ヘルス&メンタル
2024年8月6日

オリンピックに見る、日本人選手の強さの秘訣とは。心理専門家が独自の目線で語る (2/3)

(3)謝罪の場以外では「すみません」を多用しない 

「すみません」が口ぐせの方も多いです。もちろん、謝罪が求められる場面では、謝ることが大事です。ただそうではなく、感謝の表明として「すみません」を多用するケースです。

スポーツジムに通うAさんとBさん。二人とも、一日も休まずに通っています。ジムのトレーナーCさんが「頑張っていますね」と褒めてくれました。 

Aさんは「ありがとうございます。トレーナーのCさんはじめ、皆さんのおかげです」と応えます。Bさんは「すみません。私なんか、どうせダメですよね」と返事をしました

どちらも内心、感謝の思いを伝えたと考えています。しかし、感謝の気持ちがトレーナーに伝わるのは、どちらですか?明らかにAさんですよね。

対するBさんは自己卑下とも言えるからです。 

●謙虚と自己卑下は異なる

近年、謙虚と自己卑下を混同しているケースを見かけます。

どちらも自分を下げる言葉遣いを用います。しかし、この違いは、自分の価値まで下げているかどうか、です。謙虚はあくまでも言葉遣いなんですね。

ところが自己卑下の場合は、自分の価値までも下げています。だから、「すみません」「自分なんか」「どうせ」などの言葉が多くなります。

ここでオリンピックの選手を思い出してみましょう。同じような発言をしているでしょうか? 

●「すみません」より「ありがとう」がおすすめ

自己卑下の解消は極めて簡単です。「ありがとう」と感謝した方が良い場面で、「すみません」を使わないこと、これだけです。 

「すみません」と口に出てしまった場面、「しまった!だから私はダメなんだ」と自己否定しないでくださいね。自己否定も卑下に通じます。

口にした際は、「普段の口ぐせが出た。これも私」と受け止めてみてください。 

自己肯定感、「低いとダメで、高めるべき」なのか【心理専門家が回答】

マイナスな気持ちを切り替えるワーク 

ここまで「感謝」がメンタルを強くすることをお伝えしてきました。それでも、なかなか引き摺ってしまうケースもあります。

そこで、「自分の気持ちを切り替えるワーク」を2つご紹介します。 

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