ウェルネスフード
2023年11月16日

カフェインは筋トレやダイエット効果を高めるのか。1日の摂取量と中毒症状を防ぐ飲み方、コーヒー豆知識[管理栄養士監修] (3/4)

健康のことを考えた、効果的なカフェインの摂り方

トレーニングだけでなく、日常生活の中でも健康的にカフェインを摂取する注意点を再度まとめておきましょう。

●個人差がある感受性に注意

感受性の高い人が多量に摂取した場合、交感神経活動が亢進(こうしん)し過ぎたり、心臓等の循環系に大きな負担がかかる場合があります。

過度に怖がる必要はありませんが、自分のカラダに合うか合わないかは、自分自身で見極めていく必要があります。

●過剰摂取に注意

カフェインを過剰に摂取した場合、めまい、興奮、不眠症、吐き気などの健康被害をもたらすことがあります。食品の組み合わせで知らないうちに多量のカフェインを摂取してしまうこともあるため、注意しなくてはなりません。

とくにエナジードリンクやサプリメントは、コーヒーなどの飲料と比較してより多くのカフェインを含んでいます。

さらに、缶入りの飲料は飲み切らなくてはならないので、思っている以上に摂取してしまいがち。眠気覚ましでエナジードリンクを立て続けに何本も飲むのはNGです! 

●摂取のタイミングに注意

カフェインを多く含む飲み物とともに摂取した場合、吸収を阻害してしまう栄養素があるので注意が必要です。

たとえば、コーヒーや緑茶、紅茶、ウーロン茶などにはタンニンが含まれます。タンニン自体には抗酸化作用がありますが、一方で鉄や亜鉛などの吸収を抑えてしまいます。

さらにカフェインの利尿作用により、鉄や亜鉛の吸収を助けてくれる水溶性のビタミン=ビタミンCも、余計な水分とともに排出されてしまいます。

貧血が気になる人や、カラダをしっかりつくりたい、筋肉をつけたい人は、食事とともにお茶を飲むのではなく、食事と食事の間のタイミングで楽しむのがおすすめです。

●摂取の時間帯に注意

カフェインには体内時計を動かす作用があります。体内時計とは脳と胃腸などの臓器に備わった機能で、1日の活動をコントロールしています。この体内時計が整うことで消化や吸収の力が高まり、カラダは本来の力を発揮しやすい状態となります。

つまり、健康を考え、カラダづくりをしたり、筋肉をつけたり、運動のパフォーマンスを高めたい場合には、体内時計が整っていることがマストなのです。

しかし、夜遅くまでの仕事、PCやスマホ、不規則な食事、ストレスなどが多い現代の生活では、体内時計は乱れやすい状況にあります。

体内時計をリセットするのにもっとも効果的なのは、毎日起きたら朝日を浴びることと朝食を摂ることですが、朝にカフェインを摂取すると体内時計を早めることができます。朝のコーヒータイムは実に理にかなっているわけです。

一方で、夕方以降は体内時計を遅らせてしまうことがわかっています。夕方以降のコーヒーやお茶は体内時計を乱す原因にもなるので、避けるようにしましょう。

「カフェインにはさまざまな作用があり、上手に使えばとても役立つものです。食品はもちろん、サプリメントとして摂取する場合には、過剰摂取のリスク、個人によって感受性が異なる点をしっかり理解したうえで、まずは少量から試していくこと。自分の体質に合うのか? コンディションはどうか? といった点を自分自身で確認しながらとり入れていくことが大事です」(深野さん)

続いて、コーヒー豆知識です。

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