1回でもできたらすごい!下半身・体幹・バランス力を鍛える「片足スクワット」の効果 (2/2)
<このページの内容>
片足スクワットはこんな人におすすめ
片足スクワットは、脚の筋力と体幹の安定を同時に鍛えたい人におすすめです。自重でも高負荷をかけられるため、効率的に全身を強化したい人に向いています。
・下半身を引き締めて、太ももやお尻のラインを整えたい人
・脚の左右差をなくし、バランスよく鍛えたい人
・競技やスポーツのパフォーマンスを高めたい人
・自宅で器具を使わずにしっかり鍛えたい人
・筋トレ中級者以上で、より高負荷のトレーニングに挑戦したい人
・体幹を安定させ、フォームの精度を上げたい人
片足スクワットをおすすめしない人
片足スクワットは高い筋力とバランスが求められるトレーニングです。無理に行うと関節を痛める可能性があるため、次のような人は段階的に練習するか、別の種目から始めるのがおすすめです。
・スクワットやランジなどの基本フォームがまだ安定していない人
・足首、膝、腰に痛みや不安を感じている人
・股関節や足首の柔軟性が不足している人
・筋トレを始めたばかりの初心者
・バランス能力、柔軟性が不足している人
無理のない範囲で練習を重ねれば、誰でも少しずつ安全にできるようになります。
片足スクワットの正しいやり方
片足スクワットは、フォームの精度が効果を大きく左右します。正しい姿勢で行えば、下半身だけでなく体幹まで効率的に鍛えられます。
1.姿勢を整える
背すじをまっすぐに伸ばし、胸を張って立ちます。両腕を前方に伸ばし、視線はまっすぐ前を向きます。重心が前に傾くとバランスを崩しやすくなるため、上半身を安定させる意識が大切です。
2.片脚を前に伸ばす
片方の脚をゆっくり前に出し、地面と平行になるようにします。浮かせた脚のつま先を軽く上に向け、太ももを引き上げるように意識します。
3.腰をゆっくり下げる

写真:「片足スクワット(ピストルスクワット)の効果と正しいやり方」より
息を吸いながら、腰を後ろに引くようにしてしゃがみます。過度に背中を丸めすぎないように胸を張りながらしゃがみきります。
しゃがんだときに、軸足のかかとが浮かないように注意しましょう。体幹を締めて姿勢を保つことがポイントです。
4.立ち上がる
息を吐きながら、軸足で床を押すようにして立ち上がります。膝と股関節を同時に伸ばし、上半身をブレさせないようにします。片脚での動作が安定するまで、ゆっくりとしたテンポで行いましょう。
正しいフォームを保つコツ
・軸足のかかとを浮かせない
・しゃがむ深さよりも、姿勢の安定を優先する
・呼吸を止めず、動作に合わせて吸う・吐くを意識する
片足スクワットができない原因と改善法
片足スクワットは見た目以上に難易度が高く、正しいフォームで行うには筋力だけでなく、柔軟性やバランス感覚も必要です。うまくしゃがめない、ぐらつく、片脚を前に伸ばせないといった場合は、原因を一つずつ確認しましょう。
筋力不足によるもの
片足スクワットでは、大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングスの筋力が不足していると、しゃがむ途中で姿勢を保てなくなります。特に太ももの前面が弱いと、体を支えきれずに倒れやすくなります。
改善法:ノーマルスクワットやブルガリアンスクワットなど、両脚を使うトレーニングで基礎筋力を高めましょう。10〜15回を余裕を持ってこなせるようになったら、片脚動作に段階的に移行します。
柔軟性の不足
股関節や足首の可動域が狭いと、深くしゃがむことができません。足首の背屈が足りないと、重心をうまく前方に移せず、バランスを崩す原因にもなります。
改善法:足首のストレッチやカーフストレッチで可動域を広げましょう。また、股関節まわりを伸ばす動的ストレッチ(ヒップサークル、レッグスイングなど)も効果的です。柔軟性を高めることで、しゃがみ込み動作がスムーズになります。
バランス感覚の不足
体幹の安定性や神経系の協調が不十分だと、片脚で立った瞬間に体がぐらつきます。筋力があっても、バランスを取る神経の働きが追いついていないケースも多いです。
改善法:まずは片脚立ちで10〜20秒静止する練習を行いましょう。その際、視線を固定し、体幹を引き締める意識を持つと安定します。慣れてきたら、ボックスを使った浅めの片足スクワットに挑戦します。
フォームの誤り
しゃがむ時に膝が内側に入らないことを特に意識して、膝への負担をカバーしながら行うようにしましょう。両足スクワットと異なり、片足スクワットでは前に出した脚の影響で骨盤が自然に丸くなります。無理に背中を伸ばそうとせず、自然なカーブをつくりながらしゃがんでいきましょう。
片足スクワットは、筋力・柔軟性・バランスのどれか一つが欠けても安定して行うのが難しい種目です。焦らず段階的に練習すれば、確実に安定したフォームを身につけることができます。
片足スクワットは膝に悪い?安全に行うコツ
片足スクワットは、体重を片脚で支えるため膝への負担が大きい印象があります。しかし、正しいフォームと適切な可動域を守れば、膝を痛めるどころか、関節の安定性を高める効果も期待できます。
膝を痛める原因
膝の痛みが出る主な原因は、フォームの乱れにあります。しゃがむ際に膝が内側に入ったり、つま先よりも大きく前に出たりすると、膝関節にねじれが生じます。また、股関節や足首の柔軟性が不足している場合も、膝に余計な負担がかかりやすくなります。
正しいフォームで行えば安全
片足スクワットでは、膝をまっすぐ前に向け、つま先と同じ方向に動かすことが大切です。背中を丸めず、胸を張って上体をやや前傾させると、重心が安定します。太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)やお尻の筋肉(大臀筋)がしっかり使えるようになり、膝関節の負担を分散できます。
可動域を無理に広げない
深くしゃがみ込むほど負荷は高まりますが、柔軟性が足りない状態で無理に動作を深めるのは危険です。最初は浅い角度から始め、痛みや違和感がない範囲で徐々に可動域を広げましょう。ボックスや椅子を使い、しゃがむ深さを調整するのも効果的です。
呼吸とスピードを意識する
反動をつけて動作すると、膝への衝撃が大きくなります。動作はゆっくりとコントロールし、息を吸いながらしゃがみ、吐きながら立ち上がります。筋肉に適切なテンションをかけることで、関節の安定感が増します。
痛みを感じたら中止する
膝や腰に違和感を覚えた場合は、すぐに中止してください。痛みが軽い場合でも、フォームを見直すか、負荷を下げて行うことが大切です。症状が続く場合は、専門家に相談し、無理のない方法でトレーニングを続けましょう。
片足スクワットは、正しく行えば膝の負担を軽減し、むしろ関節を守る筋力を育てるトレーニングです。フォームを丁寧に意識しながら行うことで、安全に効果を引き出すことができます。
片足スクワットの回数目安
片足スクワットは、回数よりもフォームの正確さが大切です。ただし、筋力や年齢によって適切な回数の目安を知っておくと、トレーニングを無理なく継続できます。レベル別に目安を紹介します。
回数の目安
初心者:片脚につき5〜8回を1セット
中級者:片脚につき10〜15回を1セット
上級者:片脚につき15〜20回を1セット
フォームを崩さずに10回できるようになれば、十分に脚力と体幹の安定が身についています。反動を使わず、ゆっくりとしたテンポで行うのがポイントです。
年齢別の目安回数とポイント
| 年齢層 | 目安回数 | ポイント |
|---|---|---|
| 20〜30代 | 10〜15回×3セット | 筋力・安定性を高める時期。フォームへの意識とコントロールを特に重要視する。 |
| 40〜50代 | 5〜10回×2〜3セット | 可動域を重視し、柔軟性を保ちながら行う。 |
| 60代以上 | 3〜5回×1〜2セット | 椅子や壁を使い、バランスを崩さない範囲で安全に実施。 |
加齢とともに筋力とバランス能力は低下しますが、片足スクワットを続けることで転倒予防や姿勢維持にもつながります。無理せず、できる範囲の回数で継続することが何より大切です。
初心者向けの練習方法
片足スクワットは難易度が高いため、最初はサポートを使うのがおすすめです。壁や椅子に軽く手を添えて行うことで、バランスを取りながらフォームを覚えられます。
壁に手を添えて行う「ワンレッグスクワット」
1.片足でバランスをとりながら立ちます。

2.手はバランスが崩れないように腰に添えます。

3.股関節から順にゆっくりと曲げていきながらしゃがんでいきます。

4.その後スタートポジションに戻します。
5.この動作を左右交互に行ないます。
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ボックス(または椅子)を使う方法

お尻を軽くタッチする位置までしゃがみ、すぐに立ち上がります。ボックスの高さを少しずつ低くしていくと、自然に動作を深められます。
前脚を床につける方法
完全に浮かせず、つま先を軽く床に触れさせて動作を補助します。負荷を50〜70%ほどに調整できるため、安全に練習できます。
片足スクワットに関するQ&A
片足スクワットについて多く寄せられる質問をまとめました。フォームに悩む人や、これから挑戦したい人はぜひ参考にしてください。
Q. 片足スクワットの難易度は高いですか?
A. 自重トレーニングの中でも難易度はかなり高めです。筋力、柔軟性、バランスの3要素が必要になるため、初心者はサポートを使った練習から始めるのが安全です。
Q. 片足スクワットは女性にもおすすめですか?
A. もちろんおすすめです。ヒップアップや脚の引き締めにも効果的で、自重でも十分な負荷を得られます。フォームを安定させながら行えば、初心者でも安全に取り組めます。
Q. 片足スクワットを毎日しても大丈夫ですか?
A. 毎日行う場合は、フォームを重視し、疲労が強い日は休むようにしましょう。筋肉の回復時間を考慮するなら、週2〜3回のペースが理想的です。
Q. 片足スクワットができる人はすごいのですか?
A. はい、すごいです。片足スクワットを安定してできる人は、筋力・体幹・柔軟性のバランスが整っています。単に脚が強いだけでなく、身体全体をコントロールする能力が高い証拠です。
Q. 年齢が上がっても片足スクワットはできますか?
A. できます。無理に深くしゃがまず、椅子や壁を使って負荷を調整すれば安全に行えます。関節や筋力の維持に役立ち、転倒予防にもつながります。
監修者プロフィール
パーソナルトレーナー
深澤 智也(フカサワ トモヤ)
■経歴
2010〜2020年 海上自衛隊
2020年 2ndPASS(パーソナルトレーナースクール)卒業
2021〜2022年 仙台市キックボクシングジム所属(ボディメイクトレーナー)
2022年〜現在 パーソナルトレーニングジム 9INE-GYM設立
■保有資格
NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)
NESTA-FAS(ファンクショナルアナトミースペシャリスト)
CBMS(認定ファンクショナルボディメイクスペシャリスト)
KUBIRE ARTIST
普通救命講習終了
■コンテスト歴
自衛隊プレミアムボディ2019 ファイナリスト
ベストボディジャパン2021日本大会 TOP10入り
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク新人 優勝
マッスルゲート仙台2025 メンズフィジーク一般 3位
<Edit:編集部>
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