フィットネス
ライフスタイル
2017年10月16日

ランニングサークルでラン仲間ゲット!走る異業種交流会「仙台明走会」│全国のランニングクラブ訪問記 #1

 せっかくランニングを始めても、1人だとなかなか続かない。そんな悩みをお持ちの方は、多いのではないでしょうか。たとえ走力が違っても、お互いに励まし合い、切磋琢磨できる仲間がいるだけで頑張れるもの。MELOSでは国内各地にあるランニングクラブについて、その活動をご紹介していきます。

 今回は宮城県仙台市を拠点に活動する、『仙台明走会』会長代行の山家 靖さんにお話を伺いました。どんな仲間と、日々どのように活動されているのか。その特徴をご覧ください。

もともとはランニングを通じた異業種交流を目的に発足

 1980年代に東京で発足した『明走会』。2006年、会員が転勤したことをキッカケに、宮城県仙台市でも『仙台明走会』が発足しました。ランニングチームといえば、やはり“走ること”がその目的と考えるのではないでしょうか。しかし明走会は、少し変わった発足背景を持ちます。

「そもそも明走会は、異業種交流の場として発足しました。当時もある程度はランナーと呼ばれる方がいたので、ランニングを通じて人と人との繋がりを生み出そうと考えたようです。仙台明走会はその派生組織としてできたものですが、やはり同様に“走る異業種交流”を根本的なスタイルとしています」

 仙台明走会は今年で11年目を迎えたランニングチーム。実際、チームメンバーには医師や弁護士、税理士、金融、食品、ゼネコン、電力をはじめ、非常に多彩な顔ぶれが集まっています。発足当初はクチコミによる声がけから始まった組織ですが、現在は110名以上ものメンバーを抱えているそうです。

「会員には2つの種類があります。1つは仙台に在住されていて、年1,000円の会費をお支払頂いている方。もう1つは遠方に住んでいて、仙台を訪れた際のみ一緒に活動される方です。後者は主に転勤などで遠くへ移られた方々で、会費はいただいていません。以前は会費制を敷いていなかったのですが、しっかり活動するために体制を変更しました」

 会費制とはいえ、1,000円で仲間ができるなら決して高くはないでしょう。むしろ心からランニングを楽しみたいと願う方のみが集まるため、同じ思いを持たれている方にとってはメリットになりそうです。

さまざまな面から“ランニング”に関わる

 仙台明走会では、主に3つの活動を行っています。具体的には、まず合同でのトレーニングや大会参加、そしてイベントの開催にも取り組まれており、加えて大会でのボランティア活動も行っているそうです。

「定期的な練習会は月2回のナイトラン、そして月1回のイベントランです。ナイトランは長町を拠点とした約10kmのランニングと、仙台駅東口ランと呼んでいるトラック練習。イベントランは時期に応じて、芋煮やバーベキューなどをランニングと組み合わせて行っています。ちなみに、ナイトランの後は必ず反省会および情報交換会を希望者で行い、例会も出来るだけ形を変えて毎月開催しているんです。」

 ナイトランでは、多いときで20名ほどのメンバーが集まるとのこと。走る距離やペースなどは、集まったメンバーに応じて変えているようです。

「また、春には秋保で30kmのマラニックイベント『秋保夢舞マラニック』を、夏には広瀬通の1.8km周回を用いた『チャリティーマラソンin宮城』を主催。マラニックは約80名、チャリティーマラソンは約200名のランナーが集まるイベントです。そのほか、トレランやマラソン大会ではボランティア活動も積極的に行っています。例えばスイーパーやマーシャル、エイドスタッフなど。走ること以外にも、大会主催者やサポートスタッフとして関わることで、仙台のランニングを盛り上げたいと考えているんです」

 ただトレーニングしたり、一緒に大会へ参加したりするだけではない。さまざまな面からランニングに関わるという点は、まさに仙台明走会の大きな特徴ではないでしょうか。実際、お話を伺う数日前に『東北・みやぎ復興マラソン』に参加しましたが、サポートスタッフとして関わられている仙台明走会の方々をたくさん見ました。

被災地の“今”をランを通じて知る。「東北・みやぎ復興マラソン2017」大会レポ(前編) | 趣味×スポーツ『MELOS』

年齢や性別、走力にこだわらないフラットな仲間

 チーム内でのコミュニケーションは、主に掲示板・SNSを利用されているとのこと。20〜70代まで幅広い年齢の方々が参加されており、女性も3〜4割を占めています。

「男性は、特に単身赴任者の方が多いですね。お一人で仙台にいらっしゃり、走る仲間が欲しいということで仙台明走会に参加してくださります。福岡や関西、四国、東京、さらには北海道など、いろんな地域の方がいますよ。多文化が入り交じるので、良い情報交換にもなります」

 走ることが好きな人なら、誰でもウェルカム。練習会や大会、イベント時はもちろん、飲み会の場でもフラットな雰囲気で交流が交わされます。単身赴任者が多いことから、メンバーの入れ替わりも多いとのこと。その分、新しいメンバーにとっても入りやすい環境のようです。

 東北最大の都市・仙台を拠点とするランニングチーム『仙台明走会』。定期練習会は、入会前でも体験することが可能です。仙台で走る仲間が欲しいと考えている方は、まず一緒に走ってみてはいかがでしょうか。

[チーム概要]
仙台明走会
・連絡先(事務局) meisoukaiatsendai@yahoo.co.jp
・URL http://www.geocities.jp/meisoukaiatsendai

《連載:全国のランニングクラブ訪問記》
ランニング友達を見つけよう!岡山『ATHRUN CLUB(アスランクラブ)』【全国のランニングクラブ訪問記 #2】
ランニングで新たな出会いも。高知県『まるランニングクラブ』ってどんなチーム?【全国のランニングクラブ訪問記 #3】
マラソンは頑張りすぎなければ結果を残せる。沖縄「Break Through RunningClub」【全国のランニングクラブ訪問記 #4】
誰でもウェルカムな初心者ラン集団!東京「ライザランニングクラブ(WRC)」【全国のランニングクラブ訪問記 #5】

[筆者プロフィール]
三河 賢文(みかわ・まさふみ)
“走る”フリーライターとして、スポーツ分野を中心とした取材・執筆・編集を実施。自身もマラソンやトライアスロン競技に取り組むほか、学生時代の競技経験を活かし、中学校の陸上部で技術指導も担う。またトレーニングサービス『WILD MOVE』を主宰し、子ども向けの運動教室、ランナー向けのパーソナルトレーニングなども行っている。3児の子持ち。ナレッジ・リンクス(株)代表。
【HP】http://www.run-writer.com

<Text & Photo:三河賢文>