なぜプロテインは「朝こそ飲むべき」なのか?管理栄養士の視点からお答え! (2/2)
プロテインの栄養不足を補うオススメ食材
朝にプロテインと一緒に摂ると栄養バランスがよくなる、簡単に食べられるオススメ食材を3つ紹介します。
- おにぎり
- バナナ
- 牛乳をかけたシリアル
それぞれの食材を見ていきましょう。
おにぎり
プロテインと一緒におにぎりを摂ることで、炭水化物の不足分を調整できます。
たとえば、コンビニのおにぎり1個には約40gの炭水化物が含まれているので、エネルギー源としてピッタリです。紅サケやツナのおにぎりをチョイスすれば、タンパク質も4〜5g摂れます。
おにぎりは腹持ちもよい
また、おにぎりの消化吸収時間は2.5〜3時間で、パンやパスタなどの小麦食品に比べて消化吸収に時間がかかります。
お米は粒状のまま食べるので、体内で溶かしてから中のデンプンを消化します。そのため、消化吸収に時間が長くかかり腹持ちがよいのです。
お米の種類を玄米や雑穀米にすれば、消化吸収時間がさらに長くなり、食物繊維やミネラルもアップします。おにぎりは手軽に食べられるのも魅力ですね。
バナナ
朝プロテインと一緒に摂る食材として、バナナもおすすめです。
普通サイズのバナナ1本には約27gの炭水化物が含まれています。ビタミンB群・カリウム・マグネシウム・食物繊維なども豊富なので、朝からの活動をしっかりサポートしてくれます。
また、一般的な果物の消化吸収時間が20〜30分なのに対して、バナナの消化吸収時間は1〜1時間半。バナナの炭水化物にはデンプンが多く含まれているため、他の果物に比べて消化吸収に時間が長くかかり、腹持ちがよいのです。
しかも、バナナの果肉はやわらかく、消化酵素のアミラーゼを含んでいるため、胃に負担をかけずに食べられます。皮を剥くだけですぐに食べられるのも魅力ですね。
牛乳をかけたシリアル
牛乳をかけたシリアルは、栄養バランスを向上させ、エネルギーを持続させるのに有用です。
シリアルには、炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれています。牛乳をかけることで、タンパク質・脂質も摂れ、ほぼすべての栄養素をカバーできます。
シリアルのおすすめは「フルーツグラノーラ」。フルーツには、素早くエネルギーになる果糖が含まれているので、朝のエネルギー補給にピッタリです。
また穀物には、ゆっくりと消化吸収されるデンプンが含まれているので、午前中のエネルギー確保に役立ちます。
シリアルは、手軽に食べられるのも魅力です。袋からお皿に出して牛乳をかけるだけなので、10秒もあれば栄養満点の朝食を用意できます。
夜のプロテイン摂取もおすすめ
プロテインは朝だけでなく、寝る前の摂取もおすすめです。
就寝の30分〜1時間前を目安に10〜20gのプロテインを摂ることで、睡眠中もタンパク質の供給が続き、筋肉量の増加や疲労回復が促進されます。
入眠から約90分が大事なタイミング
人間は、入眠から1時間ほどでもっとも眠りが深い状態となり、約90分間続きます。そして、眠りが最も深くなるタイミングに合わせて、成長ホルモンの分泌も盛んになるのです。
したがって、就寝の30分〜1時間前にプロテインを摂取しておけば、成長ホルモンの分泌が最も活発になるタイミングに合わせてタンパク質が供給されます。その結果、筋肉量の増加や疲労回復が促進されるのです。
ただし、就寝直前は胃に負担がかかるため控えましょう。
朝プロテインで1日のパフォーマンスが高まる
朝にプロテインを摂取すると、筋肉量の維持や基礎代謝のアップ、体内時計のリセットなどうれしい効果が期待できます。ただし、プロテインだけでは必要なエネルギーが不足するため、おにぎりやバナナ、シリアルなどで補う必要があります。
朝はプロテインを摂取する絶好のタイミングです。朝プロテインでしっかりとタンパク質を摂り、1日を元気にスタートさせましょう。
参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」
監修・執筆者プロフィール
あんしん漢方 管理栄養士
小原 水月
管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。
<Edit:編集部>