ウェルネスフード
2023年11月16日

カフェインは筋トレやダイエット効果を高めるのか。1日の摂取量と中毒症状を防ぐ飲み方、コーヒー豆知識[管理栄養士監修] (4/4)

【コーヒー豆知識】コーヒーでカフェインを美味しく摂ろう

カフェインの最後は、やはり飲み物としてのコーヒーの話で締めくくりましょう。

コーヒーは古くから食用されており、その起源にはいくつもの説があってハッキリしません。今のように豆を炒って飲むようになったのは13世紀からといわれます。一般に広まったのはヨーロッパでカフェ(コーヒーハウス)が開業した17世紀で、次第に世界へと広がっていきました。

飲み物としてのコーヒーは約99%が水分。たんぱく質や脂質なども微量含まれていますが、コーヒーから栄養を摂ることはほぼできません。さらに200mlのブラックコーヒーのカロリーは8kcalと、カロリーもほとんどありません。

しかし、砂糖を入れると31kcal、砂糖+ミルクで40kcal、カフェオレで71kcalまで上がるので、ダイエット中の方は要注意です(文部科学省「食品成分データベース」をもとに試算)。

一方、コーヒーには、苦味成分であるカフェインをはじめ、クロロゲン酸、ポリフェノール、オリゴ糖、タンニン、褐色色素、ニコチン酸(ナイアシン)などさまざまな成分が含まれています。

カフェイン以外では、クロロゲン酸などのポリフェノールに注目です。ポリフェノールには活性酸素を除去し、過酸化脂質の発生を抑える働きがあり、抗疲労作用、抗酸化作用、抗ガン作用、抗ウイルス活性などの効果が期待されています。

ニコチン酸(ビタミンB群に属する必須栄養素)にも血液中のコレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する効果があります。

また、アロマと呼ばれるコーヒーの奥深い香りの成分にも、抗酸化作用のある物質が300種以上含まれていますが、残念ながら淹れて5分ぐらいで消えてしまうそうです。

健康に良いコーヒーではありますが、もちろん飲み過ぎれば副作用も。胃が荒れたり、睡眠の質に影響を及ぼしたり、夜眠れなくなったり、健康に害を与える場合もあります。特に妊娠中の女性は、カフェインを過剰に摂取すると胎児に酸素や栄養素が届きにくくなるとされます。

最近は、カフェイン成分が少ないカフェイン抜きインスタントコーヒーやコーヒー豆も販売されているので、コーヒーが苦手な人や妊婦さんにおすすめです。

その際、「カフェインレス」という表示はカフェインが完全にカットされたものではなく、また「ノンカフェイン」でもまったくゼロではない場合もあるので注意しましょう。

    • カフェインレス……カフェインを90%以上取り除いたもの
    • デカフェ……………カフェインレスのこと
    • ノンカフェイン……まったくカフェインが含まれていないものかゼロに近いもの(麦茶やハーブティー等)
    • カフェインフリー…ノンカフェインと同じ

コーヒーには覚醒作用など一時的な効果だけでなく、摂取量にもよりますが、がんや糖尿病、動脈硬化、脳卒中など医学的予防にも有効という研究成果が多く報告されています。発見当時から秘薬として利用されてきたのも当然ですね。

自分の健康やライフスタイルに合わせてコーヒーを楽しんでください。

関連記事:カフェインレスコーヒーの代わりに「チコリ珈琲」もおすすめ。ノンカフェインで栄養豊富な飲み物です|編集部の食レポ

[監修者プロフィール]
深野祐子(ふかの・ゆうこ)
管理栄養士・ジョギングインストラクター。Japanマラソンクラブでインストラクター兼フードアドバイザーとして市民ランナーに向け走り方の指導や食事の指導を行う。

<Text:渡辺幸雄/Edit:京澤洋子(アート・サプライ)>

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