
ギリシャヨーグルト、食べるメリットとは?栄養と効果的な食べ方[管理栄養士監修] (2/3)
ダイエットにヨーグルトは効果的か
ヨーグルトには、便秘によるポッコリおなかの解消を助ける働きがあります。
腸の中にはカラダにいい働きをする善玉菌と、悪い作用をもたらす悪玉菌がいます。善玉菌の代表はヨーグルトに多く含まれる乳酸菌やビフィズス菌。この善玉菌が増えることで、腸内環境が整えられ、腸の働きがよくなりやすくなるのです。
腸の状態がよくなると排便がスムーズになり、スッキリおなかにつながります。
ヨーグルトは花粉症にいいってホント?
花粉症は免疫反応の暴走で起こります。体内の免疫細胞の70%が腸内に存在していると考えられているため、腸内環境を整えることで免疫機能が正常に働き、花粉症の症状を抑える可能性があります。
善玉菌を多く含むヨーグルトを定期的に食べることは、腸内環境の改善に役立ちます。
とはいえヨーグルトばかり食べていると栄養バランスが偏り、逆効果にもなりかねません。あくまで補助食品としていただきましょう。
ヨーグルトを食べると免疫力は高まるのか
腸内に住む善玉菌は、食物繊維などをエサにして短鎖脂肪酸を作り出します。この短鎖脂肪酸は腸壁を刺激して排便を促したり、免疫細胞を活性化させたりする働きがあるのです。
善玉菌の代表がヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌。生活にヨーグルトを取り入れると、免疫力向上の助けになります。
筋トレ時のたんぱく質補給にもヨーグルトは有効
肉や魚に比べると、ヨーグルトのたんぱく質量は少ないものの、調理せずに手軽に食べられるのは魅力です。
また、ギリシャヨーグルトだとタンパク質も10gほど含まれているので、トレーニングをする人はやはりギリシャヨーグルト一択。
たんぱく質は構成するアミノ酸の数や種類、またペプチド結合の順序によって種類が異なります。どれかひとつの食材に偏ることなく、さまざまな食材を組み合わせて食事をすると、効率的にたんぱく質補給ができるでしょう。
ちなみに、たんぱく質源になる食材と、100g当たりのたんぱく質含有量は以下の通りです。
- ぶたヒレ肉:22.2g
- とりむね肉:21.3g
- 牛もも肉:19.3g
- かつお:25.8g
- まぐろ:24.3g
- 卵:12.2g
- 木綿豆腐:7.0g
- ヨーグルト:3.6g
- ギリシャヨーグルト:9.1~10.8g
ヨーグルトの起源と歴史も学ぼう
じつは、最初の発酵乳がいつどこで食べられ始めたかについて、はっきりしていません。
ヨーグルトは数ある発酵乳のひとつ。世界最古の遊牧民である中央アジアのエリアン人は、馬や羊の乳を発酵させた飲み物を飲んでおり、紀元前1300年ごろにはメソポタミアで発酵クリームが作られていたことが分かっています。
日本には明治時代にヨーグルトの前身となる凝乳(ぎょうにゅう)が売り出されましたが、本格的に生産されたのは戦後になってからです。
ヨーグルトの種類と特徴
原料乳に乳酸菌や酵母を加えて発酵させたものを発酵乳といいます。日本で発酵乳といえばヨーグルトが一般的です。厚生労働省の省令で発酵乳の成分規格は以下のように決められています。
- 無脂乳固形成分8.0%以上
- 乳酸菌数または酵母数が1,000万/gまたはml以上
また、ヨーグルトは形状によって大きく3種類に分けることができます。
(1) 食べるヨーグルト(糊状)
牛乳などを乳酸菌で発酵させただけのものはプレーンヨーグルトと呼ばれています。さらに水分を抜いて濃厚でクリーミーな食感にしたギリシャヨーグルトへの関心が高まっています。
(2) 飲むヨーグルト(液状)
発酵後に固まったヨーグルトを攪拌し、液状にしたドリンクタイプのヨーグルトです。果汁や甘味料などをくわえる場合もあります。
(3) フローズンヨーグルト(凍結状)
発酵したヨーグルトを攪拌しながら凍結したもので、乳酸菌がしっかり生きています。アイスクリームに比べ低脂肪ということもあり、とくに健康に対する意識が高い人たちに人気です。
おすすめのトッピングやアレンジレシピ
オートミールをちょい足し
腸内環境の改善を目的にヨーグルトを食べるのなら、オートミールを混ぜるのもいいでしょう。
オートミールの特徴は豊富な食物繊維を含む点。ヨーグルトで善玉菌、オートミールで善玉菌のエサになる食物繊維を摂れば、鬼に金棒です。
レンジで温めてホットヨーグルトに
また、一般的なヨーグルトに使われている乳酸菌は20〜45℃でもっとも活発に働くといわれています。
電子レンジなどで少し温めてホットヨーグルトにしてから食べると、発酵の力をさらに多く受けることができます。
自宅でできる水切りヨーグルトの作り方
特別な印象のあるギリシャヨーグルトですが、自宅でも水切りをすることで好みに合わせたヨーグルトが作れます。
ボウルにザルを乗せてキッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを乗せラップをして、冷蔵庫に入れて放置するだけでOKです。
1パック(400g)のヨーグルトの場合、1〜2時間おくとふんわりした食感に、3〜4時間おくとしっかりめに、一晩おくとかなり硬く仕上がります。
分離した水分(乳清)にも栄養が含まれますので、ドリンクやスープなどにして無駄なく食べましょう。