オリンピックに見る、日本人選手の強さの秘訣とは。心理専門家が独自の目線で語る (2/3)
(3)謝罪の場以外では「すみません」を多用しない
「すみません」が口ぐせの方も多いです。もちろん、謝罪が求められる場面では、謝ることが大事です。ただそうではなく、感謝の表明として「すみません」を多用するケースです。
スポーツジムに通うAさんとBさん。二人とも、一日も休まずに通っています。ジムのトレーナーCさんが「頑張っていますね」と褒めてくれました。
Aさんは「ありがとうございます。トレーナーのCさんはじめ、皆さんのおかげです」と応えます。Bさんは「すみません。私なんか、どうせダメですよね」と返事をしました。
どちらも内心、感謝の思いを伝えたと考えています。しかし、感謝の気持ちがトレーナーに伝わるのは、どちらですか?明らかにAさんですよね。
対するBさんは自己卑下とも言えるからです。
●謙虚と自己卑下は異なる
近年、謙虚と自己卑下を混同しているケースを見かけます。
どちらも自分を下げる言葉遣いを用います。しかし、この違いは、自分の価値まで下げているかどうか、です。謙虚はあくまでも言葉遣いなんですね。
ところが自己卑下の場合は、自分の価値までも下げています。だから、「すみません」「自分なんか」「どうせ」などの言葉が多くなります。
ここでオリンピックの選手を思い出してみましょう。同じような発言をしているでしょうか?
●「すみません」より「ありがとう」がおすすめ
自己卑下の解消は極めて簡単です。「ありがとう」と感謝した方が良い場面で、「すみません」を使わないこと、これだけです。
「すみません」と口に出てしまった場面、「しまった!だから私はダメなんだ」と自己否定しないでくださいね。自己否定も卑下に通じます。
口にした際は、「普段の口ぐせが出た。これも私」と受け止めてみてください。
マイナスな気持ちを切り替えるワーク
ここまで「感謝」がメンタルを強くすることをお伝えしてきました。それでも、なかなか引き摺ってしまうケースもあります。
そこで、「自分の気持ちを切り替えるワーク」を2つご紹介します。