タンパク質、摂りすぎるとどうなる?過剰摂取のライン[医師解説] (2/2)
たんぱく質摂取量の上限を決める根拠となる報告はまだない
以上まとめると、現時点ではたんぱく質摂取量の上限を設定し得る明確な根拠となる報告はありません。
既存の情報を整理すると、日常的に摂取するタンパク質の量としては以下の範囲内に収めるとよさそうです。
負荷の低い運動習慣のある方、運動習慣のない方
〜2.0 g/kg/日 (体重50kgなら100g/日)
摂取エネルギーの20〜25%
※長期的なリスクは少ないと考えられます
運動の強度が高い方、病気により体力を消耗しているとき
〜3.5g/kg体重/日 (体重50kgなら〜175g/日)
※許容できますが、漫然と継続することは推奨できません
|
摂取量 |
備考 |
・運動習慣がない人 |
〜2.0 g/kg/日 |
長期的な摂取のリスクは少ない摂取量だと考えられます。 |
・負荷の高い運動習慣がある人 |
〜3.5g/kg/日 |
左記の量の摂取は許容できますが、目的もなく摂取を継続することは推奨できません。 |
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(*1)Bilsborough S et al.A review of issues of dietary protein intake in humans. Int J Sport Nutr Exerc Metab.2006;16(2):129-152
(*2)Wu G.Dietary protein intake and human health. Food Funct.2016;7(3):1251-1265.
(*3)Antonio J, et al. The effects of consuming a high protein diet (4.4 g/kg/d) on body composition in resistance-trained individuals. J Int Soc Sports Nutr. 2014;11:19.
監修者プロフィール
ディオクリニック
理事長/統括医師 藤井崇博先生
医学博士、循環器内科専門医で医療法人三橋医院理事長。専門領域は循環器内科で心臓領域を専門としており、研修医から2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。循環器内科専門医、循環器内科領域での医学博士号を取得。現在も循環器疾患を含め外来での診療は継続している。循環器内科医としてさまざまな患者さまの診察に日々従事する中で、何よりも大事なのは未病、医学的には一次予防と呼ばれる未然に病気になるのを予防しようとする意識が大事だと感じている。SNSやその他コラムなどで、健康に有益な情報の発信にも注力している。
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<Text:編集部>