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2025年7月16日

ストレートネック(スマホ首)の原因・症状・自分でできる治し方&ストレッチ[整形外科医監修] (2/2)

自分でできるストレートネックの治し方。矯正グッズもアリ!

常に首が痛くなくとも、自分はストレートネックになりかけているのかな? と思った人は、以下の予防策を試してみましょう。

スマートフォンやタブレットは目線の位置で見る

何気なく使うと胸かお腹の位置で見ていることが多いと思います。これだと猫背になるので、首に負担がかかります。できる限り目線の位置まで上げ、正面から見るようにしましょう。

机があるときは、ひじをついて使うと目線が上がります。またタブレットの場合は、スタンドを使うことも有効です。

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ノートパソコンを置く位置を工夫する

ノートパソコンは、画面をのぞき込むように使うことが多くなります。しかもテレワークで使用頻度と時間が増えたため長時間猫背になる可能性が高まりました。

そこで、箱やスタンドを上手に使って少し目線を上げるようにしましょう。使いづらいときは、外付けキーボードも活用してみてください。

イスを交換・調整してみる

正しい姿勢で座るには、どんなイスを選ぶのかも大切です。特に長時間座り続けるイスの場合は、背もたれは肩まであり、背中含めて面で支えてくれるイスが最適です。ゲーミングチェアやレーシングチェアの形というと想像しやすいかもしれません。

会社などでイスを変えられないときは、背もたれや腰の位置にタオルやクッションを入れて調整してみてください。

枕を交換もしくは高さを調整してみる

枕の高さが合っていないと、寝ている間でも首に負担がかかります。理想は、立っているときと首の形や頭の位置がある程度維持できる枕となります。

低すぎて首が下がったり、首が当たる部分が隆起していて後頭部が下がったりしてしまう枕は避けましょう。

「枕はその人に合った高さが維持できるものを選ぶといいでしょう。高さを意識するとき、素材を気にされる方もいますが、素材はウレタンでもそば殻でも高さがキープできれば問題ありません。羽毛は沈み込みますが、沈んだ後高さがキープできればいいのです。素材は好みで選んでください」(竹谷内先生)

【一問一答】肩こり、首コリ対策に!寝具メーカーが教える「枕の正しい選び方」

ストレートネック対策のストレッチ

自分自身でできるストレッチを竹谷内先生に教えていただきました。簡単な動作ですが、ストレートネック予備軍の人には予防、ストレートネックになってしまった人には改善の補助となるので実践してみてください。

簡単な動作ですが、痛みがあるときは無理をせず、途中で痛みが出たらすぐにやめることを心がけておきましょう。

首の筋肉をほぐすストレッチ

  1. イスにしっかり座り片方の手でイスの座面をつかみます。
  2. もう片方の手で鎖骨付近を押し下げながら斜め後ろに頭を倒します。
  3. 硬くなっている部分、首を曲げたり横に倒したりする筋肉・斜角筋を伸ばすイメージ、痛くない範囲で後ろに倒しましょう。
  4. 首だけでなく、頭が後ろになるよう意識して行います。
  5. 10~30秒キープします。これを3回繰り返します。

猫背を改善する背骨ストレッチ

  1. 足を肩幅に開き、手を後ろに回しお尻の辺りで軽く組みます(組み方は自由)。
  2. ひじを伸ばして胸を張り、腕を少し持ち上げます。
  3. 腕全体を手の方向に引き下げます。
  4. 10~30秒キープします。これを1セット3回繰り返します。

首の痛みを引き起こす生活習慣とは

ここでは改めて「ストレートネック」もしくは「首の痛み」を引き起こす生活上のシーンを挙げてみます。ご自身でチェックしてみましょう。

首の痛みの生活上の原因例

  • スマートフォンやタブレット端末をよく使う
  • ノートパソコンをよく使う
  • 仕事は主にデスクワーク
  • ストレッチなどの体操はあまりしない
  • いつもイスに浅く腰かける
  • 背もたれが低いイスや背もたれのないイスをよく使う
  • 足を組むことが多い
  • 枕の高さがあっていない

日常の中で誰しも行なってしまう行為が、いくつも見られますね。この項目は、いくつ当てはまるかではなく、それぞれの行為を1日何時間程度続けてしまっているか改めて考えてみてください。

「ストレートネックになると、首のコリや痛みが現れやすくなりますが、整形外科を受診してレントゲンを撮影しても骨自体に異常がないと、整形外科などでは有効な治療方法がありません。長時間の姿勢やイスの座り方を正しくすることが予防になります」(竹谷内先生)

ストレートネックは治るのか?

では、ストレートネックなのかな? と思ったとき、どのような対策があるのでしょうか。

痛みが継続する場合は、必ず整形外科を受診し、診断してもらうことをおすすめします。首の痛みがあるからストレートネックというわけではありません。実は頚椎症や手のしびれなどをともなう頸椎症性神経根症や、椎間板ヘルニアの神経根症タイプなどが起きている場合があります。

ストレートネックだった場合、整形外科では痛みを緩和する薬を処方してもらえます。しかし、普通に行なわれる治療方法だけでは、なかなか改善しません。

「整形外科などで行われている首の牽引療法などで、ストレートネックを改善することはできません。また一旦ストレートネックになってしまうと、先に紹介した予防法だけでも改善が難しくなります。一度崩れてしまった背中や腰のカーブを元に戻すには、首だけでなく背中や腰のカーブ全体を正常に戻すことが大切になります。その点カイロプラクティックは、全体を調整することができます」(竹谷内先生)

監修者プロフィール

竹谷内康修(たけやち・やすのぶ)
整形外科医・カイロプラクター。竹谷内医院院長


東京都生まれ。2000年に東京慈恵会医科大学卒業後、福島県立医科大学整形外科へ入局。2003年、米国のナショナル健康科学大学へ留学。2007年、東京駅近くにカイロプラクティックを主体とした手技療法専門の竹谷内医院を開設。肩こり、首の痛み、腕のしびれ、腰痛、腰部脊柱管狭窄症、関節痛などの手技治療に取り組む。雑誌、新聞、テレビなどのメディアでも活躍中。著書に『腰痛を根本から治す』『腰・首・肩のつらい痛みは2分で治る!』(以上宝島社)、『首の痛みは、自分で簡単に治せる1』(三笠書房)などがある。
【竹谷内医院 公式サイト】https://takeyachi-chiro.com

『頸椎症の名医が教える 竹谷内式 首トレ 5分の体操で首の痛み・肩こり・腕のしびれが消える』(徳間書店)
▼公式ページはこちら

<Text:松田政紀(アート・サプライ)/Illustration:スギサキメグミ>

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