有酸素運動は20分以上やらないと効果ない?脂肪燃焼のウソ・ホント (1/2)
筋トレをしていると、カラダにまつわるさまざまな噂話が気になるもの。テレビやネットに出ていた健康情報を交換し合ううちに、どれが本当でどれが嘘なのか分からなくなってしまいますね。
今回はトレーニングにまつわるよく聞く疑問を取り上げ、それが本当なのか間違いなのか、回答・解説していきます。
有酸素運動は20分以上続けなければ効果がない?
ダイエットのために行うウォーキングやジョギング、エアロバイクなどの有酸素運動。
これらは20分経った頃からようやく脂肪が燃焼し始めるので、それ以下の時間では効果がないと耳にしたことはないでしょうか。もしそうなら、時間があまり取れない人にとって、有酸素運動は高いハードルになります。
でも安心してください。これは間違いです。
5~10分程度でも脂肪は燃焼される
カラダを動かすときにエネルギー源として使われる脂肪は、血中に流れている脂肪(遊離脂肪酸)です。そして血中の脂肪は、運動直後から燃焼されているということが分かっています。
運動を始めて血液中の脂肪が少なくなってくると、体脂肪と呼ばれる皮下脂肪や内臓脂肪が分解されて血中に放出されます。実はこの体脂肪の分解が、20分くらいから早まると言われているのです。
そのため、「20分以上しないと脂肪は燃焼しない」という情報が存在しています。
ある研究では、短時間(5~10分程度)の有酸素運動でもこまめに行うことで、体脂肪が減るという結果が出ているようです。有酸素運動は1度に長時間行うより、できるだけ毎日こまめに継続していくことをオススメします。
たとえばこんなラフな運動でもOK!
筋トレしなくなると筋肉が脂肪に変わるって本当?
筋トレをやっても、途中で辞めてしまえばついた筋肉が脂肪に変わって余計に太ってしまう。そんな噂を聞いたことはありませんか? そんなことを聞くと「筋トレしないほうがよいのでは」と考えてしまいますよね。
安心してください、これは間違いです。
筋肉は脂肪に変化しない
「筋肉」と「脂肪」はまったく別のもので、お互いが変化するということはありません。筋肉が脂肪に変わったと感じるのは、筋トレを辞めたことで筋肉量が少なくなる一方、運動量の低下によって同時に脂肪がついてしまうからです。
ただし、直接筋肉が脂肪に変わっているわけではないのですが、脂肪が増えてしまうことに変わりありません。
そのため、筋トレを辞めてしまう場合は、食事面での調整によって体脂肪を増やさないようにする必要があります。
脂肪に変化はしないが、筋肉量に変化は出る
筋トレをやめると、同然ですが筋肉量は減っていきます。「筋トレをやめると筋肉量は落ちる?対策方法は?メガロストレーナーが解答」によると、3~6か月ほどトレーニングを中断するとトレーニング開始時の状態に近づいてしまうとのこと。
トレーニング中断から4週間目以降は、実際に筋繊維の萎縮が始まるとされています。
では、筋トレと有酸素運動、どちらを先にやればいいのでしょうか。
筋トレと有酸素運動、どっちを先にやればいい?
脂肪燃焼が目的なら筋トレが先!
筋トレと有酸素運動を同日に行う場合、どちらを先に行ったほうがいいのか迷う人は多いでしょう。
この疑問も、ある研究によって「筋トレ→有酸素運動」という順が脂肪燃焼に効果的という結果が出ています。ちなみに、筋トレは筋肉量の維持・増量に役立つと同時に、筋トレ後の2~3日間は代謝が上がりやすく、脂肪が燃えやすい状態になると言われています。
関連記事:トレッドミルとマシントレーニング、どっちを先にやるべき?ティップネストレーナーが解説
筋肥大目的の場合、筋トレと有酸素運動は違う日に行う
ここで注意するポイントがひとつ。筋肉をつけたいという目的の場合、筋トレ後の有酸素運動を長時間やりすぎると、筋トレによる筋肥大の効果が薄れてしまうということも分かっています。
もし筋肉を大きくしたいのであれば、筋トレと有酸素運動は違う日に実施した方がよさそうです。
1日に有酸素運動を行う時間が30分を超えると、おもに下半身の筋トレ効果が下がり始めます。その後は有酸素運動時間が長くなるに伴い、下半身の筋トレ効果は反比例して低下する傾向が続きます。そして、1日あたりの有酸素運動時間が60分を越えると、筋肥大効果がほぼゼロになってしまいます。
有酸素運動を行う頻度も、筋肉への影響を大きく左右します。週1回の有酸素運動ならほとんど悪影響はありませんが、同時に脂肪を燃やす効果もありません。有酸素運動が週3回を超えると、筋トレ効果が低減する程度が大きくなることが分かっています。
筋トレとランニングの組み合わせがもっとも体脂肪を減らす。「筋トレ+有酸素運動」の効果を最新研究から考える より