オートミールは体に悪い?「肝臓に負担」「脂肪肝になる」という噂は本当なのか[管理栄養士監修] (2/2)
「胃がムカムカする」「腸内環境が悪化する」のはなぜ?
オートミールを食べて胃がムカムカする・腸内環境が悪化する場合は、オートミールに多く含まれている不溶性食物繊維が関係していると考えられます。
食物繊維には、「水溶性」と「不溶性」があります。オートミールに含まれている不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、胃の負担になる恐れがあるため、食べすぎると胃がムカムカすることがあるのです。
しかし、不溶性食物繊維は、消化管内でかさを増し、便の量を増加させ、排便を促す効果が期待できる体に良い栄養素です。胃がムカムカする人は、以下の対処法を実施してみましょう。
胃がムカムカする人への対処法
- オートミールの摂取量を減らす
- オートミールをしっかりふやかす など
管理栄養士直伝! オートミールの胃に優しいレシピ
オートミールを食べて胃がムカムカする人は、以下の胃に優しいレシピを試してみてください。少ない材料で簡単に作れるので、お料理初心者さんにもおすすめです。
管理栄養士・田中さんによる「消化器症状を抑える」ポイント
・適量を調理する(1食30g)
・消化に良い状態にするためふやかす
・脂質を抑える
レシピ① レンチン卵雑炊風オートミール
※写真はイメージです
材料
- オートミール:30g
- 水:200ml
- 卵:1個
- 和風顆粒だし:小さじ1
- ネギや刻みのり:お好みで
作り方
- 耐熱容器に、オートミール・水・顆粒だしを入れて、混ぜ合わせる
- ①にラップをかけて、600wで1分半加熱する
- 1分半後、容器を一度取り出し、溶き卵を合わせる
- 再びラップをして、600w2分ほど加熱する
- 最後にお好みでネギや刻みのりを加えて完成!
レシピ② 豆乳リゾット風オートミール
※写真はイメージです
材料
- オートミール:30g
- 無調整豆乳:200ml
- 卵:1個
- 粉チーズ:大さじ1
- 塩:2つまみ
- コンソメ:小さじ1/4
- 乾燥パセリ:お好みで
作り方
- 鍋に、オートミール・豆乳・塩・コンソメを入れて弱火で5分程煮る
- 溶き卵を回し入れて、チーズを加えて混ぜ合わせる
- 器に盛って、パセリをお好みで振って完成!
レシピ③ サムゲタン風オートミール
※写真はイメージです
材料
- オートミール:30g
- 水:300ml
- ネギ:40g
- ほぐしチキン(サラダチキンなどでも可):50~80g
- にんにく・生姜チューブ:各少々
- 料理酒:少々
- 鳥ガラ顆粒だし:小さじ1
- 塩:ひとつまみ
- コショウ:お好みの量
作り方
- ネギを食べやすい大きさに切る
- 鍋に塩コショウ以外の材料をすべて入れ、中火で3~4分加熱する
- 器に盛りつけて塩・コショウを振って完成!
おさらい! オートミールのメリット
タンパク質が豊富
オートミールは、タンパク質が100gあたり13.7gと豊富です。
タンパク質は、人の生命維持や活動に欠かせない「脂質」「糖質」と並ぶ3大栄養素の1つで、ホルモン・酵素・免疫物質などを作り、栄養素の運搬を行ってくれる栄養素です。
1日に必要なタンパク質量は約50g(性別や年代などによって異なります)ですが、いつもの食事だけでは不足することがあるので、オートミールで補えるのは嬉しいポイントです。
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食物繊維が豊富で腸内環境を改善できる
オートミールは、食物繊維やミネラルも豊富な食品です。特に食物繊維は玄米の約3倍とたっぷり!
食物繊維は、善玉菌のエサになることで腸内環境の改善が期待できます。その結果、便秘の解消・栄養素の効率的な吸収に役立つと考えられます。
お米に比べて低カロリー&低糖質
1食あたりのオートミールとお米と比べると低カロリー&低糖質のため、ダイエット中の人におすすめです。お米をオートミールに置き換えるだけで、摂取カロリーをカットできます。
▼カロリーと糖質の比較(1食あたり)
オートミール | 白米 | |
エネルギー | 105kcal | 234kcal |
糖質 | 17.9g | 53.4g |
※オートミール1食分30gと白米お茶碗1杯分150gを比較しています
ただし、はちみつや大量のフルーツをトッピングすると、カロリーも糖質も大きく上がってしまうので食べ方には注意が必要です。
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監修者プロフィール
三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック
管理栄養士 田中恭子さん
美術専攻の大学を卒業後、管理栄養士を目指すべく管理栄養士過程を卒業。学校給食、病院給食を経て、現在は『三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック』にて、糖尿病をはじめとした生活習慣病の食事指導に従事。体組成計を用いて、筋肉量と体脂肪率・内臓脂肪などを踏まえ、患者さまに寄り添った実現可能な食生活を目指す。毎月の院内紙を構成・編集・レシピ開発・挿絵と特技を生かして執筆中。院内紙バックナンバーは、ホームページよりご参照ください。
<Text:編集部>