みかんの「皮」や「白い筋」は食べていいの?マッスルデリ管理栄養士が解説 (1/2)
体を鍛えている筋トレ民も、細くなりたいダイエット民も、時には食べすぎ、飲みすぎることもあるでしょう。どうやったらリカバリーできるのか。ボディメイクを食事面からサポートする「Muscle Deli(マッスルデリ)」の管理栄養士・瀧川みなみさんに、よくあるギモンを聞いてみました。
冬に食べる機会が増える「ミカン」。りんごなどもそうですが、皮のほうに栄養が詰まっているというのはよく聞きますよね。
みかんも皮ごと食べたほうが栄養面ではメリットがあるのでしょうか? また、みかんの白い筋もとらないほうがいいのでしょうか。
Q.みかんの栄養は実より皮や白い筋に多く含まれているというウワサを聞きましたが、本当ですか?皮ごと食べ、筋はとらない方がいいでしょうか。
まず、みかんの「皮」についてですが、一番外側のオレンジまたは緑色の部分は「外果皮(がいかひ)」と呼ばれます。みかんの外果皮には、β-クリプトキサンチン、ヘスペリジン、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維などの栄養素が含まれています。
みかんの外果皮は乾燥させて「陳皮(ちんぴ)」として漢方薬や薬膳などに使われてきた歴史も。陳皮の効能として一般にリラックス効果、血流改善、整腸作用などが挙げられます。
外果皮ごと食べる場合は、以下のようなアレンジ方法があります(※表面に農薬や汚れなどがついていれば、しっかりと洗い流してから調理しましょう)。
- 水平に輪切りにしてはちみつ漬け
- すりおろしてみかんの皮ジャム
- 乾燥させ、煮詰めてみかんの皮茶 など
みかんの栄養素をチェック
私たちがよく口にする代表的なみかんのことを「温州みかん(うんしゅうみかん)」といいます。この温州みかんにおける100gあたりの栄養成分を見てみましょう。
食品名 |
エネルギー kcal |
たんぱく質 g |
脂質 g |
糖質 g |
食物繊維 g |
ビタミンC mg |
(かんきつ類) うんしゅうみかん 砂じょう 普通 生 |
49 |
0.7 |
0.1 |
11.5 |
0.4 |
33 |
(かんきつ類) うんしゅうみかん じょうのう 普通 生 |
49 |
0.7 |
0.1 |
12 |
1 |
32 |
文部科学省『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』より
上表の「砂じょう」とはみかんの果肉のつぶつぶした部分で、「じょうのう」とは、みかんの外皮を剥いたときに現れる、果肉を包んでいる薄い皮と砂じょう両方食べた場合を指しています。
ちなみに一般的な温州みかんの重さは、外果皮を取り除いた状態でそれぞれ大130g、中80g、小45gほどです。
みかんを皮(じょうのう)ごと食べたほうがいいのか、それらを取り除いて砂じょう部分だけ食べたほうがいいのか。上表からわかる通り、100gあたりでは栄養成分にあまり差は見られません。
皮つきで食べたほうが僅差で「栄養は豊富」と言えるでしょう。
白い筋にはこんな栄養が含まれていた
みかんの「じょうのう」についている白い筋は「アルベド」といいます。アルベドにはポリフェノールの一種である「ヘスペリジン(ビタミンP)」が含まれています。
ヘスペリジンには毛細血管の強化作用をはじめとして、血流の改善、血中中性脂肪の低下、血中コレステロール値の改善、抗アレルギー、リウマチ症状改善などのはたらきが報告されています。
食べれば上記の悩みがすべて解消されるというものではありませんが、手軽にビタミン補給や健康維持を目的としたいのであれば、皮や白い筋も一緒に摂るのがベターな選択といえるかも知れません。
おいしい食べ方としては、生のまま食べる場合はやさしく揉んでから食べると、酸味が軽減し、甘みが強く感じられます。
さらに甘みやジューシー感を感じたい場合は、オーブンなどで加熱して「焼きみかん」にすると、また違った印象でおいしく召し上がれると思います。