先からかかとにかけて」自然に体重を受け止める
・姿勢をまっすぐに保ち、腕をしっかり振る
・片足ごとに均等に練習する
鍛えられる筋肉(場所)
・大臀筋(お尻)
・ハムストリングス(太もも裏)
・足首まわりの細かい筋肉
・下腿三頭筋(ふくらはぎ) etc…
足を素早く引き上げるトレーニング2メニュー
■レッグレイズ
仰向けに寝て両足を上げ下げする動きです。腹直筋と腸腰筋を直接鍛えられ、足を前に引き上げる動きが速くなります。足を下ろすときに床につけずに止めると、より強い刺激が入ります。
レッグレイズのやり方
1.仰向けで寝て、脚をまっすぐに伸ばし、手は横へ
2.腰を床につけるように意識しながら、両脚を床から少し浮かせる
3.垂直まで浮かせたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。脚は床から少し浮かせたままにしておく
実施回数
10回×3セット
ポイント
・腰が反らないように、しっかりと床に腰をつける
・脚ではなく腹筋へ意識を向ける
・脚は垂直よりも少し手前で止める
・可動範囲はできるだけ大きく行う
鍛えられる筋肉(場所)
・腹直筋
・腸腰筋
・大腿四頭筋 etc…
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■もも上げ(ハイニー)
その場で走るように、太ももをできるだけ高く素早く引き上げるトレーニングです。腸腰筋を直接鍛えられるため、脚の切り替え動作が速くなり、ピッチ(足の回転数)の向上につながります。膝を90度くらいまで上げる意識を持ち、腕も大きく振りながらリズミカルに行いましょう。
正しいやり方
1.両足を、拳ひとつほど空けて開く
2.かかとを少し上げ、右左交互にふとももを持ち上げる。腕も同時に振る。
▲膝をしっかり突き出すイメージ
実施回数
30秒×3セット
ポイント
・動作の際、立ち位置がずれないよう同じ位置をキープする
・背中を丸めない、反らない
鍛えられる筋肉と運動効果
・腸腰筋
・大臀筋
・脂肪燃焼(有酸素運動)
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軸足を強くするトレーニング2メニュー
■スクワット
下半身全体を鍛える基本のトレーニング。特に太ももとお尻の筋肉を強化し、地面を強く押せるようになります。正しいフォームで行えば膝への負担も少なく、走るための「土台作り」に最適です。
正しいやり方
1.足を腰幅に開き、つま先は膝と同じ向きにする
2.お尻を後ろへ突き出すように、股関節から折り曲げる
3.太ももが床と平行になるまで下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
肩甲骨を寄せて下げ、自然な背筋を保ちます。膝がつま先よりも前に出ないよう注意!
実施回数
10回×3セット
ポイント
・膝をつま先より前に出さない
・膝から動くのではなく、股関節から動く意識で
鍛えられる筋肉(場所)
・大臀筋(お尻)
・大腿四頭筋(太もも前)
・ハムストリングス(太もも裏)
・下腿三頭筋(ふくらはぎ)
・脊柱起立筋(背中)
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▼スクワットで膝が痛い時は、フォームを見直してみて
スクワットのNGポイント3選。膝の位置には要注意
■ランジ
片足を前に出してしゃがむ動き。左右の足を交互に使うことで、片足で体を支える力を養えます。股関節の柔軟性も高まり、ストライドが伸びて走りに迫力が出ます。
正しいやり方
1.足を肩幅より大きく、前後に開く
2.上体をまっすぐにしたまま、股関節とひざを曲げていく
3.前ひざを90度まで曲げたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
4.反対側も同様に行います。前ひざは、つま先より前に出さないようにしましょう。
実施回数
10回(左右5回ずつ)×3セット
ポイント
・前のめりや猫背にならないよう注意
鍛えられる筋肉(場所)
・大臀筋(お尻)
・大腿四頭筋(太もも前)
・ハムストリングス(太もも裏)etc…
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50m前半で差をつける!正しい走り方とフォーム
速く走るためには、ただ力いっぱい走るのではなく、効率よく前に進むフォームを身につけることが欠かせません。正しい姿勢や動きを意識することで、一歩一歩のスピードが大きく変わります。
スタートは3〜5歩が勝負
50m走では最初の3〜5歩が勝負です。スタートでしっかり加速できると、その後のスピードも高く維持できます。地面を強く押し出し、大きなストライドで一気に勢いをつけましょう。
背すじは伸ばして前傾姿勢
腰から曲げるのではなく、背すじを伸ばしたまま体全体を前に倒すのがポイントです。重心が前に移動することで、自然と加速しやすくなります。前傾を意識するだけで、無駄な上下動が減り、スムーズに前へ進めます。
腕は「後ろに強く」振る
腕振りは脚の動きと連動しています。特に後ろに大きく振ることで、自然と足が前に出やすくなり、ピッチが安定します。力を入れるのは後ろに引くときで、前に振るときは力を抜くとリズムが取りやすいです。
ピッチ×ストライドを最適化
走る速さは「ピッチ(足の回転数)×ストライド(歩幅)」で決まります。どちらか一方だけでは限界があるため、両方をバランスよく高めることが大切です。ピッチを速めたいときは足の引き上げを、ストライドを広げたいときは股関節の柔軟性や地面を押す力を意識すると効果的です。
速く走ることに関するよくある質問(Q&A)
足の速さに関して、小学生や中学生からよく寄せられる疑問に答えます。練習に取り組むときの参考にしてください。
足が遅い子の特徴は?
体幹が弱く姿勢が崩れやすい、腕振りが小さい、足首が硬すぎたり柔らかすぎたりして地面をうまく押せない、といった特徴があります。これらはすべてトレーニングで改善できるので、遅いと感じても心配はいりません。
50mを速く走るコツは?
スタートからの加速で大きなストライドを意識し、その後は前傾姿勢を保って走ることが大切です。腕を大きく後ろに振るとピッチも安定しやすく、タイム短縮につながります。
どこを鍛えたら足が速くなる?
特に重要なのは、腸腰筋(足を素早く引き上げる)、大殿筋やハムストリングス(地面を押す力を生む)、ふくらはぎ(反発力を高める)です。あわせて体幹を鍛えることで、走り全体の安定性が増します。
足の速さは何歳で決まる?
生まれつきの要素もありますが、小学生から中学生の成長期に大きく伸びます。正しいフォームとトレーニングを続ければ、後天的にスピードを高めることは十分可能です。大人になってからでも、筋力や姿勢を改善すれば速くなれます。
監修者プロフィール
理学療法士・パーソナルトレーナー
安藤 瑞樹
総合病院で約7年間、理学療法士として、スポーツ・一般整形のリハビリに従事。独立後約4年間、パーソナルトレーナーとして勤務。2021年にパーソナルトレーニングジムJuntosをオープン。現在、パーソナルトレーナーの他、帯広北高等学校サッカー部のトレーナーとしても活動中。
パーソナルトレーニングジムJuntos
https://www.juntos2021.com/
トレーニング動画指導・監修
鳥光健仁
フィットネスランニングトレーナー。1991年生まれ、千葉県出身。出張パーソナルトレーナー、SUUNTO 5 アンバサダー、VX4アドバイザリー、(株)BOOSTマネジメント契約、HOKA ONE ONE サポート。
<Edit:MELOS編集部>