ウェルネスフード
2023年11月16日

カフェインは筋トレやダイエット効果を高めるのか。1日の摂取量と中毒症状を防ぐ飲み方、コーヒー豆知識[管理栄養士監修] (2/4)

カフェインが含まれる食品とその含有量をチェック!

カフェインはコーヒー豆、茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分のひとつです。多く含まれる食品の代表は、やはりコーヒーとお茶でしょう。

そのほかにもコーラ、チョコレート、眠気覚ましのチューイングガムなどの食べ物が挙げられます。

●食品中のカフェイン濃度

(2019年における日本食品標準成分表2015年度版(七訂)のデータ更新 より作成)

エナジードリンク類は缶や瓶で購入することが多いと思いますが、成分表示は100mlあたりで表記されていることが多いので、1本(1瓶)あたりどれくらいの量が含まれているのかを確認しておく必要があります。

一覧を見ると玉露のカフェイン濃度の高さが際立ちます。しかし、実際に淹れるときに使用する茶葉は1人分ティースプーン1杯(2g)、お湯の量は50ml程度ですので、1杯あたりのカフェインは表の約1/5ほどになります。

高級な玉露は煎茶のようにガブガブと飲むものではないので、問題ないと思われます。

コーラやチョコレートにもカフェインは含まれている

ちなみに「コカ・コーラ」に含まれるカフェイン量は10mg/100mlで、レギュラーコーヒー(浸出液)の約1/6ほど(ただし飲む量によってはコーヒーと同等程度かそれ以上になる場合もあります)。

また、チョコレートは含まれるカカオマスの量によって異なり、ミルクチョコレート50g(板チョコ1枚ぐらい)で15mgのカフェインがあり、カカオマスの多いハイカカオチョコレートではカフェインの量も増えます。

関連記事:高カカオ(ハイカカオ)チョコレートの効果と食べ方。健康やダイエットにいいってホント? [栄養士監修]

カフェインの1日の摂取量の目安は?

カフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起がなされています。以下、詳細をまとめたリストです。

●海外の専門機関による主なリスク評価

(食品安全委員会ファクトシートより転載)

※注1 乳児に健康リスクは生じない 
※注2 1回あたり摂取量約3mg/㎏体重以下(例:体重70㎏の成人で約200mg以下)であれば急性毒性の懸念は生じない

管理栄養士の深野裕子さんはこう注意します。

「カフェインの感受性には個人差が大きく、健康におよぼす量を正確に評価することができないことが理由となり、日本では1日の摂取許容量の設定がなされていません。とはいえ上限がないわけではなく、1日のカフェイン摂取量は300mg/日(5mg/・体重)にとどめるべきとする報告(注1)もあるので、この辺を目安にしておくといいでしょう」

(注1:『日常生活の中におけるカフェイン摂取 -作用機序と安全性評価- 』栗原 久 東京福祉大学・大学院紀要 第6巻 第2号 (Bulletin of Tokyo University and Graduate School of Social Welfare) pp109-125 (2016,3))

摂りすぎに注意!カフェイン中毒の症状

眠気覚ましなどの効果があるカフェインですが、その感受性は個人差が大きく、人によっては気分が悪くなることがあります。

カフェインに弱い人でなくても、過剰に摂取すると中神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの健康被害をもたらす場合があるので注意が必要です。

しかも、日常的に多くのカフェインを摂っていると感受性が次第に低下し、カフェインを摂取しないと眠気や疲労感、集中できない状態になってしまうこともあります。すると、摂取量がどんどん増え、最後には中毒症状を引き起こす量まで増加。これがカフェイン依存症です。

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