フィットネス
2024年5月7日

なわとびのカロリー消費はランニング以上。ダイエット効果を高める跳び方とトレーニングメニュー (1/2)

 近年、ダイエット効果のある運動として「縄跳び(なわとび)」が注目を集めています。有酸素運動であるなわとびには、脂肪燃焼効果が期待できます。しかも、ただ痩せたいという人だけでなく、筋肉を鍛えたい、健康な体づくりをしたいなど、さまざまなニーズにマッチするトレーニングなのです。一体、なわとびが体にどんな効果をもたらすのか? 跳び方と合わせて紹介していきます。

なわとびの効果と鍛えられる部位

体幹を鍛え、特に太もも&腰の強化につながる

 なわとびは体の47種類ほどの筋肉を使う全身運動であり、上半身をまっすぐに保って跳ぶことで、体幹を鍛えることができます。

 また、跳躍の動作と着地時の姿勢により酷使される、大腿四頭筋(太ももの表側の筋肉)や腰の上部が鍛えられます。つま先で跳び続けるため、ふくらはぎの引き締めにも効果が期待できます。

脂肪燃焼、持久力強化、心肺機能の向上につながる

 もちろん、有酸素運動であることから、脂肪燃焼、持久力アップ、心肺機能の向上にもつながります。

なわとびのメッツ(運動強度)はランニングより高い

 なわとびのメッツ(運動強度)は、8.0~12.0程度とされています。メッツとは身体活動の強さを、安静時を1.0としてその何倍に相当するかで表す単位です。走る速さで異なりますが、時速8キロでのランニングのメッツが8.3程度。なわとびは、ゆっくり(毎分100ステップ未満)跳んで8.8、速く(毎分120~160ステップ)跳んで12.3程度に相当します(独立行政法人 国立健康・栄養研究所 2012年「改訂版 身体活動のメッツ(METs)表」を参照)。

 つまり、ただ跳ぶだけで安静時の8~12倍と、ランニング以上のカロリー消費が期待できるのです。

・座位:書く、デスクワーク、タイピング 1.3 METs
・食事をする:座位 1.5 METs
・入浴:座位 1.5 METs
・シャワーを浴びる:タオルで拭く、立位 2.0 METs
・ストレッチ:ゆったり 2.3 METs
・子どもの世話:幼児、全般 2.5 METs
・水中歩行:楽な労力、ゆっくり 2.5 METs
・ベッドメイク:リネンを交換する 3.3 METs
・掃除:カーペットやフロアの掃き掃除、全般 3.3 METs
・階段を降りる 3.5 METs
・散歩 3.5 METs
・体操:全般 3.8 METs
・階段を上る:ゆっくり 4.0 METs
・部屋の片づけ 4.8 METs
・レジスタンス(ウェイト)トレーニング:スクワット、ゆっくりあるいは瞬発的な努力で 5.0 METs
・ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分未満)  6.0 METs
・ランニング:マラソン 13.3 METs

身体活動基準「METs(メッツ)」&「Ex(エクササイズ)」とは。メタボ予防に効果的な運動量も解説 より

メッツが高い運動は怪我の危険性も高まる

 ただ、メッツが高い運動ほど、体に強く負荷がかかって怪我の危険性が高まるので注意が必要となります。なわとびにおいて多いのは、膝や腰を痛める怪我です。よほどアクロバティックな跳び方をしない限りそれほど心配はありませんが、無理なく足腰の負担とならない、適度な高さのジャンプを心がけましょう。

 あまりに高いジャンプを試みたり、二重とびを続けたりすると、足腰のバネを多用しすぎてその部位に大きな負担がかかってしまいます。

ジムやジョギング前のウォーミングアップに最適

 ジャンプが競技の重要な要素となるフィギュアスケーターをはじめ、さまざまなスポーツ界のプロ選手たちが、ウォーミングアップになわとびを活用していることが知られています。

 ウォーミングアップには、じんわり汗をかいて体があたたまるくらいの運動が必要です。運動に取り組む前に全身をあたためてほぐし、体をうまくコントロールできるようにならなくてはいけません。その点、なわとびは全身の筋肉運動、かつ有酸素運動であり、場所も時間も取らないのでウォーミングアップに最適。単独の運動としてだけでなく、運動前のウォーミングアップにも取り入れてみましょう。

なわとびの基本的な跳び方

なわの長さ 

 なわの長さは、片足でなわを踏んでピンと張り、グリップ部分が胸とへその間のあたりにくる程度がベストです。

跳び方の基本

 そして、跳び方の基本は脇をしっかりとしめること。脇が広がるとなわも広がり、引っかかりやすくなってしまいます。跳んでいるうちに脇が広がる人は、タオルなどを脇に挟んで跳び続け、正しいフォームを体に覚えさせましょう。

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