なぜ?寝ても疲れが取れない原因と、年齢別の対処法(10代~60代) (1/3)
日本人は睡眠時間が短いと言われています。フィリップス・ジャパンが2017年から世界で実施している調査によると、日本人の睡眠時間は世界的に見てもっとも短く、成人日本人は平均で約6.4時間睡眠。週末でも7時間睡眠となっており、約7,100万人の日本人が自分の睡眠に対して満足をしていない現状が分かってきています。
ただでさえ睡眠時間が短いにもかかわらず、寝ても疲れが取れない、寝た気がしないという嘆きの声はSNSをはじめ各所でよく耳にします。
お疲れモードの皆さま。その原因を探ってみませんか? 大阪カウンセリングセンターBellflower代表の町田奈穂さんに解説いただきます。
寝ても疲れが取れない原因として何が考えられる?
原因1 睡眠時間の不足
最初に考えられる原因は、睡眠不足です。
成人に推奨されている睡眠時間は平均約7時間半〜8時間半と言われています。ベッドに入ってスマホを触っている時間は含まれません。さて、どれほど多くの人が推奨される睡眠時間を確保できているでしょうか?
必要な睡眠時間が確保できなかった分は、睡眠負債として、借金のように積み上がっています。そしてこれらが、身体にさまざまな不調をもたらしていく原因のひとつとなっているのです。
原因2 寝だめなど生活リズムの乱れ
次に考えられる原因として、生活リズムの乱れが挙げられます。
仕事の時間に合わせて平日は早起きしている一方で、休日はお昼近くまで寝ているという方も多いのではないでしょうか。
この平日と休日の起床時間の乱れや、休日だからと夜更かししたりすることが身体のリズムの乱れを生じさせます。
身体リズムが乱れていると、寝ても寝ても寝足りない、疲れが取れないという状態につながります。
原因3 ストレスや自律神経の乱れによる睡眠障害
ストレスやうつ状態、自律神経の乱れは全て睡眠に悪影響を及ぼします。
ストレスやうつ状態の場合は、慢性的に生じているストレスからの逃避や、生じている疲れを解消するために体が自然と睡眠を欲するようになります。そのため、いつも以上に眠たい状態や、寝すぎるという過眠傾向に陥りやすいと言えます。
また、反対にストレスから眠れないという不眠症状を生じる場合もあります。
●自律神経と睡眠の関係性
自律神経の乱れは、体のホルモンのバランスに影響があります。
自然と眠たくなる、自然と目が覚めるといった身体のリズムそのものが崩れてしまうことにより、寝付きの悪さや夜中や早朝に目が覚める、寝たくても眠れないといった睡眠の悪い症状が出てきてしまいます。
寝ても疲れが取れない場合、どんな対処法がある?
まずはストレス要因から離れるのが最優先
ストレスやうつ状態の場合は、まずはストレスとなっている要因から距離を取ることが大切です。身近にいる相談できる人に相談をしたり、病院を受診してみましょう。
休職もひとつの大切な選択肢です。距離を取ることができたら、しっかりと自分を労り、休みましょう。難しいかもしれませんが、できればスマホやSNSからも距離をとって過ごされると良いでしょう。
できる限り同じようなリズムで生活する
そして、自律神経の乱れ対策にもなりますが、できる限り同じようなリズムで生活することが大切です。
同じ時間に寝て起き、同じ時間に食事をしっかりと摂る。これにより、身体のリズムが整い、睡眠も安定してとることが出来るでしょう。
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